ロバート・ロドリゲスのデビュー作で代表作でもある「マリアッチ3部作」の第1作目。
「デスペラード」の主人公マリアッチは何故ギターケースを武器にするようになったのか?
『エル・マリアッチ』
ギターケースを落としただけなのに。予算不足を若き監督自身の工夫と頑張り、人脈とで乗り越えた結晶とも。笑いも容赦無しもある展開、個性的な小道具、苦味も力強さもある締め、後の監督作品にも見られる要素も既に詰まった銃闘活劇ちょっとマカロニ風味。#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/uqgxTao7TZ— サド和尚 (@sadist_monk) July 29, 2019
「エル・マリアッチ」作品紹介
監督:ロバート・ロドリゲス
脚本・ロバート・ロドリゲス
制作:ロバート・ロドリゲス / カルロス・ガラルド
出演:カルロス・ガラルド / コンスエロ・ゴメス / ピーター・マルカルド 他
公開:1993年2月26日(アメリカ) / 1994年2月24日(日本)
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「エル・マリアッチ」あらすじ(ネタバレあり)
強盗で捕まっていたギャングのアズールは、刑務所内の扇風機のある部屋で携帯電話を使い、手下に仕事を指示していた。
(賄賂を渡せば、刑務所内でもだいたいの事は許してくれていた)
昔、一緒に仕事をしたモーリシオはその時に得た金で優雅に暮らしていた。アズールはモーリシオに電話し、金を使って早く出してくれとせがむ。
モーリシオは刑務所に手下たちを送り込み、アズールを消そうとする。しかしアズールは銃を持っており、手下たちを返り討ちにする。
迎えに来たアズールの手下から、ギターケースに入った多くの武器を受取り、モーリシオを探しに行く。
間違えられた男
同じ頃、ギターケースを持った流しの歌手・エル・マリアッチは仕事を探していた。とあるバーに入ったマリアッチは「バーテンとして雇ってくれ」と言うが断られる。
マリアッチが去った後すぐ、ギターケースを持ち、黒いシャツに黒いジャケットを着たアズールがやってくる。そのバーのオーナーがモーリシオだったためにアズールはそこを訪れたのだった。
そこにいた数人の客がモーリシオの手下なのを知ったアズールは、その手下を皆殺しにする。
バーテンから連絡を受けたモーリシオは殺し屋にアズールの始末を頼む。その殺し屋は知り合いであるホテルのオーナーに「黒いギターケースを持った黒い服の男を見つけたら連絡しろ」と伝える。
マリアッチは女店主のドミノの店でも雇ってくれないかとお願いするも断られてしまう。
肩を落として、たまたま宿泊のためにホテルに来たマリアッチ。彼は白いシャツに黒いジャケットを着ていた。
マリアッチが部屋に行ったのを見計らって、ホテルのオーナーはすぐに殺し屋に連絡する。殺し屋は手下たちを連れてすぐにホテルにやってくる。
そこで当然襲撃を受けるマリアッチ。なぜ命を狙われているのかわからず、とにかく逃げるマリアッチ。彼は追われながらも、正当防衛でその手下たちを殺してしまう。
マリアッチはドミノの店の奥でかくまってもらうことになる。
間違えたギターケース
何日か一緒に暮らすうちに2人はお互いに惹かれていくようになる。
ドミノはモーリシオに気に入られ、店を持たせてもらっていた。そしてアズールがドミノの店を訪ねる。
ドミノが留守でバーテンだけだった為、アズールは出直すことにする。その時に間違えてマリアッチのギターケースを持っていく。
マリアッチはギターを取り戻そうと、銃の入ったギターケースを持ってアズールを探す。
その後、殺し屋に見つかって囲まれたアズール。そのときにアズールもギターケースが違うことに気づく。そこにたまたま居合わせたマリアッチが殺し屋に見つかり、またしても追われる羽目になるマリアッチ。それを見たアズールはどさくさに紛れてその場から逃げ出す。
追手を振り切り、ドミノの店に帰るマリアッチ。
マリアッチの怪我を手当している時にモーリシオから「会いたい」と電話が入る。マリアッチが居ることを言えないドミノは適当な理由をつけて電話を切る。
翌日、新しいギターを買いに町に出ていたマリアッチは殺し屋に捕まり、気絶させられる。殺し屋は嬉しそうにモーリシオのもとへ連れていくが「違う」と言って、満足に仕事ができない殺し屋をバカにする。
マリアッチが道端で開放された頃、アズールがドミノに、マリアッチが捕まったことを伝える。ドミノはマリアッチを助けたい一心で、アズールと一緒にモーリシオの住む農場に向かう。
間違えられた女
アズールは農場に着くと、道案内してくれたドミノを人質にとって、金を渡すようにモーリシオを脅す。ドミノに惚れていたモーリシオは困惑したが、ドミノがマリアッチの心配ばかりしたため、裏切られたと思い、ドミノを撃ち殺す。
そして人質を殺されたアズールも撃ち殺される。
農場にたどり着いたマリアッチはドミノの遺体を見て悲しむ。モーリシオに銃を向けられ両手を上げるも、左手を撃ち抜かれてしまう。
そして笑いながらドミノをけなしたモーリシオに殺意を抱いたマリアッチは、アズールが持っていた銃でモーリシオを撃ち殺す。
モーリシオにバカにされていた殺し屋は何もせず、ただ見ているだけだった。
そしてマリアッチはバイクに乗って、どこかへ消えていった・・・
「エル・マリアッチ」感想
アントニオ・バンデラス主演の「デスペラード」や「シン・シティ」「マチューテ」などで有名なロバート・ロドリゲスの監督デビュー作でした。
お金がなかったロドリゲス監督は新薬の臨床実験のアルバイトなどでなんとか7000ドルを稼ぎ、この映画を制作します。
正直、デスペラードの源流が流れていると思ってただけに雰囲気こそデスペラードのようなラテンなガンアクションって感じだけど、街を転々とするマリアッチが容姿が殺し屋に似てるからメキシカンギャングに追われる巻き込まれ型アクション。
「デスペラード」知ってる人にとっては、なんとも消化不良の作品。前日譚だと思えばなんとか見れるけど・・・
当然、ヒットはしなかったけど、映画業界内では完成度の高さが有名になり、続編の「デスペラード」を作ったり、「パルプフィクション」などを手掛けたクエンティン・タランティーノ監督とタッグを組んで、多くの作品を作っています。
続編にあたる『デスペラード』では主役のエル・マリアッチをアントニオ・バンデラスが演じており、本作でマリアッチを演じていたカルロス・ガラルドーはマリアッチの仲間の一人である二丁マシンガン使いのカンパ役として再出演しています。