「焼肉ドラゴン」あらすじ 悲しくもちょっとおかしくて壮絶な在日韓国人家族の物語

映画

兵庫県出身の在日韓国人、鄭義信さんの演劇作品です。

日本の新国立劇場と韓国の芸術の殿堂によるコラボレーション作品であり、鄭と梁正雄の演出により2008年に両劇場で上演された後、2011年に日韓両国で再演、そして映画化されたのがこの作品です。

 

「焼肉ドラゴン」作品紹介

監督:鄭義信

脚本:鄭義信

原作:鄭義信「焼肉ドラゴン」

製作:森重晃 / 清水啓太郎(企画・プロデューサー) / 江守徹(企画プロデューサー) / 佐々木弘毅(企画プロデューサー)

製作総指揮:小西啓介(エグゼクティブプロデューサー・製作統括) / 堀内大示 / 巖本博 / 畠中達郎 / 本間憲 / 岡田美穂 / 高橋一仁 / 岩崎アキ子 / 三宅容介 / 梅川治男 / 加茂克也(製作統括)

出演者:真木よう子 / 井上真央 / 大泉洋 / 桜庭ななみ / 大谷亮平 / ハン・ドンギュ / イム・ヒチョル / 大江晋平 / 宇野祥平 / 根岸季衣 / イ・ジョンウン / キム・サンホ 他

公開:2018年6月22日

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鄭 義信(チョン・ウィシン/てい よしのぶ)さんとは・・?

監督、脚本、原作を担当している鄭 義信さんとは、どんな方なんでしょう?

鄭 義信さんは韓国籍ですが、兵庫県姫路市出身の劇作家、脚本家、演出家です。

同志社大学文学部中退後、横浜放送映画専門学院(現・日本映画大学)美術科を卒業し、松竹で美術助手を務めた後、1987年劇団「新宿梁山泊」を旗揚げ、座付き作家となります。1994年、「ザ・寺山」で岸田國士戯曲賞受賞。1995年新宿梁山泊退団。その後、邦画の脚本を担当するようになり、俳優としても数本の映画に出演しています。


受賞歴

「月はどっちに出ている」第67回(1993年度)キネマ旬報ベスト・テン脚本賞

「ザ・寺山」第38回(1994年度)岸田國士戯曲賞

「愛を乞うひと」日本アカデミー最優秀脚本賞、第72回(1998年度)キネマ旬報ベスト・テン脚本賞

「血と骨」第78回(2004年度)キネマ旬報ベスト・テン脚本賞

「焼肉ドラゴン」第12回(2008年度)鶴屋南北戯曲賞、芸術選奨文部科学大臣賞

 

結構、有名どころばっかりですね!これに加えて舞台は30本以上の脚本を手がけています。

 

 

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「焼肉ドラゴン」あらすじ(ネタバレあり)

金龍吉(キム・サンホ)は第二次世界大戦に従軍して左腕を失い、四・三事件で故郷の済州島を追われて来日した高英順(イ・ジョンウン)と再婚する。龍吉には長女・静花(真木ようこ)と次女・梨花(井上真央)、英順は三女となる美花(桜庭ななみ)をそれぞれ連れており、二人は国有地を不法占拠した集落で焼肉店「焼肉ドラゴン」を開業し、やがて長男の時生が生まれた。

 

 

1969年の春、「焼肉ドラゴン」の店内では、店の常連客の李哲夫(大泉洋)と梨花の結婚祝いの準備が行われていた。静花は右足を引きずりながら外に出て2人の帰りを待っている。

 

自転車で帰ってきた2人の雰囲気は最悪だった。

婚姻届を出しに行った区役所の職員と口論(韓国籍だという理由)になった哲夫がその場で婚姻届を破り捨てたのだった。憤慨した梨花は哲夫の言い訳に近い言葉に耳を貸さない。

険悪な雰囲気の中、それがもとで龍吉と英順の2人も喧嘩してしまう。

静花が哲夫を謝らせて、その場はなんとか収まる。

 

