2回に分けて紹介した「アイ・アム・ア・ヒーロー はじまりの日」のその後を描いた作品です。
「アイ・アム・ア・ヒーロー」作品紹介
監督:佐藤信介
脚本:野木亜紀子
原作:花沢健吾「アイアムアヒーロー」
製作:山﨑倫明 / 城戸史朗
製作総指揮:山内章弘
出演者:大泉洋 / 有村架純 / 吉沢悠 / 岡田義徳 / 片瀬那奈 / 片桐仁 / マキタスポーツ / 塚地武雅 / 徳井優 / 長澤まさみ 他
公開:2016年4月23日
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「アイ・アム・ア・ヒーロー」あらすじ(ネタバレあり)
漫画家のアシスタントの鈴木英雄(大泉洋)は今日もブツブツと独り言を言いながら仕事していた。それをアシスタント仲間の三谷 (塚地武雅)に注意されている時、近くにあったTVでは、広島県で43歳の主婦が土佐犬を噛んだというニュースが流れていた。
英雄は15年前に新人が集まる大会で佳作を取って以来、漫画家の夢を諦められず、作品を描いては出版社に持っていき、でも結局掲載されないという日々を送っていた。
英雄は自分の名前の漢字が好きだったのか、名乗る時はいつも「ヒデオです。エイユウ(英雄)と書いてヒデオです」と言っていた。
英雄には同棲している34歳の恋人の黒川徹子( 片瀬那奈)がいたが、彼女はいつまで経っても漫画を描いている英雄に我慢できなくなり、英雄が趣味で持っていたクレー射撃用のライフルと一緒に英雄を部屋から追い出す。
徹子は「わたし、もう34なんだよ・・いつまで待てばいいの・・・10年?20年?」とドア向こうの英雄に泣きながら愚痴を言う。そんな徹子の左腕には包帯ば巻かれていた。
異変
次の日、女性アシスタント1人と漫画家の松尾 (マキタスポーツ)が同時に体調不良を訴える。女性アシスタントと松尾がデキていることを知っていた三谷がそのことを英雄たちに言い、風邪が伝染ったのだろうを思い込む。
その夜、徹子から英雄に電話が入り「やっぱり英雄と一緒にいたい」と弱々しく話す彼女に英雄は「テッコは悪くない!全部僕が悪いんだ!」とあやまる英雄。
翌朝、英雄は急いで徹子のアパートに行く。ドアには鍵が掛けられており、英雄が郵便入れから覗き込むと、徹子は奥のベッドで横になっていた。
「テッコ、開けてよ}という英雄の声に反応した徹子は起き上がるが、何か様子がおかしい・・・
徹子はドアを開けるやいなや英雄に襲い掛かってくる。ドアを必死に閉めようとする英雄。しかし徹子はドアをかじりながらも開けようとする。徹子の歯がドアをかじったせいでボロボロを抜けていく・・・
英雄は部屋の中に入れられ、徹子に噛まれるも歯がないために傷は負わなかった。徹子は突き飛ばされた拍子に頭をぶつけてそのまま動かなくなる。徹子を殺してしまった英雄はアパートを出て、その場から早く離れようとする。
仕事場に戻った英雄は玄関の靴が散乱していることに違和感を覚える。恐る恐る中を覗くと後ろ姿の三谷がいた。英雄がに呼びかけると三谷は「おお、無事だったか」と振り返る。三谷の服には血がついており、血まみれのバットを持っていた。
三谷はアシスタントの1人を殺していた。そこに現れた松尾も殴り殺す三谷。そこで英雄は噛まれたら感染すること、感染者の頭を破壊すれば動かなくなることを知る。
その後、三谷も足を噛まれていたため、発症しそうになるも自ら首を切って自殺、女性アシスタントも襲ってきたため、英雄は混乱しながらもそこから逃げ出す。
英雄が逃げている街中は感染者とそれから逃げる一般人でパニック状態にあった。
パンデミック
