記事一覧
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映画
1967年映画「夢は夜ひらく」徹底解説:園まりが魅せた日活歌謡映画の傑作
園まり主演の日活歌謡映画「夢は夜ひらく」は、1960年代日本映画の黄金期を象徴する作品である。 1966年にミリオンセラーとなった同名ヒット曲を映画化した本作は、高橋英樹、渡哲也という日活の二枚看板に加え、ザ・ドリフターズ全員が出演するという豪華... -
映画
「シェイクスピアは、もう成仏したんですよ」― 記憶に残る一本の台詞
深夜、店を閉めてひとり残った時間に、ふと思い出す映画の台詞がある。それは1997年に公開された『Lie Lie Lie』の中で、豊川悦司演じる詐欺師・相川が、テレビ討論会の場で放った一言だった。 「シェイクスピアは、もう成仏したんですよ」 この台詞を初め... -
ドラマ
「全部お見通しだ!」の爽快感と、救われない結末のビターな味。
2000年、ミレニアムに沸いたあの年の夏。金曜の深夜、ひっそりと始まった一本のドラマがある。その名は『TRICK』。自称・天才マジシャンの山田奈緒子と、自称・天才物理学者の上田次郎。奇妙で、どこか社会に馴染めない二人が、インチキ霊能力者たちの仕掛... -
映画・ドラマ・アニメ雑記
ヴェルヌが書かなかった殺人事件——『地底探検』(1959)はなぜ「敵」を必要としたのか
ジュール・ヴェルヌの『地底旅行』を初めて読んだとき、私は驚いた。映画『地底探検』(1959)の印象が強烈だったからだ。映画では、物語の序盤で学者が何者かに殺害され、主人公たちも命を狙われる。緊迫したサスペンスが全編を貫く。ところが原作には、そ... -
映画・ドラマ・アニメ雑記
『美食探偵 明智五郎』が照らし出す、孤独と欲望のかたち
人は、何かを食べるとき、ほんのわずかに“弱さ”を見せる。『美食探偵 明智五郎』を見ていると、料理の美しさの裏側に、人間の脆い部分が静かに浮かび上がってくる。その弱さに寄り添うように、明智五郎は淡々と、しかしどこか寂しげに事件へと向き合うので... -
人物辞典(俳優・監督・キャラクター)
愛かプライドか?クレスピ博士の歪んだナルシシズムを解剖する
1935年に公開されたリパブリック・ピクチャーズの怪奇映画『The Crime of Doctor Crespi』(邦題:ドクター・クレスピの犯罪)は、エドガー・アラン・ポーの「早すぎた埋葬」を下敷きにした低予算ホラーである。 出典:YouTube しかし、この映画を単なる「... -
人物辞典(俳優・監督・キャラクター)
冗談が裏切った瞬間:『ジョーカー』とBee Geesが紡ぐ悲劇の系譜
冗談が裏切った瞬間:『ジョーカー』とBee Geesが紡ぐ悲劇の系譜 過去に印象に残った動画を久しぶりに見たので、それについて書いていこうと思う。その動画は、2019年公開の映画『ジョーカー』の予告編を編集したもので、Bee Geesの名曲「I Started a Joke... -
小説
「ミステリと言う勿れ」第4話で朗読された名詩――三好達治「乳母車」を読み解く
フジテレビのドラマ「ミステリと言う勿れ」第4話で、雨の中、記憶を失った爆弾犯・三船三千夫が主人公の久能整に向かって一篇の詩を朗読する場面がある。三好達治の「乳母車」である。 出典:シネマカフェ cinemacafe.net 「ラストがいいよな」と呟く三船... -
人物辞典(俳優・監督・キャラクター)
なぜ我々はマレフィセントに惹かれるのか? – 善を凌駕する「純粋な悪」の魅力
ディズニー映画『眠れる森の美女』を観たとき、私たちの心に最も深く刻まれるのは、オーロラ姫の優雅な美しさだろうか。それとも、フィリップ王子の勇敢な姿だろうか。もちろん、それらも物語の重要な要素だ。しかし、多くの人がこの作品を語るとき、主役... -
人物辞典(俳優・監督・キャラクター)
「本物の吸血鬼」神話を生んだ身体──マックス・シュレックの演技解剖
はじめに 無声映画の怪物は、特殊効果ではなく身体で作られていた。1922年の『吸血鬼ノスフェラトゥ』におけるオルロック伯爵は、その極致である。台詞を持たない俳優マックス・シュレックは、頭蓋の形から指先の角度、歩幅、停止の秒数に至るまで「身体の...