「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」 マーゴット・ロビーとアリソン・ジャネイの歪な親子関係の演技が秀逸

映画

今回は1994年に起きたフィギュアスケート界最大のスキャンダル「ナンシー・ケリガン襲撃事件」の中心人物トーニャ・ハーディングの半生を描いた作品を紹介します。

主演は「スーサイド・スクワッド」でキュートな演技をみせたマーゴット・ロビー。トーニャの母親役を演じたアリソン・ジャネイはこの作品でアカデミー助演女優賞に輝いています。

「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」作品紹介

監督:クレイグ・ガレスピー

脚本:スティーヴン・ロジャース(英語版)

製作:ブライアン・アンケレス / スティーヴン・ロジャース / マーゴット・ロビー / トム・アカーリー

製作総指揮:レン・ブラヴァトニック / アヴィヴ・ギラディ / クレイグ・ギレスピー / ヴィンス・ホールデン / トビー・ヒル / ザンヌ・ディヴァイン / ローザンヌ・コーレンバーグ

出演者:マーゴット・ロビー / セバスチャン・スタン / アリソン・ジャネイ

音楽:ピーター・ナシェ

撮影:ニコラス・カラカトサニス

編集:タティアナ・S・リーゲル(英語版)

公開:2017年12月8日(アメリカ限定公開) /  2018年1月19日(アメリカ拡大公開) / 2018年5月4日(日本)

スポンサーリンク

「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」あらすじ

1970年、トーニャ・ハーディングは母親ラヴォナの4番目の夫の子として、そしてラヴォナの5番目の子として生まれてくる。

トーニャは幼い頃からスケートが大好きだった。そんな彼女をラヴォナはスケートコーチのダイアン・ローリンソンに預けることにする。

まだ4歳だったトーニャだったがもともと才能があったのか、半年後には年上の受講生を追い抜いて、大会で優勝する。

母親のラヴォナはダイアンが教えるスケートに度々口をはさみ、トーニャに対してもしつけという名の暴力を度々ふるっていた。そんな生活が嫌いだったトーニャの唯一の救いは優しい父親の存在だった。

しかし離婚して父親が家を出ていったことで、トーニャは強気な性格になっていく。

 

1986年、15歳になったトーニャは将来の夫となるジェフ・ギルーリーと出会う。2人は恋に落ちるが、ジェフは暴力的な男だった。それでも強気なトーニャも反撃していたため、喧嘩しながらもなんとか関係は続いていた。

 

大会でライバルに負けたトーニャにラヴォナが辛辣な言葉を浴びせたことで喧嘩になる。その際にラヴォナが投げたナイフがトーニャの右腕に刺さったことが決定打となって、トーニャは家を出ていき、ジェフと同棲するようになる。

トーニャは実力はあったものの、攻撃的な演技がなかなか評価されず苛立ちを覚える。そして長年コーチとしてやってきたダイアンと仲違いしてしまい、彼女を解任する。

その後、ドディというコーチと契約し、ジェフと結婚する。

1991年、全米選手権でアメリカ人女性で初めてトリプルアクセルを成功させ初優勝を果たし、世界選手権への切符を手に入れる。初出場となった世界選手権では、クリスティー・ヤマグチに次ぐ2位となり、3位にはナンシー・ケリガンが入賞を果たす。

トーニャは自分がフィギュア界で高い地位になったことに満足し、なおかつ傲慢にもなった。それでジェフにも偉そうに接するようになり、ジェフは再び暴力を振るうようになる。

一度は家を出たトーニャだったが、心を入れ替えたジェフが連絡してきたことで再び暮らしだす2人。しかしスケートの調子が悪くなり、1992年のアルベールビルオリンピックでは、前年まで成功していたトリプルアクセルが、オリジナルプログラム・フリー演技共に着氷に失敗。結局ミスが響いて総合4位入賞になる。

納得いかない結果でイライラしたトーニャはまたしてもジェフとケンカして、ついに2人は離婚することになる。

 

オリンピック4位ではプロスケーターとして食べていけないトーニャは母親と同じ職業のウエイトレスとして働くことになる。そんなトーニャにかつてのコーチ、ダイアンが会いに来る。

ダイアンから2年後のオリンピックに出ようと誘われたトーニャは心機一転、ありとあらゆる努力をして再起を目指す。

 

しかしなかなか良い結果が出ないトーニャは、演技は完璧なのになぜいい評価してくれないのかと審査員の1人に詰め寄る。

審査員は「国の代表だから、アメリカの完璧な家族でいなきゃダメだ」と言われるトーニャ。仕方なくラヴォナと仲直りしようとするが、相変わらず嫌味な言い方をするラヴォナに愛想をつかす。