英雄は助けを求められた女子学生、早狩比呂美 (有村架純)とタクシーに乗ろうとするがそこに千倉 (風間トオル)という男が割り込んでくる。3人はとりあえずタクシーに乗り込んで走り出す。
しかし千倉は腕を噛まれていたため車内で暴れ始める。千倉は運転手を噛み、英雄にも襲いかかる。運転手と比呂美のおかげで千倉を車内から投げ下ろすが、今度は運転手が襲い掛かってくる。
英雄はタクシーがいずれ他の車と衝突することを想定して、比呂美にシートベルトをつけさせ、自分も同じようにする。案の定タクシーは前で走っていた車に衝突して大破するが、英雄と比呂美は奇跡的に無傷だった。
SNS上では、何故か富士山に登れば助かるという情報が多く出ていたため、とりあえず富士山を目指す2人。
「君を守る」
その夜、2人は寺の境内でお互いに自己紹介する。いつものように「僕に名前はヒデオって言います。エイユウと書いて英雄」と名乗る。
そして英雄は徹子にあげるつもりだったメロンパンを比呂美に半分渡す。代りに比呂美はIPODの音楽をイヤホン半分ずつで英雄に聞かせる。英雄に聞かせた歌を「昔お母さんがよく歌ってくれた」と言う無邪気な比呂美に戸惑いながらも悪い気がしない英雄。そしてそのまま野宿をする。
次の日、英雄が先に目覚めると、比呂美の首に噛まれた跡があることに気づく。驚いた英雄は持っていたライフルを比呂美に向ける。目を覚ました比呂美に傷のことを聞くと「赤ちゃんに噛まれた。私もZQN(感染者)になるかもね・・・殺していいよ」と再び目をつむる。
英雄はそんな比呂美を愛おしくなったのか、「大丈夫、ZQNなんかにならないよ。俺も噛まれたし。君は俺が守る!」と言う英雄にうなずく比呂美だった。
山の中をしばらく歩く2人。しかし比呂美の足取りは遅かった。
休憩を取っているときに比呂美はIPODとイヤホンを渡して「私を置いていって」と英雄に告げる。一緒に行こうとする英雄の前でZQNになった比呂美に驚き逃げるが、その先にも別のZQNがいた。そのZQNに襲われて絶体絶命の英雄。しかしそのZQNの首を折って英雄を助ける比呂美。
比呂美は英雄を襲うことはなかったが、何も喋らず、無表情のままだった。
英雄は比呂美にお礼を言ってその場を立ち去ろうとしたが、英雄は比呂美を置いていくことが出来ず、結局行動をともにすることになってしまう。
生き残り
その後数日、2人は山の中を歩き、「富士ロイヤルアウトレットパーク」に到着する。
そこで伊浦 (吉沢悠)をリーダーとする生き残りの市民たちと出会う。その中にはもと看護師の小田(長澤まさみ)もいた。
生き残った人たちはアウトレットパークの屋上にそれぞれテントを立てて生活していた。
小田は比呂美のことを聞き、「見ず知らずの病気の人を助けるなんてかっこいいね。私にはできなかった」と英雄に告白する。
比呂美は相変わらず何も喋らず、無表情だったが、英雄が寺の境内で聞いたIPODの曲を口ずさむと比呂美は微笑み、その笑顔は以前の比呂美そのものだった。
リーダーの伊浦は物腰は優しかったが、本性は冷酷非道で簡単に人を殺しかねない危険な人物だった。伊浦が「ライフルを渡せ」と英雄に要求、それを拒否すると比呂美の命はないという伊浦。
そのグループの1人、サンゴ( 岡田義徳)は比呂美を自分のものにしようとするが、そこにやってきた英雄はサンゴに銃を向ける。結局サンゴは比呂美の常人ならざる力でねじ伏せられる。
比呂美がZQNだと知った伊浦は比呂美にボーガンを向ける。それを撃たせまいと伊浦にライフルを向ける英雄・・・
