「渚にて」あらすじ 世界滅亡まで5ヶ月、最後の希望を信じて向かった先には・・・

映画

核戦争後の世界を描いた作品です。死にゆく世界の風景や、最後の時を待つ人々の姿を淡々と描くことで絶望感が伝わってきます。

皮肉とも思える海岸線の美しいシーンや静かな語り口、そして強烈なラストが印象的です。

「渚にて」作品紹介

監督:スタンリー・クレイマー

脚本:ジョン・パクストン

原作:ネビル・シュート

製作:スタンリー・クレイマー

出演者:グレゴリー・ペック / エヴァ・ガードナー / フレッド・アステア / アンソニー・パーキンス 他

公開:1959年12月17日(アメリカ) / 1960年2月10日(日本)

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監督のスタンリー・クレイマーって、いままでどんな映画作ったの?

監督であるスタンリー・クレイマーははじめはプロデューサーとして「シラノ・ド・ベルジュラック」「真昼の決闘」「ケイン号の叛乱」などを手がけ、1955年に映画監督としてデビューしました。

手錠のままの脱獄」「ニュールンベルグ裁判」「招かれざる客」でアカデミー賞にノミネートされ、1961年のアービング・G・タルバーグ賞を受賞しています。

ちなみに今作品ではゴールデングローブ賞作曲賞(映画部門、アーネスト・ゴールド)と英国アカデミー賞監督賞をもらい、日本でもブルーリボン賞外国作品賞を受賞しています。

 

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「渚にて」あらすじ

1964年、アメリカ海軍中佐、ドワイト・ライオネル・タワーズは原子力潜水艦スコーピオン号の内部から外の様子を確認する。その場所はアメリカから遠く離れたオーストラリアのメルボルン近郊。

核戦争後の世界

世の中は第3次世界大戦が勃発し、北半球は核爆弾によって壊滅していた。南半球にあるオーストラリアの放射能汚染レベルはまだ軽微だった。

 

オーストラリアでは車を使わず、皆は自転車か徒歩で移動していた。石油がほとんど北半球にあったため、備蓄しているものしか残っていなかった為である。

 

オーストラリア海軍のピーター・ホームズ大尉は妻メアリーと赤ん坊を残して家を出る。メルボルンに寄港していたスコーピオン号でタワーズと会い、その後ホームズの家で食事をすることになった。

待ち合わせの場所に来たメアリーの友人のモイラに案内されて、ホームズの家に行くタワーズ。そこにはモイラの元恋人でオーストラリア科学工業研究所研究員ジョン・オスボーンもおり、彼は核を間違った使い方をした人間の行動を、酒を飲みながら痛烈に批判していた。

タワーズとモイラはお互いの家庭環境や、やりたかった事を話しているうちに親密になっていく2人。

 

そんな時、全滅したはずのアメリカ・サンディエゴ近郊からモールス信号が入る。言葉がめちゃくちゃで解読は不能だったが、誰かが生きているのではないかとの希望を持ち、そこに調査に行くことになる。

 

その後、モイラはタワーズを気に入り、付き合おうとするものの、タワーズは死んだ妻や子供のことが忘れられず、そこまでには至らなかった。

 

寂しくなったモイラはオズボーンのもとを訪れる。オズボーンは昔からの夢だったレースに出るためにフェラーリを買っていた。最後の日にはそれに乗って走りたいと話すオズボーン。

「泊めてほしい」とお願いするモイラに「明日の朝に出港するから」と言って家におくるオズボーンだった。

 

ホームズは飲めば気持ちよくなってそのまま楽に死ねる睡眠薬を極秘に入手し「正しく使ってほしい」とメアリーに伝える。

 

そしてスコーピオン号はサンディエゴに向かって出港した。

謎の通信

サンディエゴに着いたタワーズたちはまず放射能を測定する。オズボーンからの報告で人類が生き残れるレベルではないことが明らかとなる。

潜望鏡で街を見ても、誰も歩いていなかった。それでもモールス信号は発信され続けていた。

 

ひとりの隊員が防護服を着て、発信元に向かう。そこには人はおらず、ロールカーテンに吊るされたコカ・コーラの空き瓶が、風の力で自動的に打鍵する仕組みにより断続的に電波を発信していた。

隊員は空き瓶をはずし、そのことをモールス信号でスコーピオン号に知らせる。それを知ったタワーズや他の隊員たちは呆れ、そして軽く笑った。

 

モイラは帰ってくるタワーズに会うのをためらうが、彼の姿を見た途端走り出し、2人は熱い口づけをする。

 

ホームズとメアリーも再会し、「もう絶対離れないよ」とホームズは言ってメアリーを抱きしめる。

最後の日々

オズボーンはフェラーリに乗って、念願だったレースに出場する。多くの車がリタイヤしていく中、オズボーンのフェラーリはなんとか走り続ける。そしてオズボーンは初めてのレースにも関わらず優勝し、満足げだった。

 

タワーズは現海軍司令官の退任により、次期司令官であり、そして最後の司令官に抜擢される。隊員たちが次々と体調不良になっていく中、タワーズは皆の意向にそって、母国アメリカへ帰ることを決める。

 

メアリーは放射能の影響で情緒不安定になっていた。ホームズはメアリーに寄り添い、2人で昔の話をする。そしてメアリーは「あなたの入れた紅茶(睡眠薬入り)を頂くわ」と言い、それを聞いたホームズはメアリーとキスをする・・・

 

そしてタワーズはモイラと別れのキスをする。

モイラは渚からスコーピオン号を見送っていた。タワーズは甲板でモイラを確認すると、艦内に入っていった。

オーストラリアの街は誰もいなくなり、「兄弟たちよ、まだ時間はある」の垂れ幕だけが寂しく風になびいていた。

 

「渚にて」感想

最後に出て来る「兄弟たちよ、まだ時間はある」はこの作品が作られた当時の社会情勢から、核の恐怖があったために、「間違いを起こさないで」というメッセージなのだと思います。

この作品にはリメイク版「エンド・オブ・ザ・ワールド」があり、これは2000年にオーストラリアで制作された作品です。

ほとんど一緒なのですが、オズボーンは車に乗って爆走しながら看板に自らぶつかって自殺します。

モイラが潜水艦を見送る場面は。実はタワーズがオーストラリアに残ってモイラと抱き合う所で終わります。それを先に見ていた私にとっては、「え、タワーズさん行っちゃうの?」て感じで少しショックでした。

 

司令官としては、皆をアメリカに連れて行かないといけない”任務”でしょうからつらいですね。

 

男はつらい・・・!?

 

原作について(第3次世界大戦のきっかけ)

映画では明らかにされていませんが、ネビル・シュートが書いた原作では、アルバニアによるナポリ爆撃をきっかけとするエジプト軍のソビエト連邦製長距離爆撃機によるワシントンとロンドンへの爆撃を戦争の発端としており、これは執筆当時のスエズ動乱が影響していたようです。

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