「プラン9・フロム・アウター・スペース」あらすじとネタバレ 監督のエド・ウッドとは何者か。

SF(洋画)

製作した映画がすべて興行的に失敗し、「アメリカで最低の映画監督」と呼ばれたアメリカ合衆国の映画監督・映画プロデューサー・脚本家・俳優のエド・ウッド。

彼が作った本作は、一部でカルト的な人気を得て映画評論家の目に止まり、1980年に「ゴールデンターキー賞」という本において「歴代最低映画」として紹介されたことで再評価されております。

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監督・エド・ウッドとは何者か

正式な名称 は Edward Davis Wood Jr. です。

最初に作った映画は1953年の「グレンとグレンダ」。

服装倒錯が社会から差別的な扱いを強く受けていた時代。服装倒錯者グレンは婚約者のピンクのアンゴラセーターを着て「グレンダ」として街を歩くのが好きだったが、自らの趣味に思い悩んだ末に「人形使い」と呼ばれる科学者に相談した。

心理的な分析を受けながら同性愛、半陰陽、性同一性障害など様々な性的問題と服装倒錯とを比較し、その違いと正常な人間であることを力説される。

最終的に二人は「人形使い」に祝福され、グレンは立派な服装倒錯者として立ち直る。

引用:Wikipedia

初の長編デビュー作となった「グレンとグレンダ」(1953)で、自身は監督・脚本・主演を演じました。

注目の目玉として、助演の科学者には1931年に公開され、ブラム・ストーカー原作『ドラキュラ』の初の正規映画化作品で世界的にヒットし、戦前のホラー映画ブームを巻き起こした『魔人ドラキュラ』のベラ・ルゴシが演じました。

ちなみにこの作品は「映画史上最低の50作」に選ばれています。

その後、「牢獄の罠」(1954)、「怪物の花嫁」(1955)と毎年のように撮りますが、すべてが興行的に失敗します。それでも映画制作に対する熱意や情熱を失うことはありませんでした。

そして1959年、最高傑作と自身で言わしめた「プラン9・フロム・アウター・スペース」を制作します。しかしこれもなかなか買手がつかず、いざ公開されても興行的には惨敗。

エド・ウッドの作品で唯一のスターだったベラ・ルゴシは本作撮影中に死去して遺作となり、フィルムの営業をしていたプロデューサーも疲労と絶望のうちに亡くなります。

このあとにも「死霊の盆踊り」など、数本の映画を制作しますが、エド・ウッド自身がアルコール依存症になり、貧困の生活の中で54歳の若さで亡くなります。死因はアルコール中毒でした。

その後、映画の上映権を安く買い叩かれて、深夜テレビの映画枠で繰り返し放送されることになった本作がなぜか映画評論家の目に止まり、亡くなって二年後の1980年に「ゴールデンターキー賞」という本において「歴代最低映画」として紹介され、再評価が始まりました。

ティム・バートン、デヴィッド・リンチ、サム・ライミ、クエンティン・タランティーノなどの監督たちがリスペクトしており、この中でもティム・バートンは1994年にエド・ウッドとベラ・ルゴシとの交流を中心に描いた半生「エド・ウッド」を制作しました。

 

「プラン9・フロム・アウター・スペース」作品紹介

監督 ・脚本 ・製作 : エド・ウッド

出演者: グレゴリー・ウォルコット / モナ・マッキノン / デューク・ムーア / トム・キーン / トー・ジョンソン / ベラ・ルゴシ

音楽: ゴードン・ザーラー

撮影: ウィリアム・C・トンプソン

編集: エド・ウッド

 

