1年に一度、12時間だけすべての犯罪が許される世界でのサバイバルに挑む一家の物語です。ちなみにパージとは”浄化”という意味です。
主演は「ガタカ」「6才のボクが、大人になるまで。」のイーサン・ホーク。
「パージ」作品紹介
監督:ジェームズ・デモナコ
脚本:ジェームズ・デモナコ
製作:ジェイソン・ブラム / セマスチャン・K・ルメルシエ / マイケル・ベイ / アンドリュー・フォーム / ブラッドリー・フラー
出演者:イーサン・ホーク / レナ・ヘディ / アデレイド・ケイン
音楽:ネイサン・ホワイトヘッド
撮影:ジャック・ヨーフレット
編集:ピーター・グヴォザス
製作会社:ブラムハウス・プロダクションズ / プラチナム・デューンズ / ワイ・ナット・プロダクションズ
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ / シンカ・エンターテインメント
公開:2013年6月7日(アメリカ) / 2015年7月18日(日本)
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「パージ」あらすじ
2010年代、栄華を誇っていたアメリカ経済は破綻をきたし、その際の選挙で当選した「新しいアメリカ建国の父たち」は犯罪行為の減少のため1年に1晩だけ、19時から翌日7時までのあいだ、殺人を含む全ての犯罪が合法となり、警察、消防、救急医療のサービスが停止されるという法律(パージ)を作る。
これによって人々のストレスや諸問題が解決され、平和な世の中になるだろうという考え方だった。実際この法律が施行されたあと、犯罪率は下がり、失業率も1%という驚異的な効果が見られた。
そして2022年3月21日の夕方、ロサンゼルス近郊の富裕層の居住区にある自宅にジェームズ・サンディンは帰ってきた。ジェームズは防犯装置を売る会社に勤めており、彼の近所にはその防犯装置を取り付けている家がたくさんあった。
サンディン家の家族構成は、大黒柱のジェームズ、妻のメアリー。娘のゾーイ、そして息子のチャーリーの4人家族。
妻のメアリーは近所に住むグレースから焼きすぎたクッキーをもらう。その際にグレースは増築したジェームズの家を見ながら、防犯設備を売りまくって、増築したという噂があることを嫌味っぽく、しかし笑いながら話す。
娘のゾーイは近所に住むヘンリーと付き合っているが、18才で少し年が離れているという理由で父親から交際を反対されていた。それが原因でゾーイとジェームズの関係は良くなかった。
4人での夕食時もゾーイはジェームズの問いかけに気だるく答えるだけだった。
19時10分前、夕食を終わらせてジェームズは自宅の防犯装置を作動させる。彼の中では自分の会社が作った防犯装置に絶対の自信があった。外を見られるカメラも4台設置し、常に監視できる状態にしていた。
そこには近所の男が2人、銃を持って何処かへ出かけていたり、グレースの家に、パーティーでもやるのだろうか、正装した近所の住民が数人入っていった。
TVで「パージ」のルールが説明される。
1,パージに参加するのは自由。
2,パージに参加したくない者は家に隠れていても良い。
3,どんな道具、武器を使用しても構わない。ただしレベル4以上の物は使用禁止。
4,国に定められた政治家などの権力者の殺害は禁止。
5,パージ開始のサイレンが鳴ると、警察・消防・緊急医療の機能がパージ終了まで停止される。
その説明が終わったと同時に19時になった合図のサイレンが街中に鳴り響く。
ゾーイとチャーリーはそれぞれ二階の自室に戻っていき、ジェームズも仕事のために書斎に入っていった。
ゾーイが部屋に戻ると、そこにはヘンリーがいた。ゾーイは喜んで抱きつきイチャイチャし始めるが、ヘンリーはすぐに真面目な顔になり、「今日はお父さんに会いに来たんだ」とゾーイに言う。
チャーリーはラジコンにカメラを付けて、自室でカメラ越しに自宅中を見て回る趣味があった。そのラジコンが書斎に入ってくる。それに気づかないジェームズ。
そこにあるモニターに、逃げながら叫んでいる黒人の男を発見する。その男は救いを求めていた。
チャーリーは防犯装置のロックを解除し、その男を呼び寄せる。それに気づいたジェームズが急いでロックし直すも、男が家に入ってくるのが先だった。
ジェームズは男が叫んでいたのを知らなかったため、拳銃を向ける。ちょうどその時、二階から「サンディンさん!」と呼ぶ声が聞こえる。その声の主はヘンリーで、彼はジェームズを見つけた途端に拳銃を向けて発砲してくる。
