「二重生活」あらすじとネタバレ 「尾行」することで明るみになる「秘密」

ドラマ(邦画)

論文を完成させるために始めた「尾行」。そして周りの人たちの「秘密」が明かされていく・・・

演技派女優として頭角を表してきていた門脇麦さんの単独初主演作です。

 

「二重生活」作品紹介

監督:岸善幸

脚本:岸善幸

原作:小池真理子

制作:杉田浩光 / 佐藤順子 / 富田朋子

出演:門脇麦 / 長谷川博己 / 菅田将暉 / リリー・フランキー 他

公開:2016年6月25日

 

 

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「二重生活」あらすじ

大学院生の白石珠(門脇麦)はゲームデザイナーの鈴木卓也(菅田将暉)と同棲中。彼女は心理学を専攻していた。

https://ameblo.jp/pmds90l80/entry-12385973649.html

彼女は100人の人間を対象にして、その人達はどんな性格でどんな生活をしているのか、そしてそこから人間とは何なのかという論文を執筆中だった。しかしなかなかうまく書けずに悶々としていた。

ある日、通っている大学の篠原教授(リリー・フランキー)から、「100人ではなく1人を対象にしてみないか?」と提案される。

 https://ameblo.jp/pmds90l80/entry-12385973649.html

しかし ”尾行” するという慣れないことに抵抗を感じた珠は、「少し考えさせてください」と篠原教授に言う。

偶然のきっかけ

(探偵)や(尾行)について、何か参考にならないかと本屋で探していた時、そこでサイン会をしていた作家の側に、いつも窓からなんとなく眺めていた見慣れた男がいた。

その男は珠が住んでいるマンションの向かいに住んでいる石坂史郎(長谷川博己)。彼には奥さんと、小学生の女の子との3人で暮らしている、珠からみればごくごく平凡な男だった。

 https://ameblo.jp/pmds90l80/entry-12385973649.html

石坂は出版社の編集者であり、そのサイン会の手伝いに来ていた。石坂のスマホにメールがはいり、彼は他の担当者に仕事を任せていそいそと出ていく。

珠は興味本位で石坂のあとを追う。

石坂がカフェに入っていく。珠も入り、目立たないように監視していると、一人の女性が石坂の向かいの席に座る。

2人は時たま指を絡ませるような仕草をしながらも、すぐカフェを出て行く。珠は2人を追う。閑散とした町中の路地に入り、激しくキスをする2人。そして2人がそこで愛し合うところを目撃する。

そして2人は行為が終わるとすぐに別れた。

彼女はその近くにある澤村デザイン事務所の社長、澤村しのぶであった。

珠は論文の題名を書き直し、無作為で選んだ1人の人間に対する「理由のない」尾行をすることを篠原教授に伝える。

しかし彼女の尾行対象者は決まっていた。向かいに住む石坂史郎である。

 https://ameblo.jp/pmds90l80/entry-12385973649.html

調査開始

尾行1日目、石坂は普通に仕事をして自宅に帰る。

尾行2日目、石坂は家族と一緒に水族館に行く。石坂のスマホに時折入るメール・・・

 

その日、篠原教授は籍を入れたばかりの女性と一緒に、入院中の母親の見舞いに行く。篠原の母親は直腸がんが肺に移転して、余命わずかであった。篠原はナースに3人での写真を撮ってくれるようにお願いする。

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尾行3日目、洗車している石坂にメールが入る。車に入って電話している姿を見ている石坂の妻は、何かに気づいているようだった。

その夜、ホテルで落ち合った石坂としのぶ。その後2人はレストランに入っていく。珠も近くの席に座り、2人の会話に聞き耳を立てる。

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石坂としのぶは口論になり、しのぶはそのレストランから出ていく。出ていって走り去るしのぶを反対側の路地で見ている2人の姿があり、それは史郎の妻と娘だった。

しのぶは石坂から、妻に関係がバレたことを伝えられ、別れを切り出したために彼に当っていたのだ。

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石坂の妻はホテルに向かい、しのぶに会おうとする。珠はホテルのトイレで偶然にもしのぶに出会ってしまう。正体がバレそうになるが、とぼけて見せてその場をなんとか乗り切る。しのぶにたどり着けなかった石坂の妻は街を泣きながらさまよい歩き、明け方に自宅に帰っていく。

次の日の夜、石坂の家の前に救急車が止まる。石坂の妻が薬を飲んで自殺未遂を図ったのだ。救急車に乗せられるところを見ていた珠に気づく石坂。彼はマンションの管理人から、珠が石坂の家の前でメモを取っていることを不審に思い、石坂に教えていたのだ。

石坂から責められた珠は急いでその場から逃げ、篠原に連絡を取ろうとする。しかしその時は篠原の母親が死んだ時であり、連絡をとることが出来なかった。

珠の過去

以前から珠の行動を不審に思っていた卓也に問い詰められ、尾行していたことを話すと、「1人の人間を尾行して、その生活を調べて、何の役に立つ?なんで僕達は一緒にいるの?」と言われてしまう。

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もう珠も、なぜ「尾行」しているのか?何か役に立つのかわからなくなっていた。

