「新感染 ファイナル・エクスプレス」ホームレスは結局、誰だったのか?

映画

突然起きたゾンビのパンデミック。高速鉄道内で起きた恐怖と、それに巻き込まれた人々の人間模様を描いた韓国発のホラー映画です。

「新感染 ファイナル・エクスプレス」作品紹介

監督:ヨン・サンホ

脚本:パク・ジュスク

出演:コン・ユ / チョン・ユミ / マ・ドンソク 他

公開:2016年7月20日(韓国) / 2017年9月1日(日本)

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「新感染 ファイナル・エクスプレス」あらすじ

ある町で「何かが漏れた」との通報が入り、軍が防疫作業をしていた。その町を車で走っていた男が鹿を轢いてしまう。

男は鹿よりも車の心配をし、そのまま走り去った。

 

その後、轢かれたはずの鹿がすっと立ちあがる。しかしその目に生気はなかった・・・

 

 

 

ファンドマネージャーのソグは仕事人間で、妻とは別居中。ソグは彼の母と娘のスアンと3人で暮らしていた。

 

スアンの誕生日の前日、ソグはゲーム機「Wii」をプレゼントする。しかし以前に買っていたことをすっかり忘れていたソグ。

「何がほしい?」というソグにスアンは「ママに会いにプサンに行きたい」と言い出す。仕事が忙しいと言い、最初は断るが、学芸会のビデオで寂しそうに唄い、しかも途中でやめてしまうスアンを見て、不憫に思ったソグは、娘をプサンに連れていくことにする。

(のちにこの歌はソグのために作ったと判明します)

 

旅の始まり

そして2人は午前5時30分発の高速列車に乗り込む。

 

その列車には、ワーキングクラスのサンファと妊娠中の妻ソンギョン、高校生野球チームのジニとヨングク達、高齢姉妹のインギルとジョンギル、高速バス会社の常務であるヨンソクらが乗っていた。

 

列車が発車した際、列車内からホームの駅員が何者かに襲われるところを見たスアン。それをソグに言おうとしたが、寝ていたため何も伝えなかった。

 

「変な男がいる」という乗客のはなし声が聞こえて、それを見に行くスアン。そのホームレスの風貌の男はトイレの中で震えながら「みんな死んだ」と独り言を言っていた。

 

スアンがトイレに行っている間にソグは目を覚ます。会社からかかってきた電話で、アンサン工業地帯で大規模なデモが起きていることを知る。しかしそれは軍隊も出動しており、列車内のTV映像を見る限り、ただのデモではないようだった。

 

感染源

車内をフラフラを歩く若い女性。彼女は倒れ、それを見つけた女性乗務員ミンジが介抱しようとする。

 

するとその女性に襲われミンジは噛み殺される。さらに高校生の野球チームのメンバーにも襲いかかる女性。それを助けに行くヨングク。

その時、死んだはずのミンジが生き返り、他の野球部員を襲い始める。

人が人を噛み、噛まれた人がまた人を襲うという状況はあっという間に車内に広がり、ソグはスアンを連れてほかの車両へ移る。

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その際に逃げ遅れたサンファとソンギョンを一瞬とはいえ、その車両に入れようとしなかったため、サンファはソグに殴りかかろうとする。

 

しかし妻のソンギョンが制止する。

対処法

スライド式のドアの向こうでただ暴れている感染者たち。彼らはスライドする方法がわからず、更に見られなければ襲ってこないことを発見し、ドアに新聞紙を貼って彼らの視界を遮断する。

するとおとなしくなる感染者たち。

 

車内のアナウンスでチョナン駅を通過するとのアナウンスが流れる。

チョナン駅は感染者たちでいっぱいだった。

 

そんな時、母から電話がかかる。母は2人を心配しながら、その声はどんどん邪悪な声に変わっていく。

 

この頃には韓国各地で感染者が大量発生し、乗客たちもSNSやスマホのTVなどで自分たちが置かれた状況がわかってくる。

 

