「15時17分、パリ行き」あらすじと配信情報 出演キャストたちのその後について

ドラマ(洋画)

昔は俳優として、今は監督としての素晴らしい地位を確立したクリント・イーストウッドの作品です。

このお話は2015年8月21日に実際に起こった高速鉄道タリス内での銃乱射事件をベースに、それに関わった3人の若者たちの物語です。

スタッフ紹介

監督:クリント・イーストウッド

脚本:ドロシー・ブライスカル

原作:ジェフリー・E・スターン / スペンサー・ストーン / アンソニー・サドラー / アレック・スカラトス

製作:ジェシカ・メイヤー / ティム・ムーア / クリスティナ・リヴェラ / クリント・イーストウッド

製作総指揮:ブルース・バーマン

出演者:スペンサー・ストーン / アンソニー・サドラー / アレク・スカラトス 他

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「15時17分、パリ行き」あらすじ(ネタバレ無し)

 

冒頭、一人の男がリュックサックとトランクを持って列車に乗る。

そしてトイレから10分以上出てこない乗客が不審に思いドアをノックする。

そこには上半身はだかでリュックを胸の前で背負い、銃を持つ男が立っていた・・・

 

話は過去にさかのぼり、2005年。

キリスト教会学校に通うスペンサー・ストーンとアレク・スカラトスは幼馴染。

学校に馴染めず、いじめられたり自ら問題を起こしたりしていた。

そんな時、アンソニー・サドラーという黒人の同級生と出会う。3人は意気投合して一緒に遊ぶようになる。

しかしアンソニーは転校し、シングルマザーに育てられていたアレクは、父親に引き取られ3人はバラバラになる。

しかしその後も彼らは連絡を取り続けていた。

スペンサーは子供の頃から軍人になりたかった。パラレスキュー部隊に入りたかった彼は、太っていた身体を鍛え上げ、軍人になれる資格を取得する。しかし適正検査でひっかかり、パラレスキュー部隊に入ることはできなかった。

仕方なくSERE指導教官になるべく頑張ろうとするが、パラレスキュー部隊に入れなかったことで職務に身が入らず、落第してしまう。

スペンサーは別の基地で防衛と救急を専門にする仕事に移る。そこで救命や柔術を習い、それなりに充実した生活を送っていた。

一方のアレクも軍人になっており、アフガニスタンに赴いていた。

スペンサーはヨーロッパ旅行の計画を立て、アレクとアンソニーを誘う。

アレクはドイツに友人がいたために後から合流することになり、とりあえずスペンサーとアンソニーがイタリアへ降り立つ。

イタリアでリサという女性と知り合い、3人で旅行を楽しむことになる。

色々な場所に行こうとするスペンサーは、ゆっくり旅行を楽しみたいアンソニーに「何が起こるかわからないから楽しめる時に楽しみたい」と言い、「人生に選択肢はなく、大きな目標に向かって運命に動かされているように思える」と感傷的になる。

バーで知り合った老人からアムステルダムの話を聞き、2人はアムステルダムでアレクと合流することにする。

アレクと合流し、バーで大騒ぎした3人は次の日、パリに行くかどうかを協議する。リサやバーでパリは面白くないからおすすめしないと言われていたので気になっていたが、スペンサーはイタリアで言った「運命」についての発言を思い出し、計画通り、パリ行きを決定する。

そして15時17分、アムステルダム発パリ行きの列車に3人は乗り込むことになる・・・

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感想・・・実際に起こった「タリス銃乱射事件」とは

実話をもとに制作されたこの作品、タリス銃乱射事件は乗客554人を乗せた列車内で男が銃を乱射した事件です。

犯人の男はシリアへの渡航歴もあるイスラム過激派の26歳のモロッコ国籍の男で、事件前から情報機関にマークされていたそうです。そこに居合わせたのが、スペンサー、アントニー、アレクだったわけです。

そして、驚くべきことに、実際に犯人を捕まえた3人がそのまま本人役を演じています。

実際のニュース記事もあります。(ネタバレになりますが・・・)

高速列車で発砲の男にシリア渡航歴、取り押さえたのは米軍兵士ら

仏北部レスキンで、パリ行きの国際高速列車内で発砲した男を取り押さえて負傷し、治療を受けていた米空軍の兵士、スペンサー・ストーンさん。

【8月23日 AFP】オランダ・アムステルダム(Amsterdam)発、仏パリ(Paris)行きの国際高速列車「タリス(Thalys)」の車内で男が銃を発砲し、乗客に取り押さえられた事件で、捜査当局は23日、男はモロッコ国籍のアイユーブ・ハッザーニ(Ayoub El Khazzani)容疑者(25)でシリアへの渡航歴があり、イスラム過激派として情報機関にも知られていた人物だと発表した。

