「宇宙戦争(1953年)」あらすじとネタバレ 宇宙人を倒したのは皮肉にも・・・

SF(洋画)

H・G・ウェルズのSF小説を映画化した伝説的作品です。

その時代の第一級の特撮技術を用いて描かれた世界は子供のみならず、大人も懐かしい気分で見れるかもしれません。

監督:バイロン・ハスキン

脚本:バリー・リンドン

原作:H・G・ウェルズ

製作:ジョージ・パル

出演者:ジーン・バリー / アン・ロビンソン 他

公開:1953年7月29日(アメリカ) / 1953年9月1日(日本)

 

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「宇宙戦争」1953年版 あらすじ(ネタバレあり)

20世紀中頃、火星人は移住先を探していた。母星である火星は消耗し、夜間は赤道でも−18℃になっていた。

火星人は優秀な観測機器を持っており、周りの天体から自分たちが住める場所を探していたのだった。

冥王星は大気が凍っており、天王星、海王星はメタンやアンモニアのガスに包まれており、移住には向かなかった、

土星は気温が−170℃、木星は気圧が高すぎるため、この2つも移住には向かず、水星には空気がなかった。

地球だけが彼らが住める唯一の天体だった・・・

彗星落下

ある日の夜、クジラほどの大きさの隕石が火の玉状になってカリフォルニアに落ちてくる。

夜が明けて、その隕石の周りに多くに見物人が訪れる。クレータが小さいため近くまで行くことは出来たが、まだ内部は熱い状態で触ることはできなかった。

天文と原子物理の権威であるクレイトン・フォレスター博士はガイガーカウンター(放射能レベルを測る装置)が異常に高いことを苦慮し、見物人を遠ざけるように指示し、隕石が冷えてから再び調査することにした。

フォレスターは現場にいた教師のシルヴィア、彼女の叔父で牧師のコリンズを頼って近くの街に滞在することになる。

その夜、隕石の中から、先に目のようなものを持ったアーム状の物体(以後、火星人と呼称)が現れ、見張っていた3人の男に赤い光線を発して跡形もなく焼き殺す。

同じ頃、パーティーを楽しんでいたフォレスターたちの会場や周りの家々が停電になり、時計もすべて止まってしまう。

フォレスターと保安官は3人の死体(灰の跡)と火星人が車を焼く光景を目の当たりにする。フォレスターは保安官に軍を出動させるように要請する。

この頃、世界中で同じような隕石が落ちており、TVでは火星人がどのような姿なのか、人間とどう違うのかなど、多くの憶測が飛び交っていた。

軍隊の出動

軍隊が配備を完了し待機していると、アームを頭に付けた小型円盤が現れる。攻撃を仕掛けてこない円盤に牧師のコリンズは単身でコンタクトを取ろうとして近づいていく。しかしコリンズ神父は赤い光線で跡形もなく燃やされる。

 

それをきっかけに軍による砲撃が開始する。しかし円盤はバリアを張ってダメージを受けず、円盤から発射する緑の光線で戦車や兵隊が消えていく。この赤と緑の光線によって、攻撃をかけた派遣軍は全滅する。

その後も続々と世界中に現れている円盤に対抗する手段が見いだせず、どの国も勝つことが出来なかった。

三色の目

なんとか逃げ出していたフォレスターとシルヴィアは1軒の農家(住民は逃げ出している)を見つけ、一時の食事を楽しむ。

しかし隕石が農家にぶつかり、その中から円盤が出て来る。

その円盤の下から、さらに小さいアーム状の目が農家の中へ伸びてくる。

その目はTVの三原色(緑・赤・青)になっており、シルヴィアがその目に見つかったため、フォレスターはとっさに目の部分を斧で切り落とし、そのアームは円盤のもとに戻っていった。

