「タイム・マシン 80万年後の世界へ」あらすじと配信情報 文明のない世界に持っていくモノとは・・・

SF(洋画)

H・G・ウェルズの古典SF小説『タイム・マシン』を、「月世界征服」、「地球最後の日」、「宇宙戦争」 を製作してきたジョージ・パルが、自ら監督して映画化した作品です。

 

「タイム・マシン 80万年後の世界へ」作品紹介

監督:ジョージ・パル

脚本:デヴィッド・ダンカン

原作:H・G・ウェルズ

製作:ジョージ・パル

出演者:ロッド・テイラー / アラン・ヤング / イヴェット・ミミュー 他

公開:1960年8月17日(アメリカ) / 1961年6月10日(日本)

 

 

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「タイム・マシン 80万年後の世界へ」あらすじ

1900年1月6日の夜、デヴィッド・フィルビーは発明家の友人ジョージの家に行く。一週間前にジョージからディナーに誘われていたためである。他にも3人の友人たちが招かれており、リビングでジョージが現れるのを待っていた。

ジョージは時間というものに異常な関心を示し、その研究に没頭していた。

そのためか、ジョージの屋敷のリビングには数多くの時計が並んでいた。

 

時間に厳しいジョージは予定の時間になっても現れなかった・・・

 

メイドのワチェット夫人によると一週間ほど前から研究室に閉じこもり姿を見てないという。

ワチェット夫人が事前に受け取っていたメモには「遅れたら先にディナーを始めてくれ」と書かれていた。

 

食事を始めようと席についた時、ドアから現れたジョージは全身泥だらけで傷だらけのフラフラ状態。ワインをがぶ飲みするジョージに「何があった?ちゃんと説明しろ!」とまくし立てる友人たち。フィルビーはそれを制止して「慌てなくていい、世界中の時間が君のものだ」と落ち着かせようとする。

ジョージは「その通り。間違いない、世界中の時間が私のものだ」と言い、この一週間に起きた出来事を話し始める。

 

19世紀最後の日

大晦日の夜、ジョージは友人たちを家に呼び、ある小さな模型を皆に見せる。彼いわく、「それは4次元を移動できる装置だ」と言い、「大型なら時間旅行が可能だ」と力説する。

 

そして「皆に証人になって欲しい」と言ってジョージは模型のスイッチを入れる。するとその模型がその場で消えてしまう。


未来へ行ったと言うジョージの説をイマイチ理解できないどころか、ボーア戦争真っ只中だったイギリスの役に立つのかと言われて、少し落ち込むジョージ。

他の招待客が帰ったあと、デヴィッドから「もし実用できるものが出来上がっているなら壊せ。君の身の破滅だ」と忠告する。デヴィッドはここ最近のジョージの様子がおかしいことに気づいており、それを心配しての発言だった。

デヴィッドは「生まれたばかりの赤ん坊を見に来ないか?」とジョージを誘うが、彼は「1人で19世紀に別れを告げたい」と言ってデヴィッドの誘いを断る。

ジョージはデヴィッドに謝り、1週間後にまた会おうと約束する。

 

デヴィッドが帰ったあと、ジョージは研究室で既に完成させていた実物大のタイムマシンへ乗り込む。

時間旅行の旅へ

ジョージは未来に行きたかった。

レバーを少し上げるとタイムマシンは作動を始める。しかしすぐレバーを元に戻す。変化が無いように見えたが、時計は1時間半が経過しており、ろうそくが短くなっていた。

そして再びレバーを上げる。

 

時は進んで1917年になった頃、窓に木の板が打ちつけられて暗くなったのでタイムマシンを一旦止める。屋敷内は蜘蛛の巣がはり、ホコリだらけになっていた。

 

屋敷は廃墟になっており立入禁止になっていた。

 

そこでデヴィッドと同じ顔の軍服の男を見つけたジョージは彼を呼び止めると、彼はデヴィッドではなく、息子のジェームスだった。

ジェームスからデヴィッドは戦争で1916年に死んだこと、そしてデヴィッドがジョージの屋敷を管理していたが「ジェームスは絶対に戻ってくる」と言って誰にも売ろうとしなかったことを聞かされる。その後少し話をするが、ジョージは結局名乗らず、ジェームスと別れる。

ジョージは再びタイムマシンに乗り込んで更に未来へと行く。

1940年〜1966年

1940年に戦争による爆撃で屋敷がなくなったため、タイムマシンは野外で作動していた。

 

