今回は「サンメリーダの鴞」を紹介していきます。
原因不明の発作に悩む青年。
しかしそれは幼少期に起きた奇跡がもたらした”贈り物”だった・・・
カルテ5「サンメリーダの鴞」あらすじ
軍人養成学校に通う士官候補生のレスリー・ハリスは今日も病院に来ていた。彼は毎日のように急な発作に悩まされていた。
彼にとっては発作も病院に行くことも毎度のことであった。そして毎度のように精神安定剤を処方され、そして毎度のように肩を落として帰っていくのだった。彼は自分の発作がもう治らないものだと諦めていた。
列車内の出会い
BJとピノコはヨーロッパでの休暇旅行を楽しんでいた。ひょんな事で列車内で知り合ったレスリーは隣のコンパートメントだった。
古谷さんこんばんは。福山市は気温現在0度。懐かしいお話ですね~。
大江戸ダイゴ役でしたよね古谷さん。ちょっとshockingなお話なのは覚えています。確かに様々な方に見てほしい作品ですね。ブラックジャックと言えば他にカルテV 「サンメリーダの鴞」のレスリー・ハリスもでしたね🙇♂️懐かしい~~😖 pic.twitter.com/ngKcp3CZQH— 信二⚽️古谷徹❤️神谷明🔫 (@UnitedShinji7) February 8, 2021
その夜、レスリーの部屋から叫び声が聞こえてくる。BJとピノコがそこで見たのは、のたうち回るレスリーの背中にある、撃たれたばかりのような銃槍とそこから大量に吹き出す血液だった。しかしよくみると銃槍そのものは昔からあったと思われる古い傷だった。
とりあえず血を止めようとするBJだったが、発作は収まり、銃槍も徐々に消えていった。
とりあえずその場で治療は必要ないと判断したBJは彼と別れた。
BJたちはある港町にやってくる。そこでまたしてもレスリーと再会する。
そこでも同じホテルだった彼はまたしても発作を起こす。BJは止血して身体中の写真を撮りまくる。
それにより、レスリーは幼少期に大手術(皮膚移植や開腹)を受けたことがわかる。しかしそれは大変技術の高い医師がやったためか、皮膚割線(目には見えない皮膚同士のつなぎ目)にそって丁寧にサれていたために肉眼ではわからなかった。
BJはその医師に会いたくなり、誰が手術したのかをレスリーに聞く。しかしレスリー自身が手術されたことを憶えてなく(まだ1歳にも満たなかったため)、知っているであろう両親も数年前に亡くなっていた。
翌日、レスリーは自分の病気を治してくれとお願いする。いつもであればBJは法外な要求をするのだが、今回はレスリーを手術した医師を探すことに協力することを条件にする。
医師を探す手がかりは、夢や幻想で出て来る母娘やヘリから撃たれる銃弾だった。それを見た時にいつも発作が起きていた。
そして♫お前の好きなサンメリーダの森で鴞が鳴いた〜♫という、いつも母娘が歌う子守唄だった。
サンメリーダ村
BJはサンメリーダという土地を探し、エルガニア共和国に同じ名前の村があることを突き止める。そして3人はそこに向かうことになる。
エルガニア共和国は20年以上も内戦が続いていたが、数年前に統一政府が樹立したことで戦闘は終わっていた。しかし街中は瓦礫の山で、その下にはまだ多くの戦死者がいるとされていた。目指すサンメリーダ村は国内で一番の激戦地だった。それは村が反政府軍の拠点だったためである。
その村に着いたレスリーは外に走り出す。来た記憶がないにも関わらず、なぜか村の道や何処にどんな建物があるかなどがすべてわかってしまうのだった。
更に住んだ記憶もない半壊した建物で「ここにバラを植えて・・・」と呟く。そしてそのとおりにその建物内には今もバラが咲いていた。しかしレスリーはなぜそれがわかるのか見当がつかずパニックになる。そしてその建物にあった写真立てには夢の中で見る母娘が写っていた・
多くの建物が半壊状態だったが、唯一教会だけがなんとか機能していた。そこにいた若い牧師に昔のことを聞くも「2年前に来たばかりだからわからない」と言われ、昔から住んでいるエルネストと言う老人の家に案内される。
エルネストは墓守だった。エルネストに母娘の写真を見せ、子守唄も歌って聞かせる。するとエルネストは自宅に3人を招き入れる。そしてある男の話をしはじめる。
ブラックジャックのOVAの5話の「サンメリーダの鴞」に出てくる サンメリーダの子守唄が頭から離れない….
