映画– category –
映画作品の物語構造・演出意図・テーマ性を深く読み解く“ネタバレあり”の考察記事をまとめています。映像表現、キャラクターの動機、象徴的なカットなど、作品理解をさらに深める分析を扱います。
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1960年映画『不知火検校』――勝新太郎が二枚目を捨てて掴んだ悪の美学
昭和35年(1960年)、大映から公開された『不知火検校』は、日本映画史において特異な輝きを放つ作品である。 出典:ワンスクリーン 盲目の按摩が極悪非道の限りを尽くして権力と富を手にするというピカレスクロマン。この映画は、後に国民的ヒーローとな... -
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なぜ日本の透明人間は“善人”なのか? – 日米『透明人間』像から透ける、罪と罰の倫理観
もし、誰の目にも見えなくなったら、あなたは何をするだろうか。 この根源的な問いは、古くはプラトンの『国家』に登場する「ギュゲスの指輪」の逸話から、現代に至るまで、私たちの倫理観を揺さぶり続けてきた 。姿が見えないという究極の自由と匿名性を... -
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1938年版『忠臣蔵 天の巻・地の巻』レビュー|阪東妻三郎×片岡千恵蔵共演作
日本映画史に燦然と輝く超大作、1938年版『忠臣蔵 天の巻・地の巻』。阪東妻三郎、片岡千恵蔵、嵐寛寿郎ら125名もの豪華スターが共演し、オリジナル版は171分という壮大なスケールで描かれた仇討ち物語だ。 出典:www.amazon.co.jp 残念ながら完全版は失わ... -
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東宝創立30周年の大作『忠臣蔵 花の巻 雪の巻』(1962)──稲垣浩が描いた義士たちの覚悟と葛藤
はじめに──東宝が総力を結集した忠臣蔵映画の金字塔 1962年11月3日に公開された『忠臣蔵 花の巻 雪の巻』は、東宝創立30周年記念映画として製作された時代劇の大作である。『宮本武蔵』シリーズや『無法松の一生』で知られる巨匠・稲垣浩が監督を務め、東... -
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深作欣二が描く実録忠臣蔵『赤穂城断絶』(1978)—オールスターキャストで挑んだ630日の闘いのロマン
「公儀への反逆」として描かれた忠臣蔵の新境地 1978年10月28日に公開された『赤穂城断絶』は、『仁義なき戦い』シリーズで日本映画界に衝撃を与えた深作欣二監督が、日本人の心に深く刻まれた忠臣蔵を実録タッチで描いた時代劇である。東映配給、カラー・... -
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倫理と愛の境界線|映画『夏目アラタの結婚』が描いた結婚の意味
『夏目アラタの結婚』は、原作となる乃木坂太郎の漫画を基にした映画であり、強烈な設定が特徴である。映画はサスペンス要素を含みながらも、最終的には「救えない相手を愛してしまう物語」としての側面が強調され、原作とは異なるテーマへとシフトしてい... -
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映画『地球最後の日』エンディング考察—40名で人類は存続できるのか
物語の始まり—8ヶ月後の終末 1951年、ルドルフ・マテ監督、ジョージ・パル製作による『地球最後の日』(When Worlds Collide)は、一つの観測から始まる。南アフリカの天文台で働く天文学者エメリー・ブロンソン博士が、夜空に異変を発見した。遊星ベラス(Be... -
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映画『木枯し紋次郎』詳細解説──「あっしにはかかわりあいのないことでござんす」の残酷な意味
はじめに 1972年、テレビドラマ「木枯し紋次郎」が高視聴率を続け、橋幸夫による舞台化も実現するなど、紋次郎旋風が日本中を席巻していた。 そんな中、東映は数本の時代劇製作を決定し、中村錦之助や北大路欣也ら元東映スターを起用した企画と並行して、... -
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映画「敵」考察――筒井康隆が描く、老いという名の”見えない敵”
2025年1月17日、日本映画界に一つの異形が現れた。吉田大八監督による『敵』である。 筒井康隆の同名小説を映画化した本作は、第37回東京国際映画祭で東京グランプリ、最優秀監督賞、最優秀男優賞の三冠に輝き、公開前から注目を集めていた。だが、この映... -
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「座頭市鉄火旅」(1967)—— 仕込み杖の寿命が問いかける、宿命と再生の物語
はじめに:シリーズ第15作の位置 1967年1月3日、正月映画として封切られた『座頭市鉄火旅』は、座頭市シリーズ第15作である。既に14本の作品で観客を魅了してきたこのシリーズは、この第15作において、極めて重要なモチーフを導入する。それが「仕込み杖の...