その後、何かの警報音が聞こえたため一旦タイムマシンを止める。時代は1966年となっていた。

外では警報が鳴り響き、多くの人々が逃げていた、1人の老人に「早く非難しなさい」と言われるジョージ。それはジェームスだった。ジェームスはジョージのことを覚えていたが、全然歳をとっていないジョージに驚く。しかしそんなことを気にしている暇がなかったジェームスは「早く地下に入れ」と言って去っていった。

その後、核攻撃がはじまったのを確信したジョージは急いでタイムマシンに乗ってレバーを上げた。

 

その後、そこは洞窟のような場所になり、そこは寒い空間だった。

80万年後の世界

何世紀も進み、洞窟から外に出ることができるようになる。その頃は何千世紀も経っており、緑に溢れた地表が広がっていた。そこでタイムマシンを止めるジョージ。年代は80万2701年になっていた。

停め方が急だったためにタイムマシンがくるくる回り、そこから投げ出されるジョージ。しばらく気を失ったあとに気づいたジョージはその周辺を探索する。タイムマシンの側には巨大なレンガで建てられたスフィンクスがあったが、その分厚いドアはびくともしなかった。そして叩いても反応がない。

 

他にも建物が点在しているため、生物がいるのは確かだったが、なかなか出会うことが出来ない。

しばらく歩いて疲れ切っていたときに人々の笑い声が聞こえてくる。川のそばで多くの人間が水遊びや果物を食べたりと、まるで楽園を見ているかのような光景が広がっていた。

 

そんな時1人の若い女性が川に流されて悲鳴をあげていた。ジョージはびっくりして助けに行く。しかしそれ以上に驚いたのは、周りの人間がそれに興味を示さず、助けようとしない光景だった。

 

ジョージは川に飛び込み、その女性を助けた。

 

心配して自分の上着をかけてやるジョージに対して、その女性はお礼も言わず、何事もなかったかのようによそへと行ってしまう。何が何だかわからないジョージだった。

おかしな世界

しばらくすると、その女性が上着をたたんで返しに来る。

女性は「なんで追いかけたの?」とジョージに尋ねた。この世界の人間は”助ける”ということが何なのかわからないようだった。自分が誰なのか?どこから来たのか?も興味が無いため、ジョージのような、明らかに自分たちと違う風貌の人間が来ても誰も驚かなかった。

その女性はウイーナと名乗った。しかしこの世界に文字がなかったため、ジョージが”WEENA”と書いてみせる。

 

ウイーナは夜を怖がっているようだった。

 

歴史を知りたかったジョージは本棚がある所に案内してもらう。しかし本は長年読まれておらず風化し、持っただけで粉々に崩れ去った。それを彼らの怠慢だと思ったジョージは「今まで培ってきた人類の知識を無駄にさせたな!」と怒り狂い、タイムマシンで帰ろうとする。

 

しかしタイムマシンはなくなっていて、スフィンクスのドアの向こうに引きずられたような跡があった。ドアを叩くもやはり反応はない。そこで人影をみるが、それは人間のような肌色の皮膚ではなく、青い皮膚をしていた。彼らは火に弱いようだった。

 

そこにやってきたウイーナ。彼女はジョージを心配したのか、それとも気になったのか・・・。いずれにしても他人に関心のない他の人達を見ているせいか、嬉しい気分になるジョージ。

ウイーナはその青い肌の生物をモーロックと呼び、服と食べ物を与えてくれる代りに、命令に従わせる者だと説明する。そしてタイムマシンがひきずりこまれたスフィンクスがモーロックのすみかだと知る。

 

その後2人は焚き火をしながら語り合い、親密になっていく。

 

翌日、”しゃべるリング”というものがあることを知ったジョージ。そのリングを回すと、まるでテープレコーダーのように声だけが聞こえてくる。

はるか昔、戦争が起こって大気が汚染された。その為に一部の人間が地下洞窟に入り、残りの者は僅かな希望を抱いて地上に残ったことを知る。

 

そして地下に入った人間は青い皮膚の支配者になり、地上に残った人間は奴隷になったのだった。

 

そんな時、ウイーナが奴隷としてスフィンクスの内部に連れて行かれてしまう。

 

