転職の魔王様(2023)徹底解説!毒舌キャリアアドバイザーと社畜ヒロインの成長物語【ネタバレ】

目次

ドラマ「転職の魔王様」基本情報

2023年7月17日から9月25日まで、カンテレ・フジテレビ系の月曜夜10時枠で放送された「転職の魔王様」は、額賀澪の同名小説を原作としたヒューマンドラマである。全11話構成で、毎話転職希望者たちの人生に寄り添いながら、主人公たちの成長を描く物語となっている。

出典:カンテレ

放送情報

  • 放送期間: 2023年7月17日〜9月25日
  • 放送局: カンテレ・フジテレビ系
  • 放送時間: 毎週月曜夜10時〜10時54分
  • 全話数: 全11話
  • 脚本: 泉澤陽子、小峯裕之
  • 原作: 額賀澪『転職の魔王様』『転職の魔王様2.0』(PHP研究所)

メインキャストと登場人物

来栖嵐(くるすあらし) / 成田凌

転職エージェント会社「シェパードキャリア」のキャリアアドバイザー。左足が不自由で杖をついているが、成績優秀な敏腕アドバイザーである。求職者の心をえぐるような毒舌を放つため、「転職の魔王様」という異名を持っている。過去に交通事故で左足を負傷し、夢だった商社マンとしてのキャリアを諦めた経緯がある。

未谷千晴(ひつじたにちはる) / 小芝風花

大手広告代理店「一之宮企画」に新卒入社するも、パワハラに遭い3年も経たずに退職してしまった25歳。叔母が経営するシェパードキャリアで来栖と出会い、やがて自身もキャリアアドバイザーの道を歩むことになる。

落合洋子(おちあいようこ) / 石田ゆり子

シェパードキャリアの社長。千晴の叔母であり、温和で包容力のある人物。過去に恋人だった小学校教諭の君雄が原因不明の退職後、引きこもりになったことに心を痛め、その社会復帰の足がかりになればと会社を立ち上げた。

広沢絵里香(ひろさわえりか) / 山口紗弥加

シェパードキャリアのベテランキャリアアドバイザー。母親として子育てと仕事の両立に奮闘している。

その他のキャスト

  • 犬飼翔 / 藤原大祐(シェパードキャリアの新人キャリアアドバイザー)
  • 山口守男 / おいでやす小田
  • 横山潤也 / 前田公輝
  • 清川北斗 / 井上翔太
  • 清川ミナミ / 井本彩花
  • 天間 / 白洲迅(ライバルのキャリアアドバイザー)
出典:Fany Magazine

ドラマのテーマと見どころ

「転職の魔王様」は、単なる転職ドラマではない。このドラマの核心は、「働くこと」「生きること」の本質を問いかける点にある。転職希望者は1000万人とも言われる現代において、「この会社で、この仕事で、本当にいいのだろうか」と悩む人々に寄り添う物語である。

来栖の不躾だが本質を突いた言葉は、転職希望者たちに自らの仕事や生き方と向き合うきっかけを与える。「周りが転職するから焦って自分も、ですか?」「あなたの人生、このままでいいんですか?」といった辛辣な問いかけは、視聴者の心にも響く名言の数々である。

物語のあらすじ【ネタバレ】

千晴との出会いとキャリアアドバイザーへの道

新卒で入社した大手広告代理店を3年も経たずに退職した未谷千晴は、途方に暮れていた。ある晩、杖をついたスーツ姿の男・来栖嵐が中年男にナイフで襲われる現場に遭遇する。来栖が表情一つ変えず冷静に男を取り押さえた後、心配する千晴に来栖は「人の心配より、ご自分の心配をしたらどうですか?未谷千晴さん」と意味深な発言をする。

出典:スカパー!