石坂から電話をもらい、論文を見せてすべてを話す珠。

話は夜まで続き、2人は居酒屋で飲んでいた。結局、論文を出すなと石坂に言われ、「それだけは許してください」と言いながら酔いつぶれる珠。

石坂が珠を家に送っている時も「書かせてください」と頼む珠。彼女は石坂にキスをして誘うような素振りをする。石坂も我慢できなくなりホテルで2人は抱き合う。しかし石坂の娘からのメールで我に返る2人。

珠がまだ十代の頃、彼女は父親の親友であった年上男性を好きになってしまう。しかし彼をガンで亡くして以来、虚無感になっていた。そんな時、石坂を尾行し始めて自分の心が埋まっていく感じを噛み締めていた。だから論文をどうしても書きたいのだと石坂に伝える。

「陳腐なお涙頂戴なはなしだな!、満たされている人間なんていない」と石坂に言われ、珠は泣き出してしまう。

泣いている珠に石坂は「使っていいぞ、俺の秘密」と言って、論文を書くことを許可する。

対象の変更

まだ未完成の論文を読んだ篠原教授は「あなたがどういう考察をするのか知りたい、対象を変えてでも続けてください」と言う。

珠は対象者を篠原教授に変える。

篠原教授は妻と一緒に夕食の買い物に行く。

そして2人は家に帰っていく。

それを見ていた珠に卓也から電話がかかってくる。

その頃、篠原教授の家で、妻は結婚指輪をわたしていた、

「お世話になりました」と言う妻。

「また会えますか?」と聞く篠原にただ微笑むだけの彼女。彼女が家を出る頃、珠は卓也に呼ばれていたため、それを確認することはなかった、

珠は卓也から別れを告げられ、一人ぼっちになる。

石坂の妻は元気になったが、夫婦間の関係はギクシャクしていた。

珠は論文をかきおわり、篠原教授に見せる。篠原は「対象者Bに関しては間違いがあるから直してください」と言う。

篠原は自分が尾行されていた対象者Bであることがわかっていた。そして参考になればと、代行コンサルタントをしている人間の名刺と、ある劇団のチケットが入った手紙を渡す。

珠が見た劇団の中に篠原の妻がいた。

その女性は篠原教授が母を安心させるために2ヶ月だけお願いした劇団の人間だった。

その頃、論文を読んだ篠原は添削をし、その後、首を吊って自殺する。

 

 

その後

珠はそのマンションから引っ越した。

引っ越しのトラックの中から、石坂の家族が3人で笑いながら歩いている姿をみる。

駅で同じ方向に歩く卓也と珠、10m位離れていたためお互い気づかない。

スクランブル交差点で振り返ると、シワのある左手に結婚指輪をはめた男がいた。彼女は微笑みながら振り返り、また歩き出す。

あなたは私をどう思っていたのか

私をどうしたかったのか

あなたにとって私は何だったのか

私は永遠に知らない

という文字が浮かび上がり、エンドロールが流れる。

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「二重生活」感想

基本的に私は、登場人物の内面に秘めた感情などを書くことはしません。

それを文章として表現するのは難しいし、そもそも原作と映画が違う「脚色」という言葉がある以上、その作品を見た人の印象がその人の納得する完結の形だと思っています。

原作は読んでいない私は、他の方が書かれているブログなどの結論とは少し違ったラストの受け止め方をしました。

皆、篠原教授は自殺したのだろうと初めは思ったはずです。

でも最後に出てきた男を見て、「篠原教授は生きていたんだ」と思ったのでしょう。

原作もそうかもしれません。

でも、もし脚色されていたらどうでしょう?

引っ越してからのその後のシーンで史郎も卓也もちゃんと顔出ししててわかりますが、なぜ篠原教授だけは顔が出なかったのか?

珠が教授室をノックしても反応がなかったのは本当に自殺していたのではないでしょうか?

そして最後の男の人は、珠を尾行する知らない人、もしくは尾行されていると思いたい珠の願望・・・

ではなぜ、その男は年を取っているのか?

珠の初めての相手は父親の親友でした。相手はそう思っていても、珠はその男を好きになってしまいます。

石坂にも、キスをしたり、「尾行していたら心の隙間が埋められる」など、けっこうおじさまが好みなのか、ファザコンなのか?という感じがします。

「尾行」していて面白かったと石坂に言うシーンがあります。

珠は「誰も満たされている人なんていない、だから私みたいに他の人の生活を知りたがる」と確信したのではないでしょうか?

だから跡をつけている(妄想かもしれない)彼を見てのラストシーン

あなたは私をどう思っていたのか

私をどうしたかったのか

あなたにとって私は何だったのか

私は永遠に知らない

となるのではないでしょうか・・・そしてこう続くのでは・・・

私は知らなくていい

あなたの考察にまかせます・・・・

この本の題材になっているのは、作品中にも出てくるソフィ・カルの「本当の話」です。

これには、ちょっと知り合っただけの男性を尾行する、しかし 自分を尾行させて、相手に自分が見せたいと思うものを見せるというシーンもあります。

まあ、どう捉えるかは皆さんの自由ですが、こういうことで議論するのもたまにはいいことだと思います。

 

 

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