ウイーナを助けようとするジョージ。至る所に空気を取り入れるような穴があり、それはスフィンクスの地下洞窟につながっていた。そこから洞窟に入ったジョージはモーロックが食べたであろう人間の骨をみつける。

 

捕まったウイーナと他の奴隷たちを逃がそうとするジョージ。1人で闘うジョージを見た奴隷たちも自我に目覚め、ジョージの危機を助ける。

その後なんとか脱出するジョージたち。

そして皆で協力してモーロックの地下洞窟の殲滅に成功する。

その後、モーロックは現れず、穏やかな平和な世界になった。

 

ジョージの心は穏やかだったが、あまりにも違う生活のためか、元の世界に帰りたいという思いが少しづつ募っていった。そんな世界に行きたいというウイーナ。

 

その頃の2人は相思相愛になっており、ジョージもウイーナを一緒に連れていきたいと思っていた。

 

そんな時、スフィンクスのドアが開き、タイムマシンがその中にあるのを発見する。ジョージは急いでタイムマシンに近づき、ウイーナを呼ぶ。しかしドアが閉まり、開けようとしてもびくともしない。ウイーナも開けようとするが開かず、悲しみのあまりその場で泣き崩れてしまう。

 

スフィンクス内にはまだモーロックが生きていた。急いでタイムマシンを作動させて過去に戻るジョージ。

 

なんとか1900年の1月6日に帰ってきたジョージ。到着したときのタイムマシンの位置は、モーロックが移動させたせいで場所が変わり、研究室の隣のベランダだった。

 

3冊の本

その話を信じてくれない招待客たち。

ジョージは花を持って帰っており、それを植物に詳しいデヴィッドに見せる。デヴィッドは「わからない・・・」としか言いようがなかった。

 

招待客たちはその話を酒の席での話くらいの感覚で軽く聞き、そして帰っていく。

 

デヴィッドは帰る間際に「帰ってきてくれて嬉しいよ」と言うと、ジョージは「さよなら」と言い、さらに「永遠に変わらぬ友情をありがとう」と付け加えた。いつもと様子が違うことに違和感を感じながら2人は別れた。

馬車で待っていた招待客から「どう思う?」と聞かれたデヴィッドは「あの花は冬には咲かない。それだけは確かだ」と伝えた。

 

馬車が去ったあと、ジョージの屋敷に戻るデヴィッド。すると研究室からタイムマシンの作動音が聞こえてきた。研究所に入ったデヴィッドとワチェット婦人。

そこにタイムマシンはすでになかった。そしてベランダから研究室へ戻したような跡が残っていた。

(研究室の場所は未来ではスフィンクスの外だからウイーナと別れることがない為)

 

デヴィッドはジョージが文明を築くため、手ぶらで行くはずないとワチェット婦人に話す。

 

ワチェット婦人は本が3冊なくなっていることに気づく。「どんな本?」と聞くと「わかりません・・・大事なことですか?」と逆に尋ねるワチェット婦人。

 

デヴィッドは「それほどでも・・・。でもあなたならどんな本を持っていった?」と微笑みながら屋敷をあとにした。

 

 

「タイム・マシン 80万年後の世界へ」感想

私が子供の頃に「ゾンビ」と同じく、ねだって買ってもらったビデオの1本です。これも何十回と見ています。しかしいつ見ても新鮮で、そしてワクワクしながら見ています。昔ながらの映像でありながら色調豊かで、それでいて冒険要素、恋愛要素、ミステリーもあります。

 

2002年にH・G・ウェルズの曾孫であるサイモン・ウェルズが監督したリメイク作「タイムマシン」がありますが、私は今作のほうが娯楽性があって好きです。


補足ですが、原作が書かれたのが1895年の為、人類の二分化が核戦争の結果である事、イーロイがモーロックと戦う事など、時代設定や筋立ては原作と異なった部分が多く、原作出版後に起こった第一次世界大戦や、映画公開時には近未来であった1966年にロンドンが核攻撃で壊滅してしまうなどの描写が加えられています。

壮大な戦争風刺ではあるけど、ジョージを信じるデヴィッドの厚い友情が感動的に描かれて良かった。それと地底人の風貌はまさしく昔の映画っぽくて逆に面白かった。

 

これも補足ですが、ジョージの友人と、その未来の子供の二役を演じたデヴィッド役のアラン・ヤングは、2002年にリメイクされた『タイムマシン』にもカメオ出演しています。

 

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