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「プラン9・フロム・アウター・スペース」あらすじ

夫人の葬式で咽び泣く老人がいた。

葬式が終わり、二人の墓掘り人は死んだはずの夫人が歩いているのを目撃する。

夫人を亡くした老人も交通事故で死亡する。

老人の葬式に出席した夫婦が墓掘り人の死体を発見。

死体を調べに来たダニエル・クレイ警視は亡くなったはずの老人と妻に襲われて、これまた死亡する。

その頃、アメリカ各地でUFOが目撃されることが多くなっていた。

「プラン9・フロム・アウター・スペース」感想(ネタバレあり)

今回はAmazon prime videoで終了間際だったので急いで視聴。本来のものではなくカラー版でした。前から伝説的なカルトSF映画と言うことで見てみたかった作品です。

公開前の予告編では真面目で恐怖感が満載ですが、2020年にカラー化された際の予告編は、かなりバカにしたような感じとなっています。

 

もともと史上最悪だと知った上で見たせいか、それほど悪くはなかったかというのが全体の印象です。

最初にクリズウェルという男が予言するところから始まります。まるで「フランケンシュタイン」で幕前に説明するストーリーテラーのような・・・

そのナレーションが全体の3割位で使われているため、最初はドキュメンタリーっぽいです。

 

そして出てくる夫人(死んだはず)が、ゾンビなのか吸血鬼なのかわからない風貌。それでもかなりのインパクトでかなりこわい。

この女優さんは「ヴァンパイラ」という名前で表記されていますが、この名前は別名義で、本当はメイラ・ヌルミという方です。彼女はある仮面舞踏会で、『アダムスのお化け一家』のモーティシアのようなタイトな黒のドレスと黒の長髪で着飾った衣装で参加しました。その際にテレビプロデューサーの目に留まり、ホラー映画のテレビ放映時のホスト役に抜擢されて「ヴァンパイラ」というキャラクターが生まれたそうです。

 

1954年には「ヴァンパイラ・ショー」というレギュラー番組が放映され、その後もヴァンパイラという芸名で数々のテレビ番組へ出演を果たしました。

そのイメージで今回の吸血鬼のようなイメージでの登場にしたようです。

 

そして交通事故で亡くなった老人も生き返りますが、ベラ・ルゴシが演じているせいなのか、完全にドラキュラの格好で蘇ります。マントを口まで隠してそれっぽく演じていますが、ベラ・ルゴシが撮影中に亡くなったことで代役を立てたのが原因のようです。中盤以降は殆ど登場しませんでした。

 

墓掘り人が生き返った夫婦によって死にますが、何が原因なのかがわかりません。まあ、そこは「なんとなくわかってよ・・みたいな感じ。

しかしこの夫婦がソンビ設定だからか、かなり動きが遅いため、ほぼ脅かしてるだけです。

 

クレイ警視は白目のメイクで一番ゾンビっぽい演技で、一番不気味でした。

出典:Wikipedia

 

ネタバレとしては、UFOに乗っていた宇宙人が「プラン9」という最後の計画として死人を生き返らせて自らの力を見せつけていました。

出典:Wikipedia

彼らは地球人が爆弾を作ったことで、いずれは宇宙全体の驚異になると判断し、死者を蘇らせて社会を混乱させて人類を滅亡させようと企てます。しかし警察や近くに住んでいた主人公のパイロットらの力で阻止され、UFOは爆破され、宇宙人も死にます。

途中までは良かったのですが、宇宙人が出てきてからは、面白みが半減。前半のホラー感がもうコメディになっていました。

あと、ハリボテの吊るしてる感満載のUFO。素人が撮ったほうがまだましなのではないかと思えるクオリティ。

カラー版よりも白黒のほうが怖さがより増していただろうに、なぜカラー版を作ったのかも疑問。これによって、よりチープさがにじみ出てしまっている気がしました。

円盤も、登場せずに音だけで表現すれば、もっと評価が良かったのではないかと素人ながらに思ってしまいまして・・・

 

でも、どんな最悪の映画でも、見ないで後悔するのは嫌なので、これはこれで満足です。1時間のミニドラマとしてはいいんではないでしょうか。

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