「恐怖の雪男」あらすじとネタバレ 一攫千金を夢見て雪男を探す探検隊の悲劇

スリラー(洋画)

本作製作の6年前、1951年に探検家シプトンが鮮明な足跡の写真撮影に成功、ヒマラヤの雪男”イェティ”として話題を集めたナゾの獣人探索を扱った秘境冒険映画です。

監督は特撮SF「原子人間」(1955年)や「恐竜時代」(1970ん年)のヴァル・ゲスト。

出演はハマー・フィルム・プロダクション製作のフランケンシュタインやドラキュラシリーズに代表されるクラシックホラー映画の大スター、ピーター・カッシングです。

「恐怖の雪男」作品紹介

監督:ヴァル・ゲスト

製作:オーブリー・ベアリング

製作総指揮:マイケル・カレラス

脚本:ナイジェル・ニール

音楽:ジョン・ホリングスワース

出演:フォレスト・カッター / ピーター・カッシング / モーリン・コーネル / リチャード・ワティス / ロバート・ブラウン 他

公開:1957年(イギリス)

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「恐怖の雪男」あらすじ

 ヒマラヤ山中の寺院がある村で、植物学者ジョン・ローラソン博士は、現地の植物の研究を行っていた。

 

彼は一緒に来ていた妻のヘレンと助手のフォックスには黙っていたが、植物研究をしに来たのではなく、じつは雪男の捜索のためにヒマラヤに来ていた。しかしそれは学術研究の為であった。 そしてあとから来るであろうフレンド登山隊を待っていた。

リーダーのフレンドは雪男の歯(高僧によると作り物であるようだ。)や足跡が見つかっていることを主張するも、ヘレンはクマやゴリラだろうと反論する。

 

高僧ラマも登山に反対するが、ローラソンとフレンドらは登山を開始する。

 

登山隊のメンバーはリーダーのフレンド、エド、マクニー、現地ガイドのクサン、そしてローラソン博士の5人である。

雪男を探しに

ローランソンは雪男の観察だけのつもりだったが、フレンドたちは捕まえて金儲けをしようとしていることを知る。

 

山でつかまえたヒマラヤ猿を雪男だと言う現地のガイドのクサンに乗っかり、その猿を雪男として宣伝しようとするフレンド。彼は過去に少年にわざと喋れないフリをさせて狼少年として宣伝したりと詐欺師まがいなことをやっていた。

 

そんなフレンドに腹を立てたローラソンはテント内で彼と喧嘩になる。

そんな時、 外から猿の鳴く声が聞こえてくる。外に出てみると猿を入れていた大きなオリは壊され、捕まえていたヒマラヤ猿もいなくなっていた。そして側には直径50〜60センチはある大きな足跡が残っていた。

 

周辺を探していた頃、クサンと雪男用の罠に引っかかって負傷していたマクニーは人間の2倍ほどある雪男の手を見てしまい、クサンは半狂乱になって1人で山を降りていく。動けなかったマクニーはは精神病者のように奇声をあげたりで、目は開いているが意識がない状態になる。

 

外で雪男を見かけたフレンドとエドはそれに発砲。少し歩くと3メートルほどの雪男が撃たれて死んでいた。

 

その頃、村にクサンがフラフラと衰弱した帰ってきた。そのクサンが村人に連れて行かれる所を目撃したヘレンは、何があったのか高僧ラマに聞きに行く。

しかしラマはクサンは帰ってきていないと嘘をつき、登山隊は恐らく帰ってこないとヘレンに言う。

ヘレンは自力でローラソンのもとに行くことを決意。現地ガイド4人とフォックスを加えた6人でローラソンたちのあとを追う。

死んでいくものたち

雪男の死体を洞窟に運んでいた時、テントで意識が戻っていたマクニーの声を聞く。その後マクニーは他の雪男を目撃して、足を負傷しているにも関わらず雪をかき分け、それを追っていた。しかし崖から落ちてしまい死亡する。

 

ローラソンとフレンドはテントで待機し、エドはそのテントから見える位置にあった洞窟内に罠をはり、他にいるであろう雪男たちが来るのを銃を持って待ち伏せる。

しかし生け捕りにしたかったフレンドが銃の弾を空にしていたことをエドは知らなかった。そこにやってきた雪男たち。エドは必死に撃とうとするも弾は出ない・・・

 

洞窟の異変に気づいたローラソンとがフレンドがそこに向かうと。エドがあまりの恐怖のために心臓発作で死んでいる所を発見する。ローラソンが銃に弾が入っていないことを知ると、「エドを殺したのは君だ」と非難する。

 

ローラソンはラマから伝えられた言葉「謙虚さを忘れるな」をフレンドに教え、「人類は思い上がって破壊を繰り返した。絶滅しつつある雪男も人類を怖がっている。生かすために秘密にしよう」とフレンドに話す。

 

そしてローラソンは壊れているラジオから天気予報、フレンドは死んだエドの助けを呼ぶ声を聞く。2人は高山病による幻聴が聞こえていた。

 

フレンドは半狂乱になって、外で銃を撃ちながら「エド、何処だ?今度は助けてやる」と叫ぶ。

 銃を撃ったせいで雪崩がおき、それに巻き込まれるフレンド。

 

雪崩が収まり洞窟から出たローラソンはフレンドを呼ぶも、応答はなかった。

諦めて洞窟に帰ってきたローラソンは雪男の死体を取り戻しに来た他の雪男2匹に遭遇する。

 

翌日、その洞窟にたどり着いたヘレンたちは外で立ったままで凍死寸前のローラソンを発見する。

 

助かったローラソンは高僧ラマに「私たちは間違っていた。存在しないものを探していた」と言い、高僧ラマは「雪男はいないのだ」とローラソンに言う。

 

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「恐怖の雪男」感想

 

この頃は冒頭で話した1951年にイエティが発見されたとの報道から、各国で捜索隊が編成されて、ヒマラヤは大騒ぎだったそうです。

この映画はそれに乗っかりながらも、もしいたと仮定した上で「雪男は危害を加えたわけじゃない、人間を怖がっているからそっとしておいてあげよう」というメッセージが込められているように思います。

人間は多くの動物を絶滅させてきました。そんな世界に警鐘を鳴らす一本です。

でももしいるなら見てみたいのも人間の好奇心ですが・・・

 

映画で雪男はほとんど出てきません。題名が「恐怖の・・・」とありますが結局フレンドたちの傲慢さによる自業自得のお話でした。

舞台である雪山をセットとロケーションで使い分けているのでしょうが、雪山の険しさが十分に伝わってくるような映像に仕上がっていて臨場感がありました。

この映画の原題名は”The Abominable Snowman”なのですが、これで「(ヒマラヤの)雪男」という意味なんだそうです。”恐怖”なんてつけてるから逆に失礼ですね。

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