伊浦は比呂美の頭をボーガンで撃ち、彼女はその場で倒れてしまう。英雄は結局何も出来ないままに捕まり、伊浦たちに袋叩きにあってしまう。その最中サンゴが比呂美をものにできなかったのは伊浦のせいだとして反旗を翻し、他の仲間達もそれに同調。これによって伊浦とサンゴの立場が逆転する。
比呂美にはまだ脈があった。
「ZQNではあるが、どのタイプとも違う」と言う小田。小田は比呂美を連れて一緒に逃げようと言うが、比呂美を助けることが出来ず、ライフルも奪われた英雄は、まるで自分の存在を否定するかのように今までの人生を悔い、「ごめんなさい・・・比呂美ちゃんのこと、お願いします」と謝るだけだった。
伊浦、サンゴ、アベ(徳井優)らとともに食料調達の為に真っ暗の地下駐車場に入る英雄。伊浦はサンゴに使われる身となっていたが、暗闇に乗じてその場を密かに離れて警備室へ行く。サンゴたちが食料倉庫にたどり着いたのを監視カメラで確認すると電気を一斉につけて音楽を大音量で流し始める。
それに気づいたZQNたちがサンゴたちを襲い始めた。英雄は逃げ遅れ、とりあえずロッカーの中に身を隠す。
その頃、もとハイジャンパーだったZQNが屋上まで到達して、そこもパニック状態に・・・
ロッカーの外にあるトランシーバーから小田の声が聞こえてくる。「もしもし、誰か応答して!屋上は全滅した」
屋上には小田と比呂美しか生き残っていなかった。
ロッカーの外に2人のZQNがいたために出るに出れない英雄。トランシーバーから聞こえてくる小田の「メガネ(英雄のあだ名)!私に助け求めないで比呂美は自分で助けろ!」という言葉を聞いた英雄は意を決してロッカーの外に出て、2人のZQNを蹴散らす。そしてトランシーバーと手にとって「今から行きます、助けに行きます」と応答する。
ヒーロー
屋上から比呂美をおぶって降り、駐車場に入った小田は伊浦と合流する。伊浦は自分の車に乗って逃げようと言うが、その伊浦もZQNと化していた。
伊浦に追いかけられる小田。比呂美をおぶっていたせいで疲労困憊の小田のトランシーバーから聞こえる英雄の声。「ヤブさん(小田のあだ名)伏せて」
小田の視線の先にはライフルを構えた英雄がいた。小田が避けると英雄は躊躇なく伊浦の頭を吹き飛ばす。
生きていたサンゴ、アベと合流した英雄たち。しかし逃げ道は無くなっていた。
英雄はありったけの弾でZQNたちの頭を撃ち始める。小田、サンゴ、アベもZQNたちに向かっていった・・・
サンゴとアベはZQNに噛まれて死亡。英雄は次々とZQNたちの頭を吹き飛ばすが、それでも全滅しない。
疲労困憊の英雄は座り込み、そして片手斧で戦っていた小田ももうそれを持つ腕力が残っていなかった。
それでも英雄は立ち上がり、1人で弾を撃ち続ける・・・そして50人以上いたZQNたちを全員始末する。
しかしまだ最後の1人、ハイジャンパーが走ってくる。最後の3発を使い切ってそれを撃破・・・したと思ったが、まだハイジャンパーは立ち上がる・・・
ハイジャンパーは英雄ではなく、小田たちに向かって走っていく。その頭を横からライフルの取っ手をバット代わりにして粉砕する英雄。
その光景を見た比呂美は小さな声で「ヒーロー・・・」とつぶやく。
秀雄たち3人は伊浦の車に乗って脱出する。車内で小田から名前を聞かれた英雄は「僕の名前はヒデオです・・・。ただのヒデオです」と答える。
「アイ・アム・ア・ヒーロー」感想
めくるめく、そして怒涛の展開・・・比呂美がこれからどうなるのか?原作を読んでいない私は少し気になりますが、そんなこと気にならないくらいの面白さでした。
最後に1人で撃ちまくる英雄はたしかにかっこよく、クライマックスとしては盛り上がったのではないでしょうか。
何と言っても有村架純さんが可愛かった・・・です!!