翌日、千晴は叔母の落合洋子が社長を務める転職エージェント「シェパードキャリア」を訪れる。そこで「転職の魔王様」と呼ばれる優秀なキャリアアドバイザーの担当になるが、それが昨晩の来栖だった。

焦る気持ちが先行し、職種も問わず未経験の仕事でもいいと話す千晴に、来栖は次々と心をえぐる言葉を投げつける。しかし、来栖とともに前に勤めていた広告代理店を訪れた千晴は、自分が社畜だったことに気づき、本当に自分が何をしたいのか見つめ直すことを決意する。

やがて千晴は、シェパードキャリアでキャリアアドバイザー見習いとして働くことになる。来栖の指導のもと、派遣社員として10年働いてきた宇佐美由夏、大手広告代理店の営業マン笹川直哉、6回の転職を経験した「転職王子」八王子道正など、様々な転職希望者と向き合っていく。

出典:Fany Magazine

来栖の過去と彼がキャリアアドバイザーになった理由

第4話では、来栖の元恋人・剣崎莉子が登場し、来栖の過去が明かされる。6年前、来栖は交通事故で左足を負傷した。加害者の女性は過労のため居眠り運転をしており、来栖を必死に避けようとして亡くなってしまった。夢だった商社マンとしてのキャリアを諦めざるを得なくなった来栖は、自暴自棄に陥っていた。

その時、たまたま通りかかった人物の一言に救われたのである。自暴自棄だった来栖は前向きに生きることに希望を見い出し、「苦しんでいる人の力になれるかもしれない」とキャリアアドバイザーの道を選んだ。

第9話では、洋子の過去も明かされる。洋子は13年前、小学校教諭だった恋人・五十嵐君雄が突然辞職し、引きこもりになったことに心を痛めていた。君雄は教え子を守ろうとした結果、保護者とのトラブルに巻き込まれて心を病んでしまったのである。洋子は恋人の異変に気づけなかった自分を責め、いつか君雄の社会復帰の足がかりになればとシェパードキャリアを立ち上げたのだった。

出典:note

第10話で明かされる運命的な出会い

そして第10話で、来栖と千晴の本当の出会いが明かされる。それは「雨の日にタピオカ(シェパードキャリアの看板猫)がきっかけとなって交わした、まだ互いの素性も知らない通りすがり同士の邂逅」だった。

千晴がシェパードキャリアに来るより前、一之宮企画で新入社員だった時期のことである。交通事故で会社を辞めて自暴自棄になっていた来栖が、雨の中、駅の階段で転げた時に、たまたま通りかかった千晴に助けられたのだ。その時に来栖と千晴が初めて言葉を交わし、千晴が口にした「やまない雨はない」という言葉が、のちに来栖の心を支えるフレーズとして刻まれていた。

出典:クランクイン!

来栖は、自暴自棄だった自分を支えた「一言」の主が千晴だったと気づき、第10話でそれを告白する。これまでの厳しい態度の裏にあった特別な思いが明確になった瞬間である。二人は、公式な「魔王と社畜」の関係になる前に、互いの名前も知らないまま、雨と猫とひと言の励ましでつながった過去を共有していたのである。

このロマンチックな出会いの真相は、視聴者に大きな感動を与えた。千晴の何気ない優しさが、来栖の人生を変え、そしてその来栖が今度は千晴の人生を変える――二人の運命的な絆が、ここで完全に明らかになったのである。

最終回――夢の形と二人の未来

最終回では、来栖の商社マン時代の同期・児玉雄一郎が、「一緒にアフリカで働こう」と来栖をスカウトする。あきらめた夢を再び追いかけられるチャンスに、来栖の心は揺れる。

児玉から来栖の説得を頼まれた千晴は、来栖に転職の面談をする。千晴は「私は来栖さんに笑顔でいて欲しいと思っています」とアドバイスする。

来栖は千晴の面談で、今の自分を見直す。そして導き出した答えは「夢の形は変わる」ということだった。多くの人の幸せのために「エネルギー事業」に携わりたいという想いが、今は一人でも多くの人に「幸せな転職」を導きたいという想いに変わっていることに気づいたのである。