テジョンで軍隊を配備しているので停車するとのアナウンスを聞いたソグは、軍隊時代の部下ミンに連絡する。

乗客は全員隔離されるはずだったが、ソグはミンに頼んで自分とスアンだけは隔離されないようにしてくれと手配する。

 

 

ソグが電話している間にスアンはサンファ、ソンギョンと話をして仲良くなる。ソンギョンはお腹をスアンに触らせながら「夫が怠けて、なかなか名前を決めてくれないの」と嫌味をいい、サンファは苦笑いをする。

 

テジョン駅

列車がテジョンに着くが、ホームにいるはずの軍隊の姿はなかった。

 

ソグとスアンは東側の出口から出ようとする。そんなソグにスアンは「いつも自分のことしか考えてない」と言われてしまう。

そこに現れた軍人。しかし彼はすでに噛まれた後で、その後ろからも数人の感染した軍人たちが襲ってくる。

中央出口に向かったほかの乗客たちも100人以上の感染軍人たちに追いかけられる・・・

 

 

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「新感染 ファイナル・エクスプレス」感想

今回もハズレなかった韓国映画でした。

列車内という限られた空間の中で起こる恐怖とともに、様々な人間模様が織り交ぜられていて、その人達の人生観や生き方なども簡単だが描かれており、大変見応えがあります。

その後はどうなる?(ネタバレあり)

すべてを細かく書くと長くなるので、その後の展開を軽く紹介します。

 

テジョン駅で多くの乗客が犠牲になります。ソグ、サンファ、ヨングクら野球部員3人が感染者たちを足止めしている間に列車に戻るスアンやソンギョンたち。

彼らは割って入ってきた感染者によって2グループに分かれて乗車します。

ヨンソク、ジニ、ジョンギルと男性乗務員、他数名の乗客は15号車、スアン、ソンギョン、インギルとホームレスは感染者がいる9号車のトイレに逃げ込みます。

 

ヨンソクは男性乗務員に「さっさと出発しろ!」と、命令。ジニは片思いのヨングクがまだ乗っていないため待ってくれと頼むが聞き入れてもらえません。

走り出していた列車になんとか乗り込んだソグ、サンファ、ヨングクの3人は13号車。

決死行

スアンたちを救出するため、3人は感染者を蹴散らしながら9号車までたどり着きます。

 

 

そして彼女らを連れて今度は15号車に向かいますが、14号車で足止めされます。

ヨンソクが絶対に開けようとしません。ヨングクはジニに電話しますが、ジニが電話に出ないように男性乗務員らに押さえつけられていました。ヨンソクは鳴っているジニのスマホを壊します。

 

14号車ではサンファが必死に感染者の流入を防ぎ、ドアの隙間から顔を出して抵抗する感染者たちをソグがバットで殴ります。

しかしサンファが手を噛まれてしまいます。

 

なかなかドアが閉まらない中、サンファの体力が限界に近づきます。ゆっくり泣きながら近づこうとするソンギョンにサンファは「来るな!」と怒鳴ります。

ソンギョンに「行ってくれ」と言い、ソグには「俺のソンギョンをよろしく頼む」と伝えます。

 

ソグに連れられて先に行くソンギョンに「娘の名前はソヨン!いいな?」とサンファは言います。その次の瞬間ドアは壊されますが、襲ってくる感染者たちを意識のある間だけなんとか食い止めるサンファ。

 

 

その間にヨングクのおかげでなんとか15号車に入ることができます。しかしサンファとインギルは犠牲になります。

 

そして他の乗客から感染者あつかいされたソグ、スアン、ソンギョン、ジニ、ヨングク、ホームレスの6人はその先の連結部分に隔離されます。

 

姉のインギルを失ったジョンギルは、いつも周りの人のことばかり気にしていた姉の顛末がバカバカしく思えて、自らインギルがいる車両のドアを開ける。これにより15号車の乗客は全滅する。

 

