「悪童日記」あらすじ 自分たちの矜持のために双子は強くなる。

ドラマ(洋画)

今回紹介するのはドイツで制作された「悪童日記」です。

原作はハンガリー出身の亡命女性作家アゴタ・クリストフのデビュー作となる1986年発表の同名小説で、映像化は不可能と長年言われ続けてきた作品です。

第二次世界大戦末期のハンガリーで双子の兄弟は戦時下という状況の中でさらに祖母の下でこき使われる過酷な日々を過ごすうちに強くなっていきますが・・・

 

監督:ヤーノシュ・サース

原作:アゴタ・クリストフ

音楽:ヨハン・ヨハンソン

脚本:アンドラーシュ・セケール / ヤーノシュ・サース

製作:シャンドル・ズーツ / パール・シャンドール

双子 :アンドラーシュ・ギーマント

双子 :ラースロー・ギーマント

祖母 :ピロシュカ・モルナール(ハンガリー語版)

将校 : ウルリク・トムセン

父 : ウルリッヒ・マテス

母 :ジョンジュヴェール・ボグナール

 

「悪童日記」動画配信情報(2022年8月8日時点)

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「悪童日記」あらすじ

お母さんと暮らしていた双子の男の子(10歳くらい)の元に戦争に行っていたお父さんが帰ってきます。しかしまた戦地へ行くことになり、兄弟に「お前たちのことをもっと知りたいから日記を書きなさい」と言います。

双子は疎開のために、祖母の家に預けられます。

この祖母は「魔女」と呼ばれており、そこを訪れるのは郵便配達員のみで、夫を毒で殺したとの噂もありました。

そのこともあり、母親と祖母は疎遠で20年会っていませんでした。祖母は自分の娘を「メス犬」よばわりしています。

祖母は挨拶もしない双子を冷たくあしらい、初日は家にも入れてくれません。

次の日から薪割りをするようになり、やっと家に入ることを許されます。イモのスープを出されますが、おかわりさせてくれません。

 

そして早朝から夜まで仕事をさせられます。彼らはそんな日々を日記として綴っていきます。見聞きしたこと全部、良し悪し関係なしに・・・

祖母は街に出て、庭で取れた野菜を路上で売ります。もちろんその野菜を運ぶのは双子です。

不審な女(10〜20代)が野菜を盗んだため、2人は追いかけます。その女を酒場で見つけますが、逆に盗人呼ばわりされて、近くの男にムチで叩かれます。

それを機に、双子は体と精神を鍛えて強くなろうと誓います。

庭でお互いを罵り合いながらお互いを殴る、ベルトをムチ代わりにして、相手の背中を叩く、鼻や口からちを流すまで・・・それをドイツ軍の司令官はじっと見ています。

ちなみにこの司令官とは、収容所の司令官のことで、祖母の家の近くに収容所があったため、庭の離れに週末だけ泊まるのだそうです。

そして祖母に立ち向かえるようになった双子は、祖母にわざと自分たちを殴らせ流ようにします。それでも迫ってくる2人に祖母は怖気づいていきます。

以前、野菜を盗んた女の子は、隣の家に住んでおり、よく盗みに来ていました。来るたびに双子たちが撃退したり逃げられたりします。

そんなある日、彼女が目と耳は不自由の母親を食べさせるために盗みを働いていたことを知った双子は、それから行動を共にするようになって、いつしか親友になっていきます。

雪が積もるようになった頃、祖母の家にお母さんから小包が届きます。その中には冬用の服と「可愛い子どもたち、愛しているわ、きっとに迎えに行くから」という手紙が入っていました。それを見せようとしなかった祖母に「死んでしまえ!」と罵る2人。

出ていった後、祖母は「どうせ帰ってきやしないよ」と独り言を言って涙します。

その後、多くの人と出会い、その人達の表と裏を垣間見ながら、双子たちは成長していきます。

そして久しぶりに母親が来て、一緒に帰ろうと言い出します。しかし母親は赤ん坊を抱いており、その父親は知らない男でした・・・

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「悪童日記」感想

主人公の双子がその後も色々な経験をします。それは戦争ゆえの、なかなかできない経験なのですが、良くも悪くも、強くなっていきます。

題名になっている「悪童」とは、ただ悪い子供ではなく、自分たちに尽くしてくれた人には、どんな手を尽くしても報いる、たとえそれが犯罪であっても・・・という「悪童」ぶりでした。

見終わった後は「この双子はどんな状況になっても絶対に死を選ばない、精神的に屈強な男になっていくのだろうな」という感想になりました。

彼らは何回か犯罪を犯します。悪いことなのですが、強くなるためには相手の願うこと、そして自分たちの挟持のために、やらなければならないことだったのでしょう。

隣の女の子、母親、祖母も死んでしまいます・・・

そして最後、お互いが強くなる訓練のラストは1人が国境を超えて別れることでした。

とりあえず映画はここで終わります。しかし、この話には続きがあります・・・

原作のアゴタ・クリストフは21歳の時、1956年のハンガリー動乱から逃れるため、夫と共に生後4か月の娘を連れ、オーストリアを経てスイスのフランス語圏ヌーシャテルに移住しています。

この亡命をふまえて、「悪童日記」が書かれたようです。この作品が事実上のデビュー作であり、この物語は「ふたりの証拠」「第3の嘘」とともに3部作として作られています。

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