そしてジェフにも連絡し、こちらはうまく復縁することが出来た。しかしトーニャはオリンピックが終わればすぐに別れるつもりだった。

そして、トーニャの運命を変える事件が起きた1994年を迎える・・・

スポンサーリンク

「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」感想

母親役を演じたアリソン・ジャネイの嫌味ったらしい下品な演技は最高でした。(いい意味で)


確かにこれならアカデミーもとれるなと言う出来でしたが、主演のマーゴット・ロビーも同じくらいの憎たらしさと心の弱さを存分に表現できていて、ノミネートされたのも納得の素晴らしい演技だと思います。

 

実際に事件の報道を見ていたワタシには、ただただ「嫌な女」という印象がありませんでしたが、もしこれが事実なら、同情してしまいそうになります。

しかし、リレハンメル五輪当時から現場でトーニャを取材してきたアメリカのベテラン記者たちの間では、本作で描かれているトーニャは彼女本人を知らない第三者が創り上げた虚像だという批判的な声が圧倒的だそうです。

そしてこの映画を見たトーニャ・ハーディングも映画の詳細はいくらか事実と違うと主張しています。しかしながら彼女はこの映画で自分が再びスポットライトが当たったことは嬉しいようです。

その後の展開(ネタバレあり)

1993年、トーニャに「滑ったら背後から撃つ」という脅迫文が届きます。彼女はそれを怖がってしばらく大会などを控えます。

気に入らないジェフは友人で個人業としてボディーガードをやっているショーン・エッカートに、ライバルであるナンシー・ケリガンに同じような脅迫文を送ろうと提案します。

トーニャは後からこの事を知りますが、自分の練習で頭が一杯でその陰謀に直接には加担しませんでした。

ショーンはある2人組に頼みますが、それは脅迫文を送ることではなく、直接ケリガンに暴行を加えるという凶行でした。

全米選手権の公式練習でケリガンが暴漢にヒザを負傷されたニュースが流れると、ジェフは「話が違う」と言ってショーンを問い詰めます。

ボディガードとしての仕事がなかったショーンはこの事件がきっかけに自分の仕事が増えるだろうという打算から脅迫文という生ぬるい方法ではなく、直接被害を与えようと考えたのでした。そしてトーニャに送られたきた脅迫文も実はショーンが送ったことが明らかになります。

ジェフとトーニャは知らなかったことにしようと決めますが、ショーンがFBIに逮捕され、「ジョンが考えたことだ」と白状してしまったため、ジョンも逮捕されてしまいます。

世間やマスコミはトーニャを好奇と疑いの目で見るようになり、オリンピック委員会も出場させるべきかどうか決めかねることになります。

精神的に疲れ切っていたトーニャのもとに、ラヴォナがやってきます。ラヴォナは「私はあなたの味方よ、よく頑張った、誇らしいわ。」と、今までトーニャに発したことがない優しい言葉を投げかけます。

嬉しくてつい抱きついてしまうトーニャに「ねえ、襲撃は本当に知らなかったの?」と聞くラヴォナ。トーニャが何かを察してラヴォナの服を探ります。するとテープレコーダーが入っていました。

この日からトーニャはラヴォナと完全に縁を切ります。

 

 

そんな時、ナンシー・ケリガンが復帰します。

 

そしてリレハンメルオリンピック本番。精神的な不安と靴紐のトラブルなどで結局8位入賞、一方のケリガンは銀メダルに輝きます。

その後、ジェフがトーニャに不利な証拠と共に司法取引を受け入れたことで、トーニャは陰謀そのものを知っていたことを認めます。懲役刑は免れましたが、3年間の執行猶予、500時間の奉仕活動、罰金16万ドル、そして1994年全米選手権での優勝と1999年までの公式大会出場権やコーチになるための権利を剥奪します。

それを聞いたトーニャは「懲役刑でいいから、スケートだけはやらせて!これ以外何も出来ないの!!」と涙ながらに裁判長に訴えますが、聞き入れられるわけもありません。

 

その後、トーニャはボクサーに転身。リングで戦っているトーニャとともにナレーションが入ります。

「アメリカには愛する仲間と憎い敵が常に必要なの・・・」

 

そして相手からクリーンヒットをもらったトーニャが回りながら倒れていきます。それがスケートでスピンしている姿とリンクして、マットに倒れます。

しかしトーニャはカメラの方を向いて「これがワタシの人生!」と言って笑いながら血が滲んだツバを吐き捨てて立ち上がり、また殴り合うところで物語は終わります。

タイトルとURLをコピーしました