2008年にノルウェーで公開されましたが、日本では未公開となっています。
マックス・マヌスはご存知でしょうか?
おそらく知っている人は北欧戦線の歴史に詳しい人しか知らないでしょう。
マックス・マヌスはナチス・ドイツ占領下のノルウェーでレジスタンスとして活動した英雄だそうです。
活動そのものは最初はビラを貼ったりでしたが、その後はドイツの船などに爆弾を仕掛けてナチスのノルウェーでの活動を弱めたりしました。
『ナチスが最も恐れた男』
ノルウェーの反ナチ妨害工作員、マックス・マヌスを描く作品。祖国愛に燃える鉄砲玉の青年が、ナチとの諜報戦を通しやがて疑心暗鬼と恐怖で歪んでいく様を描くスパイもの…
とか思ったら俳優さんも演出も映像もめっちゃキラキラしてた。
ナチものなのに爽やかとは一体…! pic.twitter.com/ksdA1P0f9f— 牛が映画館へ (@moumouusieiga) October 2, 2020
「ナチスが最も恐れた男」作品紹介
監督 :エスペン・サンドベリ / ヨアヒム・ローニング
脚本: トマス・ノルゼス=ティレル
製作 :スヴァイニュン・ゴリモ
製作総指揮 :ヨーン・M・ヤコブセン
出演者 :アクセル・ヘニー /ニコライ・クレーベ・ブロック /クリスティアン・ルーベク
「ナチスが最も恐れた男」あらすじ
物語は彼がレジスタンスとして活動し始めたところから始まります。
彼には最初、4人の仲間がおり、それから仲間はどんどん増えていきます。しかしある日、ゲシュタポに自宅で捕まってしまいます。
しかし窓(おそらく2階か3階)から窓を突き破って逃げようとします。(死ぬ気だったのかも・・・?)
結局、意識不明のまま病院に担ぎ込まれますが、ゲシュタポ監視のもとの入院生活となります。それでも看護師の協力の下、再度逃亡を図り、見事に成功します。
このことでマックス・マヌスはノルウェー国内で有名になり、軍の中では一目置かれるようになります。
復帰したマックスは元の仲間たちと再会して、再びレジスタンス活動を始めます。
船の爆破や将校の家に潜り込んでレジスタンスのリストなどを燃やすという行動をするうちにナチスから狙われるようになっていきます。
ある日、一番仲が良かった仲間の一人がナチスに殺されてしまいます。その後も次々と仲間が死んでいきます。
もともとは自分がレジスタンス活動をするために集めた仲間だったため、マックスは自分を責めます。
そしてマックスは死を覚悟して単独で大型輸送船「ドナウ号」を破壊しようとしますが、生き残っていた仲間たちが協力してくれたおかげで輸送船を爆破、ほかの輸送に使われていた線路なども一晩で一気に機能停止させます。
そして戦争が終結し平和が訪れますが、彼の最初の仲間は皆死んでしまい、マックス自身もアルコールに溺れてしまいます。しかし一番仲が良かった仲間から紹介された女性が彼に寄り添ったおかげでなんとか立ち直り、多くの勲章をもらって除隊。
その後、自らの体験を本にして、その収益で会社を建てます。
ナチスが最も恐れた男(マックスマヌス)
ナチス占領下のノルウェーで男はレジスタンス活動を始める。しかし、ナチスの情報組織は優秀だった。PVと題名のせいでコメディだとすら思ってたが、中身は血生臭い。
軍港周辺が舞台なのでジープや野砲がたくさん映る。実に良い。#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/7e4lfGY3Mp— えびじゅん@映画 (@ebinoyounamono) April 11, 2018
「ナチスが最も恐れた男」感想
この作品は本国ノルウェーのアカデミー賞にあたるアマンダ賞で11部門にノミネートされ、7部門を受賞しており、また、第82回アカデミー賞に外国語映画賞ノルウェー代表作品としてノミネートされています。
内容的にはレジスタンスとして活動しながらも、仲間たちの悲惨な最後に苦悩するという、マックスの心の葛藤などが中心に描かれています。
派手な戦闘シーンやハラハラドキドキ感もあまりなくて、戦争映画というよりも人間ドラマです。
それでもマックス・マヌスという伝説的英雄がいた事を知ったのはいい勉強になりました。
どうでもいいことなのでしょうが、邦題の「ナチスが最も恐れた男」がなぜかしっくりこないのです。
確かに彼の爆破活動は成果はあったのかもしれませんが、将校や指揮官が殺されたわけではありません。たしかにナチスとしては輸送経路は絶たれたわけだから厄介な人物ではあったでしょう。
そう、「恐れた男」というよりも「厄介な男」くらいです。しかしそんな題名ではコメディとなってしまうし、原題の「Max Manus」では、知っている人があまりいないため、なんとか興味を持たせるために付けた、少し無理のある題名になってしまったのだと思ってしまいました。
実際、私も題名に釣られて見てしまった一人です(笑)
最初は退屈でしたが、それでも主演のアクセル・ヘニーのひ弱そうな表情からの強気な感情むき出しの演技は徐々にハマっていきました。
ノルウェー映画、と言うか北欧の映画は派手さはないものの、何か叙情的で、ゆっくりまったり見るにはいいですね。先日紹介した「フィンランド式残酷ショッピングツアー」は少し違いますが(笑)