「ドラゴンvs7人の吸血鬼」あらすじとネタバレ 「霊幻道士」の原型となった中国版ゾンビはジャンプしない?

アクション(洋画)

1974年、イギリスのハマー・フィルム・プロダクションと香港のショウ・ブラザーズ共同制作の映画です。主演のピーター・カッシングはドラキュラの宿敵、ヘルシング教授して数々の映画に出演している名優です。

古典派ホラーとカンフーアクションを融合させた怪作で、後の『霊幻道士』等香港ホラーの始祖とされています。

「ドラゴンvs7人の吸血鬼」作品紹介

監督:ロイ・ウォード・ベイカー / チャン・チャー

脚本:ドン・ホートン

製作:ドン・ホートン / ヴィー・キング・ショウ

出演者:ピーター・カッシング / デビッド・チャン 他

公開:1974年7月11日(香港) / 1974年10月6日(イギリス) / 1974年11月16日(日本)

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「ドラゴンvs7人の吸血鬼」公開までの経緯

この作品は制作したハマー・プロダクションの”ドラキュラシリーズ”の最終第9作になります。それまでの8作は、

吸血鬼ドラキュラ (1958年) 

吸血鬼ドラキュラの花嫁 (1960年)

凶人ドラキュラ (1966年)

帰って来たドラキュラ (1968年)

ドラキュラ血の味 (1970年)

ドラキュラ復活・血のエクソシズム (1970年)

ドラキュラ’72 (1972年)

新ドラキュラ/悪魔の儀式 (1973年)

となっています。

戦後のクラシックホラー映画の黄金期を築いたハマー・フィルムも、1970年代に入り業績が停滞、新機軸として香港のショウ・ブラザーズと提携し、『燃えよドラゴン』以降、世界的にブームを起こしていたカンフー・アクション映画とホラー映画の融合を試み、本作が企画された。

ハマーの看板スターとして数々の怪奇映画に主演してきたピーター・カッシングが主演。彼が当たり役として演じてきたヴァン・ヘルシングが中国に渡り、香港の主演スター、デビッド・チャン演じるカンフー青年とその兄弟達と共に、吸血鬼達とゾンビ軍団、その黒幕であるドラキュラと闘う内容。ホラーとカンフー、更に西部劇や『七人の侍』のエッセンスまで取り入れたホラーアクション活劇で、ホラーファンや専門家の間でも、傑作か駄作かの評価が極端に分かれる。

元々はヘルシングがカンフー兄弟と共に中国の吸血鬼と闘う内容で企画され、ドラキュラの登場予定はなかった。しかし香港サイドの要望で後からドラキュラを絡ませたため、ストーリーに大きな矛盾が生じてしまった。

引用:wikipedhia

しかしそんな世界観もたまにはアリではないでしょうか!

 

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「ドラゴンvs7人の吸血鬼」あらすじ

 

 

ある村の寺院の僧侶・カーがドラキュラ伯爵の元を訪れる。

目を覚ましたドラキュラにカーは、「私が住んでいる寺には昔、7人の吸血鬼がいました。その頃は村人が恐れ、そして寺院を敬ってくれた。しかし7人の吸血鬼が眠りに入ってしまい、村人は怖がらなくなり寺院も敬ってくれることが無くなった」と嘆き、「7人の吸血鬼を長い眠りから目覚めさせてほしい」と吸血鬼に懇願する。

 

「人間の指図は受けない」と言いながらも、夜しか行動できない不自由な生活から抜け出したかったドラキュラ伯爵はカーの身体を奪い、外見は僧侶のカーだが、中身はドラキュラ伯爵という状態になる。

 

 

 カーは7人の吸血鬼を蘇らせて、7人の生贄の娘達をさらって儀式をしようとしていた。

 

その生贄の1人を助けようとした村人は娘の奪還には失敗するが、吸血鬼が持っていたコウモリのペンダントを盗み出す。

 

