日本公開時のタイトルは「アマゾネス対ドラゴン/世紀の激突」と、なにかワクワクさせられる題名ですが、原題は「AMAZONS AND SUPERMEN」です。ドラゴンじゃない・・・
「アマゾネス対ドラゴン/世紀の激突」作品紹介
監督:アル・ブラッドレイ
製作総指揮:ステオニ・フィオレンティーニ
脚本:アルド・クルード
音楽:フランコ・ミカリッツィ
出演:ニック・ジョーダン / マーク・ハンニバル / ユエ・ホア / マリサ・ロンゴ / マグダ・コノプカ / ジェニア・ウッズ
製作国:イタリア
公開:1974年
「アマゾネス対ドラゴン/世紀の激突」あらすじ
冒頭、選ばれたアマゾネスたちがトーナメント方式で決闘します。高台に上がってランダムに上がる自分の旗が上がると、同じく上がった旗の相手と早い者勝ちで矢を撃ち合い、刺さって死んだら負けだとか、地面から抜き出ている刃の間で戦い、それに刺さって死んだら負けだとか・・・
そして女王が決まります。女王はダーマという男が持っている聖なる火の秘密を暴くことを宣言します。
東の町の酒場にヒロネスというならず者が舎弟を引き連れてやってきます。店員に満席だと断られたヒロネスは舎弟達に命じて客達を暴力をふるって追い出します。
しかし大男の黒人だけは出ていきません。2人がかりで席から外そうとするもびくともしませんでした。逆にその大男は怪力でならず者たちをなぎ倒し、彼らは逃げていきます。この男の名はムーグ。
逃げ出したヒロネスと舎弟は水牛に乗って町に向かう東洋人を見つけます。
ムシャクシャしていたヒロネスは冷やかしもかねてその東洋人を襲いますが、彼はカンフーの達人でした。これまたヒロネスたちは逃げ帰ります。そのカンフーの達人の名はチャン。
アマゾネス対ドラゴン気になりすぎて見てますが、おおおお衣装!!お衣装素敵すぎんか!!!r(//´Д`//n)どこの国の王子様なんでしょうか!!!! pic.twitter.com/VzytKwzYwm
— 阿小 (@wachina4) November 10, 2019
ジンガ村の人達はダーマというマスクのヒーローを、守り神のように信仰していました。アマゾネス軍団が聖なる火の秘密を聞き出そうとやってきた時にダーマが現れます。
彼はアマゾネス軍団を村からおびき出し、爆弾などで周囲を煙だらけにして姿を消します。悔しがるアマゾネス軍団。
そのダーマは400年も生きつづけていると思われていました。彼は高台の岩のくぼみに座り、その周りは円状に火が燃えたり消えたりします。ジンガ村の人達が多くのお供え物をダーマの側に置いて、離れます。
そしてダーマは「目を閉じよ、そして頭を垂れよ」と声高らかに言います。
そして村人たちが頭を下げている間にダーマはいなくなります。村の長老はいなくなったダーマに感激する。「誠に不思議なお方だ!」
しかしこれにはからくりがありました。ダーマが座っていた床と後ろの岩場は回転テーブルのように動き、消えたように見せて裏にあるアジトに入っただけでした。
それを裏で作動させていた青年アロはダーマに不老不死になる方法を教えてくれと言いますが、ダーマは「不老不死なわけ無いだろう」と笑います。
師匠から弟子へと受け継いでダーマを演じるというシステムが始まってすでに400年、永遠の命があるわけではないことにがっかりするアロ。
そんなアロに「もし俺が死んだら後継者はお前だ」とダーマから伝えられます。
ある日、アロが外で足をくじいたミーラという女性を助けます。しかし彼女はアマゾネス軍団の隊長でした。初めはスキをついてアロを殺すつもりでしたが、お互いが恋に落ちてしまいます。
ある日、ダーマがアマゾネスとの戦いで負傷して帰ってきます。死ぬ間際に「東の町にムーグとチャンという男がいるから3人で協力して仇を討ってくれ」と言い、ダーマは息をひきとります。
東の町でアロはヒロネスに喧嘩を売られます。ダーマになっていた彼は華麗な身のこなしで次々とならず者たちを倒していきます。ムーグとチャンが面白がってこれに加勢したことで3人が出会います。
ダーマのことを知っていたムーグとチャンは不老不死になりたいと思っていました。ダーマはこれを利用して3人でアマゾネスをやっつけようと誘います。
更に穀物を奪われたジンガ村に行き、「みんなでアマゾネス軍団をやっつけよう」と焚き付けます。
そして3人と村人たちはアマゾネス軍団に戦いを挑みます。
「アマゾネス対ドラゴン/世紀の激突」感想
ブルース・リーの「ドラゴンへの道」(1972年)、「燃えよドラゴン」(1973年)というカンフーブーム真っ只中に作られたので、カンフーの達人がいるという理由で主人公でもないのに”ドラゴン”を強引に入れた感じです(笑)
クライマックス、アマゾネス軍団に対し聖なる水こと石油を利用した火炎攻撃。人力飛行機、パラシュートに火炎戦車(人力)も飛び出す。もう時代考証とかそういうのはどうでもいいんだよ! という作品。異世界転生したら、この映画の世界に行きたい。『アマゾネスが来たぞー』と逃げ回る村人でありたい pic.twitter.com/ZNcrfhPHco
— 馬場卓也@日本侠作家 (@takuyaz) April 14, 2018
しかしこのカンフーの達人であるはずのチャンの武技がなんとも言い難い出来です。まあ主人公ではないですし、ぴょんぴょん飛び跳ねるダーマ、怪力のムーグとは差別化しているのでそんなに気にはなりません。
最初の5分、アマゾネス達が戦うシーンを見せられたため、お色気満載の映画だと思いきや、そうでもありません。話的には「7人の侍」のような、村人と協力して悪を討つ・・・という王道です。
しかも3人とも女性と出会い、その女性とのロマンスも少しですが描かれています。
そう、これはちょっとだけエロい衣装を着ているだけの悪者美女軍団を倒す正義のヒーローたちのお話なのです。
だからそんなスケベーな目線で見てはいけません・・・・
その後の展開(ネタバレあり)
まず手始めに3人は数人の村人とともにアマゾネス軍団の砦に潜入してテントを燃やします。アマゾネス軍団は追いかけますが逃げられてしまいます。
3人の隠れ家を知ったヒロネスと舎弟はアマゾネス軍団の女王に隠れ家を教えます。生け捕りにしようとする女王に対して、隊長のミーラはダーマを味方につけて聖なる火を貰おうと提言します。しかし女王はそれを受け入れず、あくまでダーマとジンガ村の殲滅を考えます。
そしてダーマは捕まってしまいます。しかしムーグとチャンが救いに来て、女王のやり方に嫌気が差していたミーラも仲間に入ります。
そして3人と村人一丸となり、聖なる火(おそらく石油に似た液体)を存分に使ってアマゾネス軍団と激突し、これを倒します。
ダーマは岩穴の表に座って、ムーグとチャンに「目を閉じよ、そして頭を垂れよ。」と声高らかに言います。半信半疑の2人でしたが仕方なく頭を垂れます。
「私は地球を離れて他の星に旅に出る。忍耐強く待つのだ。そうすれば不老不死の秘密を教えよう」と言います。
その直後に裏でミーラがテーブルを作動してダーマが消えます。
いなくなったダーマを見て、2人は騙されたことに気づきます。しかしその頃にはダーマとミーラが馬に乗って何処かへ走り去っていました。