「アマデウス」あらすじ サリエリ視点のモーツァルトの生涯を描いた傑作

ミステリー(洋画)

1985年の冬、当時12歳だった私は映画好きの父の影響で、同じく映画を好むようになっていた。しかし恋愛ものや人間ドラマなどには興味がなく、ホラー映画ばっかりだった。

そんな時、TVで「アマデウス」の予告をよく見かけていた。

当時はアカデミー賞の候補だと言われていたから、宣伝しまくっていたのだろう。

その予告がなんともおどろおどろしくて、それにクラシックが全編で流れていたため、非常にミステリアスで興味を持った。

公開から1ヶ月後の3月に見事アカデミー賞作品賞、監督賞、主演男優賞、脚色賞、美術賞、衣装デザイン賞 、メイクアップ賞、録音賞の8冠に輝く。

他にも、英国アカデミー賞4部門、ゴールデングローブ賞4部門、ロサンゼルス映画批評家協会賞4部門、日本アカデミー賞外国作品賞などを受賞している。

おそらくアカデミー賞を取った作品を初めて映画館まで見に行ったのは、これが初めてだったと記憶している。

 

 

「モーツァルトは殺されたのか!?」

この言葉がなんとも言えずミステリーである。

 

「アマデウス」作品紹介

監督:ミロス・フォアマン

原作・脚本:ピーター・シェーファー

音楽・指揮:サー・ネヴィル・マリナー

製作:ソウル・ゼインツ

撮影:ミロスラフ・オンドリチェク

老サリエリの特殊メイク:ディック・スミス

出演 :F・マーリー・エイブラハム / トム・ハルス

公開日 : 1984年9月19日(アメリカ) /  1985年2月2日(日本)

 

ウィーンの街で自殺をはかった老人が、精神病院に運ばれるところから物語は始まる。彼は病床で「許してくれ、モーツァルト!君を殺したのは私だ」と言い続けていた。

後日、病状が安定したその老人を神父フォーグラーが訪問し、話を聞こうとする。その老人はかつて、神聖ローマ皇帝・オーストリア皇帝に仕える宮廷楽長としてヨーロッパ楽壇の頂点に立ったアントニオ・サリエリであり、ベートーヴェン、シューベルト、リストらを育てたことで有名だった。

画像

出典:Livedoorブログ

 

サリエリは昔のことを神父に話し始める。自分がいかにしてモーツァルトと出会い、そして別れたのか・・・

 

 

 

結局、当時の自分の印象はモーツァルトの半生を綴った、ただの人間ドラマだったし、はっきり言って話の内容は12歳には全く面白いものではなかった。

しかし全編に流れるクラシック(ほぼモーツァルトの代表曲)が映画館の中で心地よく響き渡っていた事は憶えている。

画像
出典:Livedoor blog

 

この時を境に、集中しているときや就寝前には、好んでクラシックを聞くようになった。

その後、何度となくアマデウスは見返してきた。高校生くらいでなんとか楽しめるようになってきた。今まででおそらく10回以上は見たと思う。

 

しかし、今でも納得いかないのが主演男優賞である。

題名は「アマデウス」だが、主人公はサリエリである。

初見の印象は、モーツァルト役のトム・ハルスの印象が強烈だった。主演男優賞のノミネートはされていた。しかし同時にサリエリ演じたF・マーリー・エイブラハムもノミネートされていた。

蓋を開ければ、主演男優賞はF・マーリー・エイブラハム。

 

子供の頃にはわからなかったが、大人になって見返した時、たしかに素晴らしい演技をしている。

 

大衆には大人気のモーツァルト。しかし彼が天才だということは誰もわからない。でもサリエリだけが彼の才能が本物であるとわかってしまう。それによる苦悩がこれまた誰にもわかってくれない。

そんなモーツァルトは純粋だから「あなたはわかってくれますよね?」と頼られて、当時は信仰心もある常識人だったサリエリは賛同するしかなかった。

だから、なおさら悔しいのである。「なぜ神はこんな中途半端な才能を自分に与えたのか?」と・・・

 

そしてサリエリは神を信じられなくなってしまう・・・

 

 

そんなサリエリを演じたF・マーリー・エイブラハム。

表に出さない嫉妬心をうまく表現し、晩年はモーツァルトを直接的ではないが、死に追いやったと後悔しながらも、達成感も感じているようなただの病んでいる老人の雰囲気を醸し出している。

画像
出典:Livedoor blog

 

いやしかし、こう書いていると、やはり主演男優賞は彼かもしれない・・・前言は撤回しよう!

 

それでも、やはりトム・ハルスの甲高い笑い声と傲慢で傍若無人で、どこか可愛らしい演技があってこその「アマデウス」だったと思う。

せめて助演をあげてほしかった。

 

 

タイトルとURLをコピーしました