吸血鬼たちとゾンビたちに追われる村人。逃げ切れなくなった村人はそのコウモリのペンダントを道端の仏像にかける。その村人は吸血鬼に殺され、その吸血鬼はペンダントを取り戻そうと仏像に手をかけるが、触った途端に吸血鬼の身体が焼かれて死んでしまう。

7人の兄弟とヘルシング

その話が言い伝えになるほどの時代が進んだある日、ドラキュラ伯爵と戦った過去があるヴァン・ヘルシング教授は、その言い伝えがある中国にて研究を進めるために大学で吸血鬼についての講演をする。

 

 

ヘルシング教授はその勇敢な村人の話をするものの、学生たちはその話を信じようとはしなかった。皆が講演途中にも関わらずどんどん教室から出ていった。

1人の学生だけはヘルシング教授の話を真剣に聞いていたが、彼も遅れて出ていった。その学生はシ・チンといい、吸血鬼の1人を道連れに死んでいった村人の孫だった。

 

 

シ・チンはヘルシング教授の家を訪れ、自分が孫であることを明かし、未だに吸血鬼に支配されている村を一緒に救ってほしいと頼む。

 

シ・チンには他にも6人の兄弟がおり、皆、武術に優れていた。しかしその村に行くには馬や食料、道具を買うお金が必要だった。

そんな時、ヘルシング教授の息子レイランドが、パーティーでナンパした伯爵未亡人のブレンと一緒に帰ってくる。ヘルシング教授の研究に興味があったブレンは必要経費をすべて出す代わりに、自分も連れて行くようにと言ってくる。

 

そしてヘルシング教授とその息子レイランド、シ・チンと6人の兄弟(男5人と妹1人)、ブレンは吸血鬼退治の旅に出ることになる。

 

総力戦

旅の途中で泊まった洞窟で3人の吸血鬼に襲われた一行。しかしシ・チンの兄弟たちによって吸血鬼たちは倒される。そんな旅を続けていくうちにシ・チンとブレン、そしてシ・チンの妹とレイランドがいい雰囲気になる。

 

カーの寺院に着いた一行。残りの吸血鬼3人とゾンビたちとの総力戦となる。

 

シ・チンの兄弟3人がやられ、ブレンも吸血鬼によって首を噛まれてしまう。吸血鬼となったブレンをしかたなく殺すシ・チン。しかし彼もブレンの攻撃を受けている時に噛まれたために、吸血鬼になるのは時間の問題だった。シ・チンはブレンのそばで自ら命を落とす。

そしてヘルシング教授は、最後に残ったカーの心臓にヤリを突き刺して、カーの身体にとりついていたドラキュラは灰となって消える。

 

 

「ドラゴンvs7人の吸血鬼」感想

これがあの伝説的ホラー「吸血鬼ドラキュラ」のシリーズ最終作とは思えないほどのB級感。ハマープロ自体がB級っぽい映画も作っているのでそれはいいのだが、ホラーというおどろおどろしい怖さがまったく無いのである。

吸血鬼たちも血を吸う場面がほとんどない。仮面を被った人がカンフーで対決するので、吸血鬼の意味がない。

ゾンビもショッカーの構成員のようにカンフーで戦うだけ。しかしこれは後のキョンシーの原型になったそうなので、その貢献には一役買っている。しかしジャンプはしない・・・ソソーっと早歩きするのが何かこっけいだった。

最後にヘルシング教授と吸血鬼が戦うのが唯一それっぽいが、それもほんの1分ほどで決着する。やはりドラキュラを登場させるつもりがなかったからか、最初と最後にしか出てこないドラキュラには違和感がありすぎる。

 

結果的にこれ以降はハマープロは吸血鬼映画は作られていない・・・

ハマー好きな私にとっては残念である!

 

それでも・・・こういうB級感、そんなに嫌いじゃない(笑)

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