ソグは部下に電話をかけます。そこでプサンは初期防衛に成功したこと、そして感染の発生元がユソン・バイオ社だと聞かされます

その会社はソグたちが不正な株取引の操作で業績を伸ばした会社でした。その事実を知ったソグは自分の犯した罪の重さに耐えられなくなっていきます。

旅の終わり

プサンに着く前に線路がほかの車両の脱線のために塞がれ、別の機関車で逃げようとする6人。

(ヨンソクと男性乗務員もトイレに逃げ込んで生きていたが、ヨンソクが乗務員を囮にして、自分だけ脱出する)

 

ジニはヨンソクに邪魔されて感染、ヨングクはジニに噛まれてこれまた感染。

 

ホームレスはスアンとソンギョンを助けるために自ら犠牲になる。

 

なんとか機関車にたどり着いたソグ、スアン、ソンギョン。しかしすでに乗っていたヨンソクは感染しソグは格闘中に噛まれてしまう。

 

機関室に入った3人。ソグはソンギョンにスアンの世話を頼み、スアンが嫌がるのを振り切って機関車から飛び降ります。

(後ろからは機関車を追って大量の感染者が走ってきていました。)

 

 

トンネル手前で機関車を止めるソンギョン。トンネルを抜ければプサンに入ります。しかし出口では軍人がライフルで構えています。

 

トンネル内で2人のシルエットしかわからなかった軍人は、彼女たちが人間なのかゾンビなのか判断しかねていました。そしてその軍人は司令部に狙撃するかしないかを仰ぎます。

 

司令部は狙撃を指示します。

 

軍人が撃とうとしたその時、トンネルから歌が聞こえています。

スアンはソグのために作り、最後まで唄えなかった歌を歌います。

 

軍人は2人が感染してないことを確認し2人は保護されます。

 

ホームレスは誰?

今回、気になったのはホームレスの存在です。キーポイントのようですが、「結局何だったの?」と思ってしまいました。

 

これについての監督インタビューを紹介する前に、この映画の前日譚を描いた「ソウル・ステーションパンデミック」の映像を少しお見せします。

ソウル。元風俗嬢のヘスンは恋人キウンにネット売春をさせられそうになって怒るが、ネットにアップされた画像を見たヘスンの父親だという中年男性はキウンに電話をかけ、娘と再会させろと迫る。

一方、ソウル駅の近くではホームレスの老男性が首の傷から流血しながら倒れる。老男性の弟はソウル駅の駅員たちを呼ぶが、老男性は消えてしまう。直後、老男性は人間を襲ってかみつく。

やがてヘスンやキウンも謎の感染者たちに襲われる。

引用:ウィキペディア

 

 

ヨン・サンホ監督は「ホームレス」の存在についてこう話しています。

「ソウル・ステーションパンデミック」はソウル駅が舞台ですが、ソウル駅というのは経済発展の象徴であり、その経済発展の道からはみ出してしまった人がホームレスになって、ソウル駅にいるのです。ソウル駅に行くと、一般の人はホームレスの人が見えていても見えていないふりをします。ゾンビの身なりや歩き方はホームレスに似ているものがあります。だとしたら、ソウル駅でホームレスを無視していた一般の人達は、ソンビが現れたときに果たしてその存在に気付くのか、というところからアイデアが広がっているのです。

『新感染~』でもホームレスのキャラクターは非常に大切な存在でした。ホームレス以外の登場人物はみな普通の人々です。公権力から阻害されている一般の人達がいて、ゾンビではないけれど一般の人でもないホームレスがいる。そういった状況で、果たして一般の人はホームレスを受け入れられるのか、また、それによってホームレス側の態度がどう変わっていくかを描きたかったんです。

確かに最初は感染者かもしれないと間違ってしまいそうになりました。

これを踏まえて、ヨンソクやほかの乗客がソグたちを感染者扱いし、助けようとしない彼らを怖いと言っているジニのシーンが生まれたんですね。

続編がある?

そして、4年後を描いた続編「新感染半島 ファイナルステージ」が2021年1月1日に日本公開となりました!

監督は、前作に引き続きヨン・サンホが務めており、荒廃した国からの脱出を試みる登場人物たちが描かれます。

これについてはまた後日にでも紹介します。

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