「バルカン超特急」あらすじ 消えた老婦人の行方と恋の行方・・・

映画

まだヒッチコックがイギリスにいたころの代表作の一つです。

この映画が大ヒットしたため、ハリウッドの映画プロデューサー、デヴィッド・O・セルズニックの目にとまり、ヒッチコックはアメリカに渡ることになります。

 

「バルカン超特急」作品紹介

監督:アルフレッド・ヒッチコック

脚本:シドニー・ギリアット / フランク・ラウンダー

原作:エセル・リナ・ホワイト「The Wheel Spins」

製作:エドワード・ブラック

出演者:マーガレット・ロックウッド / マイケル・レッドグレイヴ  他

公開:1938年12月25日(イギリス) / 1938年11月1日(アメリカ) / 1976年11月13日(日本)

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「バルカン超特急」あらすじ(ネタバレあり)

お金持ちのアイリス・ヘンダーソンとその友達2人は、バンドリカ(ヨーロッパの架空の国)からロンドンへ向かおうとしていた。しかし雪崩のため列車は立ち往生。彼女らは駅近くのホテルに一泊することになる。

アイリスはロンドンの名門の家に嫁ぐことになっていたために、結婚前の独身最後の旅行を楽しんでいた。

ホテルにて

同じく、カルデッコットとチャータースも部屋を取ろうとするが、どこも満室でメイド部屋しか空いていない状況。仕方なくそこに泊まることになり、食堂に向かう。

しかし宿泊客が多すぎて食事も売り切れ、2人は途方に暮れる。相席していた老婦人フロイからチーズをもらうものの、フロイの早口な喋りに圧倒される2人。彼らはロンドンで行われるクリケットの試合を観に行こうとしていた。

 

フロイはアイリスの隣の部屋に泊まっていた。ホテルの外にはギターの弾き語りがおり、そのギターと歌声を心地よく聞いていたフロイ。

しかし上の階からの騒音で台無しになってしまう。

それはアイリスも同じで、廊下に一旦出たアイリスはフロイをばったり会い、そこで知り合いになる。

ギルバートとの出会い

アイリスは支配人に、「上の階の演奏をやめさせてくれ」と連絡を入れる。上の階にいたギルバートは一旦部屋を追い出されたため、アイリスの部屋に勝手に入ってくる。

ひょうひょうとして傍若無人なギルバートと一緒に居るのが嫌だったアイリスは、仕方なく元の部屋に戻るように言い、そのことを支配人に連絡する。

 

フロイは自室で弾き語りを聞いていた。しかしその弾き語りは何者かに首を絞められて殺されてしまう。歌声が聞こえなくなったことを少し気にするフロイ。

 

翌日、アイリスとフロイが駅で一緒にいる時に、アイリスの頭上に植木鉢が落ちてくる。意識朦朧の中でなんとか列車に乗リこむも、その後すぐに気を失ったアイリスは同じコンパートメントだったフロイに介抱される。

 

そのコンパートメントには他にイタリア人のマジシャン親子と男爵夫人が乗っていた。

 

意識を取り戻したアイリスはフロイと食堂車へ行く。お茶を2つ注文したフロイは鞄からハーブティーの葉を出してきて。「これを入れて」とウェイターに頼んだ。

 

アイリスは自己紹介し、フロイも名乗ろうとするが、汽笛の音でよく聞こえなかった。フロイはガラス窓に”FROY”と書いて、アイリスは彼女がフロイだと認識する。

 

席に砂糖がなかったので、隣でクリケットの試合の話をしていたカルデッコットとチャータースから砂糖をもらう。チャータースは話の腰を折られて少し不機嫌になる。

昼食の予約をした2人は一旦コンパートメントに戻り、アイリスはそのまま眠ってしまう。

フロイは何処へ?

アイリスが目を覚ますと、フロイの姿がない・・・

 

「何処に言ったか知ってますか?」と、同じコンパートメントにいた乗客に聞いても、「老婦人なんか知らない。あなた1人だった」と言われてしまう。

 

別の車両を探すも、フロイはいない。お茶を出したウエイターに尋ねるも「1人だった」と言われ、その時の伝票もアイリス1人分しか書かれていなかった。

 

アイリスはギルバートと再会する。「困っている女性はほっとけない」と言い、老婦人探しを手伝ってくれることになる。

 

脳外科医のハーツとも知り合い、カルデッコットとチャータースに話を聞こうとするアイリス。

 

列車を止めてでも探すと話している彼女見かけたカルデッコットとチャータースは、クリケットの試合に間に合わなくなる事を危惧し、「老婦人なんて知らない」と嘘をつく。

食堂車へ行くときにフロイがぶつかったカップルも、不倫真っ最中だったため、騒ぎが大きくなると困ると考えて「知らない」と言い張る。

 

