「コーマ」あらすじ 病院内で起こる数々の昏睡状態(コーマ)に挑んだ女医の話

サスペンス(洋画)

病院で頻繁に起こる不可解な昏睡(コーマ)。それを調べていた女医に迫る命の危機。

医療の世界で、絶対にないと言い切れない!?社会派サスペンスです。

「コーマ」作品紹介

監督:マイケル・クライトン

脚本:マイケル・クライトン

原作:ロビン・クック

制作:マーティン・アーリックマン

音楽:ジェリー・ゴールドスミス

公開:1978年1月9日(アメリカ) / 1978年10月28日(日本)

 

 

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「コーマ」あらすじ(ネタバレ無し)

スーザン・ウィーラーはボストン記念病院に勤める女医。

ある日、スーザンの親友であるナンシーが、中絶手術を受けに来る。しかし彼女は手術が終わっても目を覚まさない昏睡状態(コーマ)になってしまう。

ショックを受けるスーザン。

ナンシーのカルテを見ても、手術途中で血圧が低下したことを除けば、なぜ昏睡状態になったのか理解できなかった。しかし、手術前に、全く必要のない組織適合検査を受けていることに気づく。

不自然な昏睡

スーザンは過去1年間に昏睡状態になった患者をデータバンクで調べさせる。しかし上の許可なく勝手に調べることは州法で禁止されていた。

1年間で昏睡状態になった患者は240人とあまりにも多く、そのうち10人は病状の軽い若い患者や、ただの虫垂炎の手術だけを受けた者だった。

次の日、膝の関節の手術を受けた屈強な若い男性も、昏睡状態となる。原因不明の昏睡患者12人のカルテを調べようとしたが、すべて麻酔科部長のジョージ先生の手元にあり、スーザンが見せてくれと言っても許可してくれなかった。

外科部長のハリスから、無断で昏睡患者のデータを入手したこと、ジョージ先生を怒らせたことを咎められる。

恋人である同僚医師マークにも、「そんなことを調べないで本来の仕事をしろ」と言われてしまう。

その後、ナンシーは亡くなり、その遺体は長期療養患者の公共施設であるジェファーソン研究所に送られる。

疑惑

車で帰宅しようとしたスーザンだったが、なぜか車が故障していた。その近くでじっとスーザンを見つめる男。仕方なく地下鉄の駅まで歩き、地下鉄に乗る。その男も急ぐが、乗ることが出来なかった。その男をたまたま見ていたスーザンは何かの陰謀があると確信する。

昏睡状態になった手術はすべて第8手術室で行われており、そこで麻酔の代わりに一酸化ガスを体内に送り込めば、麻酔をされたのと同じ状態になると考えていたスーザンは、マークとともに第8手術室を調べる。しかし、何も不審なところはなかった。

殺人者

病院内の電気などの配線管理をしているケリーに「知っていることを教えてやる」と言われて、地下にあるボイラー室に行くスーザン。しかしその前にケリーは怪しい男に事故にみせかけて殺されてしまう。

ケリーの死体発見現場で一酸化ガスのボンベを見つけるスーザン。その管は予想通り第8手術室に伸びていた。

ケリーを殺した男はスーザンをも殺そうとする。命からがら逃げ出したスーザンはマークの自宅へ行き、ボンベを見つけたことや殺されそうになったことを話すが、ちゃんと聞いてくれなかった。

研究所の秘密

その翌日、スーザンはナンシーの遺体が送り込まれたジェファーソン研究所に医師団のツアーの1人として参加する。

そこで働く医師たちの話を盗み聞きしたスーザンは驚愕の事実を知ることになる・・・

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結末(ネタバレあり)

研究所の医師たちの話の中に出てくる「ジョージ」という名前。

ここでスーザンは精神科医のジョージ先生が関わっていると思い込みます。

研究所で聞いた事実を外科部長のハリスに報告するスーザン。勧められたウイスキーには腹膜炎を起こす薬が入っています。意識がもうろうとする中で、ハリスの部屋に飾っている数々の賞状の名前は「ジョージ・ハリス」の名が・・・

一連の事件の黒幕はハリスでした。

ジェファーソン研究所は脳死と判定された患者の臓器を取り出し、世界各国へ売る臓器売買の施設でした。

マークはスーザンが虫垂炎になったと思い、ハリスと一緒に手術しようとします。しかし看護婦が第7手術室を勧めますが、ハリスは第8手術室でしようとします。

ここでやっとスーザンの言っていたことが正しいのではないかと思い、マークはボイラー室へ急ぎます。そこで装置を見つけて、スーザンは助かります。

勿論ハリスは警察行きです。

 

この時代ではまだ認識が薄かった臓器売買ですが、近年ではドラマなどでもよく題材にされるほど、一般的に知られてしまいました。

アジア圏では多くの事例があり、特に中国などでは国家レベルで行われているという報告が人権団体などから提出されました。

イランでは臓器売買は合法とされています。

ハリスはスーザンに医師はすべての人間の命を握っていると話します。スーザンの親友のナンシーはせっかくデキた命を人工中絶しようとしました。

ハリスが患者から臓器を奪い、困っている人に高値で売る行為は許されなくても、お腹の中にいる命は殺しても罪にはなりません。

この事実は果たして正しいのか?人工中絶を罪としない人間とは何なのか・・・

「ジュラシックパーク」を手がけたマイケル・クライトンにそのことを問われているような作品に思えました。

 

いつもなら存在感抜群のマイケル・ダグラスですが、結局は終始でくのぼうで、恋人である主人公をより孤立させる面倒な人でした(笑)

そして大量に吊るされた昏睡患者はホラーの趣。

昔の病院のイメージである無骨な建築と青白い照明が薄暗くて、それが恐怖感を煽っていて、それが70年代特有のざらついた映像で映されると、なおさら怖い。

ホラー好きの私には○でした。

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