ブラック・ジャックOVA カルテ11 「おとずれた思い出」あらすじと配信情報

TVアニメ(国内)

BJの原作の中でも重要なエピソードとなっているピノコ誕生のお話「奇形嚢腫」と「おとずれた思い出」をミックスしたお話となっています。

 

「おとずれた思い出」あらすじ

ある日、ピノコが突然倒れて意識不明になる。症状的には心筋梗塞のようだったが、精密検査をしても特に異常は見られなかった。数日経つとピノコは元気になり、いつものように飛び跳ねていた。

出典:手塚治虫OFFICIAL

しかしその後も何度となく意識を失って倒れるピノコ。

BJは原因を解明しようと必死で、何度となく掛かってくる留守番電話にも出られない状態だった。

そんなある日、高尾という男がBJの自宅を訪れる。高尾は「あなたに何度も電話したんです。お願いします、ゆりえ様を助けてください!」と必死にお願いする。

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10年前の手術

西園寺ゆりえは会員数10万人を誇る舞の名門である西園寺流の家元で、西園寺グループの令嬢だった。高尾から、ゆりえがその昔に奇形嚢腫のオペをBJにしてもらったことを聞き、BJは10年前のことをすぐに思い出す。

10年前、西園寺ゆりえの胸から腹にわたる体内にある、もう一人分の人間の部位を取り除いてくれと依頼を受けたBJ。もともとは双子として生まれるはずだったが、なぜかゆりえの体内にもう一人が宿ってしまっていた。

オペ自体はそんなに難しいことではなく、有り余るほどの財産を持っていた西園寺家は何人もの名医を雇うが、なぜかゆりえの身体にさえ触れることができず、何もできずに逃げていった。

BJがメスを握ると「切るな・・・」という声が聞こえ、まるでその声の主に操られるように手の自由を失ってしまう。

幸い、各部位がちゃんと機能する力を持っていたため、BJは「生かせてやる」と声の主を説得し、取り出した部位を培養液につける。BJは取り出した部位を見るかとゆりえに尋ねるも、ゆりえはただ一言「捨ててください」と言うだけだった。

BJは約束通り、各部位を丁寧につなぎ合わせて、1人の人間を完成させる・・・それがピノコだった。

 

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「お姉ちゃんを助けて」

ゆりえの身体は全身に腫瘍ができていた。何度も腫瘍は取り除かれたが、3日経つとまた別の場所に腫瘍ができ、それの繰り返しだった。そしてゆりえの体力は日に日に弱ってきていた。

BJは西園寺家にピノコを同行させて向かうことにする。もともと行くつもりはなかったが、高尾が持ってきた診療記録を見て、ゆりえが発作をおこした時間がピノコの発作と重なっていたこと、そしてピノコが寝ぼけてたのか、無意識の状態で「お姉ちゃんをたすけて・・・」と言ったことが決定打となり、ゆりえの治療を決断する。

BJはピノコを別部屋に行かせ、ゆりえに会う。ゆりえは「2ヶ月後の式年祭(10年に一度の西園寺流最大の神事)で舞えることができれば、その後は死んでもいい。なんとかしてください」と頼まれる。

出典:手塚治虫OFFICIAL

ゆりえは屋敷内の舞台で稽古を始める。それを眺めるBJ。退屈なピノコは高尾が吹く笛の音に導かれて舞台に近づいていく。その時にゆりえが発作をおこし、ピノコも同じように倒れてしまう。

それを見て急いで駆け寄るBJ。ゆりえとピノコの発作は”同期”していると確信するBJだった。

ピノコを旅館に移して、BJは西園寺家の屋敷に設けられた研究室でカルテやレントゲン検査の結果を見るも、なぜ腫瘍がどんどん再発するのか、一向にわからないままだった。

伝説

一方、ゆりえが重い病気にかかっているのではないかとの噂が西園寺流派内で囁かれ始めていた。次期家元候補の美登里の父親は、理事会においてゆりえの体調に言及する。ゆりえは神事で舞うことになっていた”白鷺天昇”を伝承することを伝え、その日の内に、”白鷺天昇”を美登里や父親、理事の人たちに披露することになる。

その見事な舞に圧倒する美登里と父親。

ゆりえはまだこの大役を渡さないという証を証明するために必死に、そして見事に舞い終えてみせるのだった。

理事たちに見えない所でゆりえは倒れ掛かるが、BJに抱きとめられる。家元とはいえ、なぜそこまでして”白鷺天昇”を舞おうとするのかわからないBJだった。

ゆりえは「これは約束なの!白鷺を天に返して、双子の呪いを解かなければならないの!」と話すのだった。

BJはピノコに誘われて近くを散策する。暫く歩くと西園寺家に縁のある神社を見つける。そこに登る階段の両側には、古く小さな大量のお墓が無造作に置かれていた。

そこで西園寺家の系譜図とともに、西園寺家にまつわる白鷺伝説を聞く。その伝説は、双子の片方を生贄に差し出し、生き残った方が西園寺家の始祖となった経緯から、西園寺家に生まれる双子の片割れは、皆数年で死んでしまうというものだった。実際に西園寺家には多くの双子が生まれていたが、すべてが5歳までに片方が亡くなっていた。

