「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」 天才は往々にして死後に評価される。

サスペンス(洋画)

ドイツ軍の暗号機「エニグマ」を解読したといわれている実在の人物、アラン・チューリングの半生を描いた作品です。死ぬまで評価されなかった彼の功績と、「秘密」とは何なのか?

 

監督:モルテン・ティルドゥム

脚本:グレアム・ムーア

原作:アンドリュー・ホッジス

制作:ノーラ・グロスマン / アイドー・オストロウスキー / テディ・シュワルツマン

出演:ベネディクト・カンバーバッチ / キーラ・ナイトレイ / マシュー・グッド 他

公開:2014年11月14日(イギリス) / 2014年11月28日(アメリカ) / 2015年3月13日(日本)

 

 

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「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」あらすじ

1951年、イギリス、マンチェスターに住む、ケンブリッジ大学の数学教授、アラン・チューリングの自宅に泥棒が入ったと警察に通報があった。

その情報は情報機関MI6にも入っていた。

ノック刑事らはアランの自宅に向かうものの、アランからは「盗難には遭っていない、報告書を書いたらすぐ出ていってくれ」と冷たくあしらわれる。

何か隠していると思ったノック刑事はアランを警察に呼ぶ。

そしてアランは話し始める・・・

望まない結成

1939年、イギリスはドイツと戦争状態に入り、その頃アランはイギリス海軍のデニストン中佐指揮のもと、ヒュー・アレキサンダーをリーダーとするチームの一員として、ドイツのエニグマ暗号機の解読に努めていた。

しかしアランの非協力的な態度によって、周りの同僚からは苦情が出ていた。アランは人間が解読するには時間がかかるため、エニグマに対抗するマシンを作ろうと考えていた。その予算を出すようにヒューに提案したが却下される。

納得いかないアランはデニストン中佐に直訴。それでもだめだったアランはデニストンより上、チャーチル首相に手紙を書く。

チャーチル首相の命により、責任者となったアランは早速、役に立たない同僚2人をクビにする。

人手不足になったチームに優秀な人材を確保するため、新聞にクロスワードパズルを投稿、10分以内に解けたら連絡するようにと載せた。

20人ほどの候補者が集まり、ジョーン・クラークはその中で唯一の女性だった。

彼女ともう一人が正式にメンバーに選ばれるが、ジョーンは両親に男性と一緒に働くことを反対される。アランは他の女性職員と働くのだと彼女の両親に聞こえるように言い、彼女は働けることになる。

アランはこれから作るマシンを「クリストファー」と名付け、早速作り始めた。

信頼

ヒューはなかなか成果が出ないことに苛立ち、そのはけ口を単独でクリストファーを作っているアランに向ける。アランと他の同僚たちの亀裂が深くなる中、アランが協調しないのは、ソ連のスパイだからだとデニストンに疑われる。

ジョーンはアランに、「一人ではなにもできないわよ」と注意し、少し心を入れ替えたアランはヒューたちにリンゴの差し入れをする。

マシンは完成するが、一向に結果が現れなかった。業を煮やしたデニストンはクリストファーの停止とアランのクビを宣告する。しかしヒューたちがそれに反対し、自分たちもクビにと言い始める。

デニストンは1ヶ月の猶予をアランたちに与える。

ある日、ジョーンはアランに、両親から仕事をやめるように言われたことを話す。それはジョーンが25歳で独り身だったことが原因だった。彼女のことが好きだったアランはジョーンにプロポーズして、彼女も了承する。

しかしアランは悩んでいた。男女の関係になることに自身がなかったのだ。

アランの秘密

アランが学生の頃、クリストファーという友人がいた。いじめられることが多かったアランを助けてくれたのはいつもクリストファーだった。アランは同性である彼に憧れていた。

クリストファーは暗号に興味があったため、その影響でアランも暗号の世界にのめり込んでいった。そしてアランがクリストファーに告白しようとした矢先に彼は結核で亡くなってしまう。