..赤い実が3つ、青い実が2つ、白い実は幾つ…♪ pic.twitter.com/jQ3ioXV59e
— シセル (@siseru110) October 27, 2015
奇跡
その男は医師を目指してインターンに通っていた。もう少しで卒業という時に祖国で内戦が起きたことを知り、途中退学して祖国に戻った。
医師免許を持ってはいなかったが、それなりの技術と知識を活用して、負傷した兵士たちの治療にあたる毎日を送っていた。
ある日、母親と娘が運び込まれてくる。娘のアニタはすでに亡くなっていたが、母親のサンドラのほうは、まだかろうじて生きていた。同じ頃、身体の7割ほどを火傷し、肝臓は破裂し、多くの骨折も見られた瀕死の状態の幼児が運び込まれてくる。
もう救えないと思ったその男は、アニタを亡くしたサンドラの側に幼児を寝かせる。
そのまま疲れ切って寝てしまっていた男は仲間たちに起こされる。男は幼児を抱きかかえ、乳を与えながら絶命しているサンドラの姿を目の当たりにする。
サンドラから「この幼児を救ってほしい」と言われているような気がした男は、サンドラの肝臓、皮膚を幼児に移植する。その際に母親が受けた銃槍部分も幼児の背中に移植されていた。移植手術すらやったことがない男だったが完璧な手術をやり遂げる。
やり終わったその男は、神の力を借りて成し遂げた業だと思い、奇跡の瞬間を感じていた。
エルネストが男の話を終え、レスリーに「その皮膚はサンドラのものだ。そして君が見ている夢はサンドラの記憶だろう。大事にしてやってほしい」と付け加えた。
しかしBJはその男がエルネスト本人であること見抜いていた。BJは骨の結合や皮膚割線にそって行われた見事な移植を伝え、「あなたの天才的な手術の技を見たい」とお願いする。エルネストは自分がレスリーを手術したことは認めたが、「皮膚割線などは考えなかった・・・神の力による奇跡だった」と答える。
鴞と呼ばれた男
その直後、自宅に牧師と兵士たちがやってくる。牧師は政府が潜り込ませておいたスパイであり、サンメリーダ村の生き残りだったエルネストの事を調べていた。そしてエルネストこそが反政府グループの負傷者を治療し続けていた「サンメリーダの鴞」であることを嗅ぎつけたのだった。
ブラック・ジャックOVA「サンメリーダの鴞」に出てくる牧師。
この人、手塚治虫の『MW』の賀来神父と結城美知夫を融合させたキャラクターに思えてならない。 いかがでしょう。 pic.twitter.com/prasNO4gKV— 朝雨子 (@sobae0725) November 12, 2016
牧師は「あなたには裁判に出廷してもいらいます」と言って捕まえ、その後上官である大佐に引き渡そうとする。しかし大佐の命令で部下たちがエルネストに発砲する。牧師は裁判にかけずエルネストを銃撃した大佐、そして母国に怒りを感じる。
まだ息があったエルネストを救うためにBJは手術をすることにする。牧師は「全責任は私が取る」と言って、部下達に軍の医療班に輸血用の血液を集めさせる。
しかしBJの懸命な手術は報われなかった
帰りの飛行機の中でBJは考えていた。
奇跡なんかは信じないが、エルネストの手術のときだけは、何かの力を信じたいと思う自分がいた事を・・・
今回は女性とのロマンスはありませんでしたが、ピノコがレスリーに恋心を抱くという伏線がありながら話が進んでいきました。
全体の話の流れは普通でした。
それでも今回は、患者を救えたことに満足?しながら、未知のオペの腕前を持っていたであろう老人を自分の手で救えなかったことに無力を感じるBJが印象的でした。
カルテ5「サンメリーダの鴞」動画配信情報(2022年7月6日時点)
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