ハーツはアイリスが頭を打ったために記憶が混乱しているのだと結論付ける。

 

偽物

途中の駅に着いて、ハーツの患者が頭部を包帯で巻かれた状態で列車に乗せられてくる。その患者には尼僧も付き添っていた。

その駅でフロイらしき人物が降りる様子はなかった。

 

同じコンパートメントの乗客から、「あなたの友達が帰ってきた」と聞かされる。アイリスはフロイだと思って喜んだ。しかしその女性は別人だった。

 

同じコンパートメントの乗客も、不倫真っ最中のカップルからも「その人だ」と言われたアイリスは頭が混乱し、すべての人がフロイに見えてしまう幻影を見る。

 

自分が見たフロイは幻影で、すべて忘れようとするアイリス。しかしギルバートと食堂車でお茶をしていた際に窓ガラスに書かれた”FROY”の文字を見つける。彼女は「誰かがフロイを隠した」と叫び、緊急ブレーキのレバーを引く。そして彼女はまた気を失ってしまう・・・

捜索

止められた列車は10分後に再び動き出した。

ハーツはアイリスに入院を勧める。しかしギルバートはたまたま調理人がゴミを捨てる所に出くわし、その中にハーブティーの紙があることに気づく。

アイリスとギルバートは貨物室でフロイのメガネの残骸を見つける。それを拾っている時に同じコンパートメントの乗客のイタリア人マジシャンに襲われる。

なんとか捕まえるも、あっさり逃げられてしまう2人。

 

アイリスたちはハーツに協力してもらおうと、彼の部屋に行く。そこには運ばれてきた患者と尼僧がいた。アイリスは尼僧がハイヒールを履いていることに違和感を覚え、強引に患者の包帯を取ろうとする。

そこに入ってきたハーツに一喝され、事情を話すとハーツは「食堂車に行こう」と進められる。

黒幕

アイリスたちを先に食堂車に行かせたハーツは尼僧から「何故バレたのかしら」と言われる。

包帯の患者こそフロイであり、ウェイターもハーツの仲間の1人だったのだ!

 

 

ウエイターに頼んで薬入り(意識不明になる)のブランデーを2人に飲ませたハーツはあっさりと自供。

気を失ったフリをした2人を見て安心し、マジシャンや伯爵婦人などに報酬を渡しに行く。

その間にギルバートたちはフロイがいる客室に突入、尼僧は「同じ英国人だから」という理由で2人に協力し、無事フロイを助け出す。

 

ハーツはナチスの人間で、フロイはドイツに送られていたイギリスのスパイだった。それを知り、イギリスに帰ろうとしていたフロイを拉致したのだった。

 

逃げられたことに気づいたハーツは軍の人間の協力で、ギルバートたちを殺そうとする。その騒ぎに巻き込まれた不倫カップルとカルデッコットとチャータース。

 

銃撃戦の最中、フロイは自らの正体を明かし、ギルバートに暗号になっているメロディを聞かせておぼえさせる。その後、決死の覚悟で列車から逃げ出す。(その後の生死は不明になる)

 

なんとか逃げ出したギルバートたち。

ギルバートとの別れの時、アイリスは駅に迎えに来た婚約者から、つい身を隠してしまう。それをみたギルバートはアイリスにキスをする。

 

フロイから託された暗号を伝えるために外務省に赴くギルバートたち。しかし直前になってメロディを忘れてしまう。

 

しかしドアのむこうからからそのメロディを奏でるピアノの音が聞こえてくる。

そのドアを開けると、無事に外務省にたどり着いたフロイがピアノを弾いていた。

 

 

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「バルカン超特急」感想

原題は「The Lady Vanishes 」で”女性が突然消える”という意味です。「バルカン超特急」という単語が一切出てきていないため、なんとなくの雰囲気で付けた題名みたいですね。

ミステリー、サスペンス、恋愛模様も織り交ぜた作品で、さらに90分弱という短い時間で作っているので非常にスピーディで飽きさせない内容だったと思います。

カルデッコットとチャータース

さて、あらすじにほとんど関係していなかったカルデッコットとチャータース。

でも結構(全体の2割くらい)登場していました。

この2人を演じているノウントン・ウェインとベイジル・ラドフォードが演じたイギリス人の乗客二人は、1940年のキャロル・リード監督の「ミュンヘンへの夜行列車」(プロデューサーが本作と同じエドワード・ブラック)で、ほぼ同じ役で再登場しています。

その他の映画「夢の中の恐怖」(DEAD OF NIGHT、1945年)にも出演している他、日本では公開・発売されていない9作の映画にコンビで出演しており、またBBCで二人が出演するラジオドラマシリーズにもなったそうです。

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