来栖は「1人でも多くの求職者の人生をいいほうに導き、嫌われても恨まれてもいい。笑顔で仕事なんてできなくてもかまわない」と思えるのは、今の仕事が自分にとって大切なものであり、キャリアアドバイザーの仕事が好きだという答えを出す。

そして最終回のラスト、千晴は自ら大阪支社への転勤を願い出る。別れの際、千晴は来栖に「私が立派になって帰ってくるまで待っていてくれますか?」と問いかける。来栖が「プロポーズですか?」と聞くと、千晴は照れながら否定する。

しかし別れの握手の際、来栖は千晴をハグする。そして1年半後、二人は再会を果たす。その後、二人が結ばれたかどうかは明確には描かれず、余韻を残すエンディングとなっている。

出典:www.amazon.co.jp

視聴率と反響

「転職の魔王様」の視聴率は、初回5.4%から始まり、最終回は初回をわずかに上回る5.5%を記録した(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。視聴率は決して高くはないものの、安定した数字を保ち続け、働く人々の共感を呼ぶ内容で話題となった。特に成田凌の毒舌キャラクターと小芝風花の成長物語が視聴者の心を掴んだ。

原作との違い

原作小説『転職の魔王様』は全5話からなる連作短編集である。ドラマでは原作のエピソードに加えて、オリジナルストーリーも展開された。

特に来栖と千晴の恋愛要素はドラマオリジナルの展開であり、最終回での二人の別れと再会のシーンは視聴者の心に深く残った。また、第10話で明かされる「雨の日の運命的な出会い」もドラマならではの演出である。ドラマに合わせて原作者・額賀澪による続編『転職の魔王様2.0』が2023年7月に発売されている。

来栖の名言

出典:Fany Magazine
  • 「周りが転職するから焦って自分も、ですか?」
  • 「あなたの人生、このままでいいんですか?」
  • 「仕事に夢を見ないのはご自由です」
  • 「転職は決して生きがいにするものではありません」
  • 「それぐらい自分で決めてください」
  • 「あなたの人生の前では、どうだっていいものなんですよ」

ドラマから学べること

「転職の魔王様」が伝えるメッセージは明確である。転職とは単に会社を変えることではなく、自分の人生の「優先順位」を考え直す機会なのだ。

自分の価値は自分で決める。「仕事」に向き合い、「人生」に向き合う――このドラマは、すべての働く人に向けた応援歌である。

来栖の毒舌は時に厳しく聞こえるが、その根底には「求職者に本当の幸せを見つけてほしい」という強い思いがある。表面的な条件だけではなく、その人が本当に何を望んでいるのか、どう生きたいのかを問いかけ続ける姿勢こそが、「転職の魔王様」たる所以である。

そして第10話で明かされた「やまない雨はない」という千晴の言葉は、作品全体のテーマを象徴している。どんなに辛い状況でも、いつか必ず道は開ける。来栖も千晴も、そして多くの転職希望者たちも、この言葉に支えられて前に進んでいくのである。

まとめ

「転職の魔王様」は、2023年夏ドラマの中でも異色の作品である。派手な展開やラブストーリーではなく、地に足のついた「働くこと」「生きること」をテーマにしながらも、毎回スカッとする爽快感を与えてくれる。

成田凌の演じる来栖嵐は、杖をついた毒舌キャリアアドバイザーという難しい役どころを見事に演じきった。一方、小芝風花の演じる千晴は、社畜から脱却し、やがて一人前のキャリアアドバイザーへと成長していく姿が印象的である。

現代社会において、多くの人が「転職」について考える時代である。このドラマは、そんな時代に生きる我々に、仕事や人生について深く考えるきっかけを与えてくれる。

「転職の魔王様」は、単なる転職ドラマを超えて、人生ドラマとして多くの人の記憶に残る作品である。もし転職を考えている人、仕事に悩んでいる人がいたら、ぜひこのドラマを見てほしい。きっと何かヒントが見つかるはずである。

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