結婚祝いをしている店の前にやってきた初対面の尹大樹という韓国人を祝いだということで店に招き入れる静花。2人はそのまま付き合うことになる。

 

 

結婚したのはいいものの、なかなか定職につかない哲夫に腹を立てる梨花。喧嘩をやめるように言う静花につっかかる梨花。

哲夫と静花は以前に付き合っていた。その時のことを持ち出して静花に暴言を吐く梨花。静花は大樹と出ていき、哲夫もそんな梨花を怒りその場を出て行く。

 

幼馴染だった静花と哲夫は子供の頃に飛行場内に潜入、その時に犬においかけられて右足を骨折していた。誘った哲夫はそれを未だに悔いていた。

 

梨花が1人でふてくされて横になっていると、常連客の呉日白がせっかく集めたうどん汁をこぼしたと泣きながら店にやってくる。なぐさめる梨花は日白についキスをしてしまい、そのまま2人は関係を持ってしまう。

毎晩、遅くに帰ってくるようになった梨花に哲夫は腹を立てるが、梨花はそんなことお構いなしに無視をする。

ある日、哲夫は静花に「なんで結婚を申込んだのに受けてくれなかった?」と静花の右足に顔を当てながら咽び泣く。「梨花を悲しませるようなこと言わないで!」と哲夫に強く言う静花。

 

ナイトクラブ香蘭で働き、歌手を目指していた美花は支配人の長谷川(大谷亮平)と不倫関係にあった。

 

時生は学校でひどいいじめにあい、失語症になっっていた。

 

冬になり、哲夫と梨花の関係も冷めきっていた。静花と大樹が結婚を発表した日、哲夫は大樹にくってかかり、「俺はずっと静ちゃんが好きだった」と告白。哲夫は北朝鮮への帰国事業で一緒に移住して欲しいと静花に頼みこむ。初めは拒否していた静花も必死にすがりつく哲夫を見て「どうしようもない人じゃね」と泣きながら言い、それに応じて大樹との婚約は流れてしまう。

 

その一方、いじめで不登校になっていた時生の留年が決まる。いじめにあっていることを知りながらも 龍吉は登校するよう説得するが、時生は絶望して飛び降り自殺する。

 

 

1970年の夏、長谷川は正式に離婚し「美花と結婚させてほしい」と龍吉にお願いする。美花のお腹には新しい命が宿っていた。

英順は認めようとしなかったが、龍吉は長谷川に自らの過去を語り、「娘には幸せになって欲しい」と言ってよろしく頼むと頭を下げる。

その後、土地の収容に訪れた役所の職員に。立ち退くように言われた龍吉は「土地は買ったものだ」と主張し、「戦争に狩り出したくせに、今度は土地を奪うのか?だったら腕を返せ!戦争でなくした腕を帰せ!時生を帰せ!!」と叫ぶ龍吉。

 

1971年の夏、「焼肉ドラゴン」の取り壊しが決まる。哲夫と静花は北朝鮮に、日白と梨花は韓国に行くことになる。龍吉と英順は「娘たちをお願いします」と哲夫、日白、長谷川に頭を下げる。

 

英順は「たとえバラバラになっても、家族は繋がってる。忘れたらアカンで」と言い、手を振って皆を送っていく。

 

最後に残った龍吉と英順。

龍吉は舞い散る桜吹雪を見つめて、「わしらを祝福してくれとる。こんな日は、昨日がどんな日であったとしても、明日を信じられる」と呟く。

 

「焼肉ドラゴン」感想

題名からしてコメディだと思いこんでいました。クスっと笑えるところもありましたが、なんとも言えない激しい家族の会話や行動に胸が熱くなります。

2時間超えの作品でしたが、あっという間に終わってしまいます。真木よう子さんや井上真央さんの演技が素晴らしく、自分がファンである大泉洋さんも良かったです。

しかしそれ以上に、父親役のキム・サンホさんと母親役のィ・ジョンウンさんの子どもたちに対する愛情の深さの演技が一番光りました。

ぜひ、映像でみて、圧巻さを感じていただきたい・・・そんな素敵な映画でした。

おすすめです!

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