そのあと。三色の目をした、あたまの部分が大きい火星人に遭遇。

斧を投げてなんとか撃退し、フォレスターたちは農家から脱出する。

その後、火星人は円盤に乗って次々と地球に飛来し、世界各国の都市を攻撃する。それぞれの国は最新鋭の兵器で攻撃するも、全く歯が立たない状態だった。

その結果、ヨーロッパの大半が破壊され、アジア圏の壊滅的な打撃をうけ、多くの人類が死んでいった。

アメリカ本土も攻撃されてはいたが、ワシントンはまだ攻撃を受けずに残っていた。そして軍上層部は原子爆弾の使用を決定する。

そして、もし失敗すれば地球は6日で征服されるという専門家の意見が出される。

フォレスターはシルヴィアと一緒にロサンゼルスの大学に行き、知り合いの学者たちにアームの目と斧に付いた血液を見せる。血液の分析から、火星人は貧血症で、知能はあるが、肉体的には進化が遅れていることが判る。

目の部分は、火星の光が地球よりも弱いため、火星人は懐中電灯などの光でも眩しく感じるとのことだった。

軍は原子爆弾を投下する。しかし円盤はバリアを張り、無傷だった。

フォレスターと科学者たちはロッキー山脈に研究所を移し、違う方法で火星人の弱点を探し出すことにする。

研究資料を車に積んで移動していたフォレスターは街中で起きている暴動に巻き込まれ、暴徒と化した市民たちに車と資料を盗まれてしまう。

先行していたシルヴィアと科学者たちも同様に襲われ、行方知らずになっていた。

この世の終わり・・・

さまよいながら探している時、円盤が街を攻撃し始める。

教会では、攻撃が開始しても逃げようとせず、この世の終わりを心安らかに待つ人々であふれていた。そこでフォレスターは怪我をした科学者たちを発見、しかしシルヴィアの行方はわからぬままだった。

フォレスターは他の教会を探し回り、やっとのことでシルヴィアと再会する。その瞬間、その教会のそばを飛んでいた円盤が墜落する。

円盤のドアが開き、火星人の手が出て来るが、生気が失われていた。

世界中の円盤が次々と墜落していく。

地球にある大気中のバクテリアに火星人は抵抗力がなかったため、地球上で呼吸した途端に病原菌に侵され火星人は死んでしまったのだ。

 

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「宇宙戦争」1953年版 感想

2005年にリメイクされた、スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演の作品とほぼ同じ内容です。

しかし出て来る円盤(トライポッド)が原作に近いのは2005年版です。

原作でのイメージはこんな感じです。

原子爆弾は登場していませんので、結構改変されています。しかし物語自体は大変おもしろく、最後までハラハラした展開でした。

特殊効果も1953年公開の作品と思えば素晴らしい出来なのではないでしょうか。

前日譚

この作品には前日譚になるような、同作者の短編小説があります。この「宇宙戦争」が発表された1年前、1897年の作品「水晶の卵」がそれです。

ロンドンの骨董店の店頭にあった卵形の水晶のようなものに不可思議な風景が見えるのを、その店の主人が発見した。知り合いの科学者が調査した結果、夜空の星(恒星)は地球とほぼ同一(=太陽系内)なのに太陽が小さく見え、月が小さく2つあったことから、これは火星の風景と火星人の姿が映し出されており、逆に火星人からもこちらの様子が見えると判断され、火星人が地球の偵察のために送り込んだ物体であろうと思われた。しかし、さらに研究を進めようとした矢先、骨董店主人は死亡、水晶は誰かに売られて行方不明となり、研究は頓挫する。

明確に同一世界とは言われていないものの、この話の火星にも『宇宙戦争』の火星人が持ち込んだ植物と同じ赤い植物が繁茂し、火星人とは別に二足歩行の人間(あるいは猿)型の生物がいて火星人がそれを捕まえる描写があるほか、火星人自体も「口のすぐ下方に物をつかめるような二束の触手」などと『宇宙戦争』の火星人とよく似た形状で、昆虫を思わせる機械に乗って移動するなど似たような技術を持っている。

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