ヘンリーはとっさに応戦し、ジェームズの放った銃弾がヘンリーの胸に命中。近くにいたゾーイが急いで自室に連れていく。ヘンリーは瀕死状態。
そんなゴタゴタ中にいつの間にか黒人の姿は消えていた。黒人の行方は気になったが、ゾーイの身を案じたジェームズはゾーイの部屋に行く。そこには息絶えているヘンリーがいた。
入れ替わりにゾーイがメアリーのもとに行き、ヘンリーの行動について謝罪する。しかしすぐに何処かへ逃げていく。
そんな時、玄関先にマスク姿の男女が数人やってくる。リーダー格の男が顔を晒してインターホン越しで話しかけてくる。
「我々はまともで若くて教育水準の男女の集団だ!」と話し始め、自分たちの標的としていたホームレスの黒人が逃げてきているだろうから引き渡せと要求してくる。
さらに、もし引き渡さなかったら家に潜入して、ジェームズたちも標的にすると逆に脅してくる・・・・
「パージ」感想
1時間30分ほどの短い時間でしたが、話のテンポが良く、あっさりとクライマックスを迎えます。しかしその後さらに怒涛の展開が起き、ハラハラさせられっぱなしでした。
一見、ただのスリラーのようでしたが、人間の内なる思いが行動に移されるこの映画を見ると、人間とはなんと恐ろしい生き物なのだと痛感してしまいます。
ムダなシーンも一切なかったので最初から最後までダレずに見れます。
ただ黒幕的な「新しいアメリカ建国の父」の正体がわからず、ニュース中にしか出てこないがゆえに、不気味な存在感があり、そのせいで残る後味の悪さが消化不良な気もします。
しかしこの点に関しては、「パージ」のシリーズがあと3作作られているので、そのあたりで判明していくのでしょう。ただ、これ以上面白くなるかは微妙ですが・・・
その後の展開(ネタバレあり)
ドアを開ける道具が届くまでに黒人を差し出すように言われ、挙句の果てにジェームズの家の電気ケーブルが切られてしまう。これによって防犯装置も機能を停止する。
ジェームズはメアリーとチャーリーに黒人を探して引き渡そうと提案する。
チャーリーはラジコンで隠れていた黒人を発見。助けたいと思ったチャーリーはラジコンの発光のみで黒人を物置部屋に誘導する。
しかしさまよっていたゾーイがその部屋に行ったため、ヘンリーの銃を奪われてしまう。ジェームズは2人を見つけるが、黒人がゾーイを盾にして銃を彼女の頭に構えていたために手を出す事ができずにいた。
そこにチャーリーと銃を持ったメアリーも合流、ドサクサに紛れてジェームズは黒人から銃を奪い、暴れたために脇腹に一発撃つ。
黒人を縛り上げ、外にいる集団に差し出そうとするジェームズ、それに反対するメアリー、その会話を聞いていて絶望するチャーリーとゾーイ。4人の信頼関係はバラバラになりつつあった。チャーリーが出ていき、それを探しに行くメアリー。ゾーイもまた何処かへいなくなる。
一部始終を見ていた黒人は「いいよ、俺を差し出せ。」と諦めた表情でジェームズに言う。
ジェームズは考えを改め、戦うことを決意。集団が玄関先を壊してなだれ込んでくるとジェームズとメアリーは次々と侵入者を殺していった。
しかしジェームズはリーダー格の男に胸を刺されて瀕死状態になり、それを見つけたメアリーとチャーリーが心配そうに駆け寄ってくる。その3人にショットガンを向けるリーダー格の男・・・
その直後、ゾーイがリーダー格の男を射殺。それでもまだ数人が家族を狙う状況が続く。
別の集団が家の中に入ってきて、メアリーたちを助ける形で残っていた人間たちを射殺する。その集団はグレースの家に集まっていた近所の人たちだった。
メアリーはお礼を言うが、「お礼を言われても困るわ」と言って3人を縛り上げ(ジェームズはこの時点で死亡している)、ただ気に入らないという理由(周りから金を巻き上げて偉そうにしている)から3人を殺そうとする。
そこに黒人が現れて1人を射殺、グレースを含む4人も殺そうとするが、メアリーは「今夜はもう平和でいたい」と言い出し、朝の7時まで一触即発の状態(主導権はメアリー、黒人が銃を構えている)で過ごすことになる。
7時数分前にグレースがメアリーの銃を奪おうとするが、メアリーは銃の柄でグレースの顔を殴り、さらに机に叩きつける。グレースの顔が血だらけになったところでサイレンが鳴る。
「私の家から出てって!」と言われ、4人はすごすごと出て行く。黒人も出て行くが、去り際にメアリーは「ありがとう」と黒人に伝え、去っていく姿を3人で眺めるところでエンドロールが流れる。