その後、アランは多くの男性と関係を持ち、今に至っていた。

アランが同性愛者だとうすうす気づいていた同僚のジョンは「誰にも言うな、監獄送りになるぞ」とアランに忠告する。

ある日、ドイツ人の通信を傍受しているジョーンの女友達と出会い、その会話の中から暗号のパターンに気づいたアランたちは暗号の解読に成功する。

そして500人の民間人が乗った旅客船団がUボートに狙われているのがわかる。しかしそれを助けることは、エニグマが解読されたのだとドイツ軍に知られることになる。

その船団のなかには同僚ピーターの兄が乗っていたが、諦めざる得なかった。そしてアランはミンギス少将に、エニグマの情報が別から入手した情報であるかのようにドイツ軍、そしてイギリス軍に伝わるようにしてほしいとお願いに行く。

ある日、アランはジョンがソ連のスパイであることに気づく。ミンギス少将に報告しようとしたが、アランが同性愛者だと知っていたジョンにそのことを脅され、報告することを躊躇する。

しかしミンギス少将はジョンがスパイであることに気づいていた。ミンギス少将は戦争を有利にすすめるためにジョンを使ってわざとソ連に情報を流していた。

危険を感じたアランはジョーンに同性愛者であることを告白し、婚約を一方的に破棄、そしてこの仕事をやめるように促す。

その後連合軍は、アランたち、そしてクリストファーのおかげで戦争に勝利する。しかしそのことは一部の人間しか知らなかった。

ミンギス少将はすべての書類、およびクリストファーを破壊し、この事を口外しないこと、そしてお互いに二度と会わないことをアランたち約束させる。

逮捕、そして・・・

ノック刑事はにわかに信じられない様子で話を聞き終わる。

アランはノック刑事に聞く。

「私はなんだ? 人間かマシンか 英雄か犯罪者か」と・・・

結局泥棒に入った人物の1人がアランと過去に関係があった男だとわかり、彼はわいせつ罪で逮捕される。

そして有罪判決が下り、服役か化学的去勢の選択を迫られた彼は、仕事を続けるため、クリストファーと一緒にいたいために・・・後者を選ぶ。

アランの自宅にジョーンが訪れる。薬物治療によって心身ともに疲れ果てていた彼に、クリストファーによって多くの人や街を助けることができたことを話し元気づける。

しかしアランは1年間の薬物治療の後、1954年6月7日に41歳で自殺する。

 

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「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」アランの本当の死因とその後の評価

まず、タイトルの「イミテーション・ゲーム」とは、

『計算する機械と知性』と題された1950年の論文においてチューリングが考案したテストの名前に因んでいる。論文は次のように始まる。「私は『機械は思考できるか』という問題を検討することを提案する。そのためには、まず『機械』と『思考』という言葉の定義から始めなくてはならない」

アラン・チューリングは実在の人物であり、1954年当時の検死では青酸中毒による自殺ということになっています。部屋の中には青酸が入った瓶が多数あったそうです。

亡くなっていたベッドの脇にはかじりかけのリンゴがおいてありましたが、リンゴ自体に青酸が塗られていたかどうかの分析はされませんでした。

映画の中盤で皆にリンゴを渡すシーンがありますから、ここから思いついたのかもしれません。

しかし、母親や友人は実験中の事故だと信じているようです。

今は同性愛者だからという差別をなくそうという動きが多くありますが、1950年代では重罪にあたりました。

その時の同性愛者に対する扱いに関して、2009年にブラウン首相が公式に謝罪しています。

アラン・チューリングは死後に大きく評価され、1999年のタイム誌において、「20世紀の最も影響力のある100人」に選ばれました。

2011年にアランの免罪を求めて2万人の署名が集まりましたが、当時の法務大臣は、1952年当時の法律に基づいていたためとしてこれを拒否。

しかし2012年、英国貴族院に恩赦の法案が提出されます。

そして2013年にエリザベス2世女王の名をもって正式に恩赦が発効されて、キャメロン首相は、彼の業績をたたえる声明を発表しました。

さらにイングランド銀行のアンドリュー・ベイリー総裁が、2021年3月25日に新しい50ポンド紙幣のデザインを発表し、その人物がアラン・チューリングであることが判明しました。

チューリングの誕生日である2021年6月23日に発行されるようです。

 

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