スペインのテロ対策当局筋によると、ハッザーニ容疑者は昨年まで7年間、スペインに住んでいた。ベルギーにも短期間住んでいたことがあり、フランスからシリアに渡航したこともあった。

ソーシャルメディアには、21日に車内で発砲しカッターを所持したハッザーニ容疑者が乗客に取り押さえられた後、後ろ手に縛られ列車の床に倒された写真が掲載された。

ハッザーニ容疑者を取り押さえ英雄と称賛されている3人の米国人は、休暇を利用して欧州旅行中だった20代前半の米兵2人と友人の大学生と判明した。このうちハッザーニ容疑者に最初に飛びかかった23歳の空軍兵士、スペンサー・ストーン(Spencer Stone)さんは、同容疑者にカッターで切りつけられ首と手を負傷した。また、62歳の英国人男性もハッザーニ容疑者の拘束に協力した。

このほか、フランスのベルナール・カズヌーブ(Bernard Cazeneuve)内相によると、列車内のトイレでカラシニコフ(Kalashnikov)銃を所持していたハッザーニ容疑者を最初に発見したのはフランス人男性だが、身元は分かっていない。

記事引用:AFP BB NEWS

 

演技の素質があるのか、イーストウッド監督の演技指導が良いのか、とてもナチュラルな演技。特にスペンサーさんのキビキビした演技は、視聴前から知っていた私でも「この人、役者やればいいのに」と思えるほどでした。

 

題名から事件がメインだと思ったが、主人公3人の成長を描いた前日譚がメインだった。「ハドソン川の奇跡」で殆どが裁判の話だったかのように、イーストウッドはこんな映画も作ってしまう。

好みは分かれるし、自分も「事件はまだ起こらないのかな」と思いながら視聴。しかし事件をメインにしては主人公たちの性格や心情は描きづらい。

1クールドラマのような知識を得てからの後半での事件発生・・・見終わってみると意外と良い映画だったと思わせるのがすごい。

 

監督と出演者のインタビュー映像がありました。

 

 

作品自体は1時間30分強くらいで短い方ですので、すぐ終わります。気楽にとはいえませんが、わかりやすい良作だと思います。

 

「15時17分、パリ行き」の配信情報(2022年7月1日時点)

2022年7月1日時点での「15時17分、パリ行き」の配信サイトは

U-next / amazon prime video / Hulu / dTV / Terasa / Abema TV と、多くのサイトで見ることが出来ます。

 

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主要キャスト3人のその後の人生は・・・

アレク・スカラトス

アレク・スカラトスは州兵として働いていましたが、「タリス銃乱射事件」から2年後の2017年に退役しました。

2018年、26歳になった彼は政治家の道を志し、アメリカ中間選挙にてオレゴン州候補として立候補します。その時は2倍以上の資金で立候補していた実業家のトム・クレスにわずか2%の差で破れてしまいました。

しかし2020年にオレゴン州の民主党予備選挙で86%の票を集め、共和党の候補者に選ばれています

 

スペンサー・ストーン

 

空軍兵士であるスペンサーストーンは、「タリス銃乱射事件」後に軍務に復帰します。

しかし、事件のわずか二ヶ月後にまたしても命の危機を迎えてしまいます。

 

2015年10月、地元カリフォルニアのバーに男女5人で遊びに行ったときに、彼の女友達が他の客に勝手にビデオ撮影されたことがきっかけで相手方と口論になりました。

その際、カッとなった相手が隠し持っていたナイフでスペンサーを数回に渡って刺してしまいます。

 

傷は心臓、肝臓、肺にも達しており、命の危険もある危険な状態でしたが、緊急搬送され、なんとか一命を取り留めます。

 

後に犯人は逮捕。

殺人罪で9年間の懲役刑となります。

「テロ失敗したことへの報復か!?」と騒然となりましたが、犯人もその友人もスペンサーがテロ事件の英雄とは気づいておらず、全く無関係でした。

 

この翌年の2016年にスペンサーは空軍を退役します。

国際関係へ興味を抱いており、「今後はカリフォルニア大学か南カリフォルニア大学で国際関係の学位を取りたい」と語っていました。

 

アンソニー・サドラー

三人の中で唯一の大学生だったアンソニー・サドラーは2017年にカリフォルニア州立大学サクラメント校を卒業します。

その後の進路は残念ながら、追跡不能でした・・・

 

 

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