記事一覧
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ドラマ
「全部お見通しだ!」の爽快感と、救われない結末のビターな味。
2000年、ミレニアムに沸いたあの年の夏。金曜の深夜、ひっそりと始まった一本のドラマがある。その名は『TRICK』。自称・天才マジシャンの山田奈緒子と、自称・天才物理学者の上田次郎。奇妙で、どこか社会に馴染めない二人が、インチキ霊能力者たちの仕掛... -
映画・ドラマ・アニメ雑記
ヴェルヌが書かなかった殺人事件——『地底探検』(1959)はなぜ「敵」を必要としたのか
ジュール・ヴェルヌの『地底旅行』を初めて読んだとき、私は驚いた。映画『地底探検』(1959)の印象が強烈だったからだ。映画では、物語の序盤で学者が何者かに殺害され、主人公たちも命を狙われる。緊迫したサスペンスが全編を貫く。ところが原作には、そ... -
映画・ドラマ・アニメ雑記
『美食探偵 明智五郎』が照らし出す、孤独と欲望のかたち
人は、何かを食べるとき、ほんのわずかに“弱さ”を見せる。『美食探偵 明智五郎』を見ていると、料理の美しさの裏側に、人間の脆い部分が静かに浮かび上がってくる。その弱さに寄り添うように、明智五郎は淡々と、しかしどこか寂しげに事件へと向き合うので... -
人物辞典(俳優・監督・キャラクター)
愛かプライドか?クレスピ博士の歪んだナルシシズムを解剖する
1935年に公開されたリパブリック・ピクチャーズの怪奇映画『The Crime of Doctor Crespi』(邦題:ドクター・クレスピの犯罪)は、エドガー・アラン・ポーの「早すぎた埋葬」を下敷きにした低予算ホラーである。 出典:YouTube しかし、この映画を単なる「... -
創作・フィクション
フロンティア・クロニクル【第8話】帰る場所、進む場所
ミストフォールの朝は、いつになく静かだった。二日間にわたる大騒動──プレーオフ、失踪、妨害工作──そのすべてが収束し、街の霧さえもようやく軽くなったように見えた。 カムデン・クラインは病室のベッドで上体を起こしていた。腕や足には擦り傷が残るが... -
創作・フィクション
フロンティア・クロニクル【第7話】プレーオフ第2戦──闇が晴れるとき、光は二つ現れる
Ⅰ. ミストフォールの朝──捜索続行 カムデン・クライン失踪から二日目。ミストフォール署は夜通しの捜索を続け、JASTICEから応援に来ていた巡査部長のカルロス“CJ”ジョーダンら3人 が森の旧参道を歩いていた。 深い霧はまだ地面に残り、足跡は途中から消え... -
人物辞典(俳優・監督・キャラクター)
冗談が裏切った瞬間:『ジョーカー』とBee Geesが紡ぐ悲劇の系譜
冗談が裏切った瞬間:『ジョーカー』とBee Geesが紡ぐ悲劇の系譜 過去に印象に残った動画を久しぶりに見たので、それについて書いていこうと思う。その動画は、2019年公開の映画『ジョーカー』の予告編を編集したもので、Bee Geesの名曲「I Started a Joke... -
創作・フィクション
フロンティア・クロニクル【第6話】夜を裂く二つの衝撃──消えたエースと勝負の行方
朝のブルーホーン地区は、重たい霧に沈んでいた。Kamden Klein(カムデン・クライン)の失踪が確認されてから、すでに三日。野営地には捜索班の足跡だけが増え、彼の姿はどこにもない。グリムキャッツ本拠地へ続く“北の林道”こそが最後の目撃地点──その情... -
小説
「ミステリと言う勿れ」第4話で朗読された名詩――三好達治「乳母車」を読み解く
フジテレビのドラマ「ミステリと言う勿れ」第4話で、雨の中、記憶を失った爆弾犯・三船三千夫が主人公の久能整に向かって一篇の詩を朗読する場面がある。三好達治の「乳母車」である。 出典:シネマカフェ cinemacafe.net 「ラストがいいよな」と呟く三船... -
ドラマ
『クロコーチ』徹底解説:伝説のドラマのあらすじ、キャスト、そして三億円事件の真相(完全ネタバレ)
はじめに:伝説の刑事ドラマ『クロコーチ』とは 2013年10月、TBSの金曜ドラマ枠で放送された『クロコーチ』は、単なる刑事ドラマの枠を超えた、空前絶後の作品として今なお語り継がれている。その理由は、本作が日本の犯罪史上、最も謎に満ちた未解決事件...