”白鷺天昇”はその呪いを解くために作られた、昔から伝わる舞だった。

姉妹

なぜ双子の片方だけが短命なのかを調べ始めるBJ。ゆりえとピノコは唯一生き残っている”双子”だった。

そんな時、”白鷺天昇”を舞う舞台で気を失って湖に落ちるゆりえ。BJに救い出されたゆりえはBJのおんぶされる。その背中で10年前の事を話し始める。

ゆりえは昔からピノコ(ゆりえの中から聞こえる声)と話をしていた。ゆりえはまだ小さい時から次期家元として舞を稽古していた。その時に”白鷺天昇”が双子の呪いを解く舞だと知ったゆりえは、声しか聞こえないピノコと「呪いを私達の代で解こうね」と約束していた。

しかし嚢腫は成長を重ねるのと同じように大きくなっていく。このままでは”白鷺天昇”を舞えないと考えたゆりえは離れたくないのを我慢してピノコを摘出してもらう。そしてピノコが死んだと思い込んだために「捨ててください」としか言えなかったのだった。

「かけがえのない妹だったのに・・・私は・・・」と朦朧とする意識の中で後悔するゆりえにBJは「生きているよ」とだけ答える。

双子の謎

BJは双子の片方が幼くして亡くなるのは、お腹の中で双子にだけ発生する特有の特殊な抗体に耐えられなかったのではないか、片方にだけ抗体に免疫ができ、もう片方は免疫ができないために、免疫のない方は身体が徐々に弱っていったのではないかと仮説を立てる。ピノコは免疫があり元気だったが、ゆりえは免疫がなかった。しかし10年前までピノコをお腹に入れていたために生き延びてこれたのではないかと・・・

BJはゆりえの腫瘍摘出と、生体肝移植をすることにする。ピノコの肝臓を一部分ゆりえに移植することで免疫ができ、ゆりえが助かるのではないかと考えたのだった。

そして手術は成功する。

再会と別れ

ゆりえは全快し、神事”で白鷺天昇”を見事に舞ってみせる。

数日後、ゆりえはBJに「妹が生きているのは本当ですか?」と尋ねる。BJは「聞いてどうする?向こうだって君のことは知らない。あんたらしくない。もう2人は違う世界で生きてるんだ。」と言って部屋を出ていった。

BJを探すピノコが障子の向こうを歩いていた。ゆりえが障子越しに声をかけるといつもの調子で「私はピノコ!」と自己紹介し、最後に「また何かあったら先生に連絡してくださいね。じゃあね・・・・おねえちゃん」と言って去っていった。

 

それを聞いて涙するゆりえであった。

 

「おとずれた思い出」原作について

今回はピノコ誕生のエピソード「奇形嚢腫」とその姉が患者としてやってくる「おとずれた思い出」をまとめたお話でした。原作を少し紹介します

「奇形嚢腫」のあらすじ

ピノコが誕生するまではほぼ一緒です。しかし翌日にピノコが転院する患者である姉と初対面し、寝たままの姉を踏みつけて激昂します。姉は本当にピノコを邪魔だと思っていたようです。

その後、ピノコと姉は何度か再会します。だが、家柄ゆえに世間体を気にする相手方や姉本人にも拒絶され、ピノコ本人もよほどの事情が無い限り姉と会うことを拒絶していました。

しかし姉が自殺未遂をはかり記憶喪失になった時、ピノコは姉だと知らなかったため、2人は仲良くなり本当の姉妹らしく振舞っています。これが「おとずれた思い」です。

「おとずれた思い出」のあらすじ

記憶をなくしてブラックジャックのもとを訪れたひとりの女性。 彼女は頭に傷を負っており。、ブラックジャックは治療に当たるが彼女の腹にある手術の後に、昔の記憶を呼び覚まします。 そう、彼女はピノコと20年間共生していた姉でした。

二人ともそれには気付かず、とても仲良くしています。 ブラックジャックは加仁博士に連絡をし、彼女が自分のところにいることを話します。 ピノコは彼女と別れたくないが、博士が迎えにきて彼女は記憶を取り戻す・・・・

このお話はもともと手塚治虫が書くつもりがなかったのかもしれません。この頃はとても忙しかったために昔の原稿のコピーなどを多用したため、いわゆる手抜きの作品とみなして

あまり気に入っていなかったそうです。連載はされましたが、単行本に載っていないのはそのためのようです。

しかし後に発行された手塚治虫文庫全集8巻に載っています。

 

原作では色々ありましたが、OVAではきれいにまとまり、姉と妹の関係も修復出来たようです。

 

「おとずれた思い出」動画配信情報(2022年7月10日時点)

2022年7月10日時点で、「おとずれた思い出」を視聴できる動画配信サービスはU-NEXTのみとなっています。

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